中小企業のためのクラウドソーシング② 海外マーケティングへの活用
ものづくり経革広場の徳山です。
先日「中小企業のためのクラウドソーシング①」というブログを書かせていただきましたが、その中でも少し触れた、クラウドソーシングを海外マーケティング調査で使えないかという件に関して、色々と進捗がありましたのでご紹介したいと思います。
ものづくり企業と海外にいるワーカーと連携させる
私の周りのものづくり企業様の多くから「WEBを使って国内にいながら海外メーカーとの接点を作れないか」というオーダーをいただくことが増えてきました。これからの日本は国内市場低迷、人口減の流れですから当然の話かと思います。
しかし、中小企業にとって海外進出に対し大きなリスクを取ることはできません。現地に拠点を作るとか、海外展示会に出展するとか、調査機関に頼んでコンサルティングを頼むといったコストを払うことのできる企業は少ないと思います。
その中で有力な手段とされているのがWEBマーケティングです。WEBサイトの立ち上げと小額の広告予算であれば中小企業であっても捻出することは可能です。ただし、自社技術の特長が最大限に活きる市場(国やエリア)を見据え、その市場特性を理解しないままに取組んでも下手な鉄砲となってしまいます。
そこで、思いついたのがクラウドソーシングを使って海外ワーカーのリソースをうまく活用できないか、という発想です。海外在住のワーカーでその業界における知見のある方に協力してもらえれば低コストでの海外進出支援ができるのではないかと考えたのです。
とにかくまずは現実可能か試してみよう
机上の空論ばかり語っていても意味がないということで、まずは実現可能性があるか試してみようと考えました。たまたまクラウドソーシング協会が「クラウドソーシングの最先端事例」なるものを募集しており、事例を作成するための予算も拝借できるという機会に恵まれました。この最先端事例とは、今までにないクラウドソーシングの活用を行い、活用の幅(可能性)を広げていこうという取組みです。今までのようなコスト削減のための活用でなく、販路開拓に使えるのであればとても活用の可能性が広がる、ということでこの提案は大歓迎されました。
モニター企業となって頂いたのは歯科・医療機器の精密部品を製作されている「岩井製作所さん」です。ちょうどアメリカやヨーロッパの先進国へ自社の技術を広げていきたいと考えていらっしゃいました。これからターゲットとするエリアを決めていく、という初期の調査段階だったのでモニター企業としてタイミングも良かったのでご協力いただくことになりました。
まだターゲットをとなるエリアも未決定ということだったので、下記のような要望でワーカーを募集することになりました。募集はいつもお世話になっているクラウドワークスさんで行いました。
- 岩井製作所の技術を理解できるバックグラウンド(過去の経験)を持っていること
- ターゲット候補となるエリア(アメリカorヨーロッパ)に精通し、現地の情報収集に長けていること
- 具体的な基本業務としては、岩井製作所のターゲットとなる企業のリストアップとニーズ調査、競合企業の調査など。その他、自身の経験やコネクションから協力してもらえそうな内容があれば追加で提案していただく
という条件で募集を行いました。かなりピンポイントな内容なので、上記条件に伴うワーカーさんは存在するのか、、半信半疑な状態でのスタートです。まぁ最先端事例ですからこれぐらいチャレンジングなものでないと(⌒_⌒;
その結果、想像以上の提案が!
大きな不安が残る中、ワーカーさんを募集した結果、提案者自体は数名と少なかったのですが、その提案内容は想像を超えるものでした!その中でも素晴らしい提案をしていただいた下記の2名に仕事を発注することになりました。
提案者A・・・フランス在住、最近まで仏企業の日本市場進出のための市場調査と顧客探しを行っいた。過去に、日本のカテーテルの市場調査と、仏製のカテーテル製品を日本の医療機器関連メーカーに紹介し、受注までをサポートした実績あり。
提案者B・・・マーケットリサーチ系の実績多数。過去に工作機械メーカー、医療機器メーカーにて勤務。守秘義務の範囲内で内情に関する情報も提供可能。自身はターゲットとなり得る企業とのコネクションはないが、適切なワーカーの紹介は可能。
なんとピンポイントなマッチングなのでしょうか。正直驚きました。
上記案件は現在進行形なのですが、具体的な仕事がどのように進行していったのか、どのような成果物がでてきたのか、などは次回のブログでご報告させていただきたいと思いますので、楽しみにしていて下さい。
クラウドソーシングの活用で海外マーケティングの切り口が拓ければ多くの企業に活用の余地が出てくると思います。一社でも多くの海外進出支援ができるよう、弊社では様々な協力を行っていきたいと考えています。