新しいものづくりのかたち~みんなで作り上げるWemake~(後編)

こんにちは、ものづくり経革広場の渡部です。

前回に引き続き、株式会社A(エイス)の鳫子(がんこ)様と、コメヤデザインの山下様のインタビューの内容をお届けします。

前回記事はこちら

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製品化に向けてプロジェクト進行中の「Maskkeeper」も

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最初につくった試作品から

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様々な試行錯誤を繰り返し、今に至っています。

オープンイノベーションに参加するということ

ーWemakeのコンセプトに参加することに対して、不安とか無かったですか?

山下様:アイデアを公開すること自体に不安はありませんでした。多くの方の知見を集める事で、プロダクトの質が高めていけることへの期待感の方が大きかったです。ネットの普及によって商品開発の質とスピードは、やり方次第で以前より圧倒的に高められる時代に変化している実感がありますから、コンセプトには賛同できたし、単純に「試してみたい。」と思いました。Wemakeは、種蒔きと収穫のイメージさえあれば成長過程で多くの人が一緒に育ててくれる、変化や進化を共に楽しめるプラットホームなのかな、と感じていました。

鳫子様:Wemakeは「いろんな人」が、「いろんな視点」で、「いろんな意見」を言い合うプラットフォームにしようとしているので、そこに期待して頂いて、嬉しいです。私達で「共創」っていう言葉を使っているんですけど、短期間でいろんな意見をコラボレーションしながら、改善ができればと思います。

山下様:意見だけじゃありませんでしたよ。アイデアは2年ほど前から、興味を持ってくれそうな周囲の方に話していたので、Wemakeの取り組みを見て改めて、機構設計者、デザイナー、医者、介護関連業、など多くの友人から「開発に協力するよ」とメッセージをもらったり、facebookなどのシェアでさらにその周囲の方へと認知が広まっていきました。

ーアイデアを公開することへの懸念も無かったですか?

山下様:「Maskkeeper」の場合はニーズがあることは実体験で確認済みなので、アイデアを公開してもっと多くの意見を吸い上げたほうがいいだろう、と自分で判断しました。もちろんほとんどの商品開発はそうではないのですが、このアイデアでは懸念はありませんでした。 「今この世になくて、使いたいという人がたくさんいるアイデアを思いついちゃった。何とか商品化して必要としている人に使ってもらいたい」。目的はそれだけ。単純です。自分の中に閉じ込めて大切に温めておいても仕方ないです、現実に使ってもらえるようなものを作りたいだけですから。

鳫子様:その点、Wemakeでは投票システムによって、販売前のニーズを定量化できるようにしています。

山下様:投票システムについては最初は「???」でした。何百万もかけて開発するものを不明瞭で無責任なネットの人気投票結果で決めるなんてあり得ない、あまりにも無謀だと感じました。でも新しいエイスさんの取り組み自体には共感したので敢えて乗ってみた、というのが正直な経緯です。

鳫子様:そうですね。だから今回は優秀賞という部門で、弊社がメーカーとなって「売れるもの」を製品化検討する為に、山下さんのコンセプトを選ばせてもらったんです。ただ、今後、参加される方が増えてくるに従って、投票システムももっと精度の高いものになっていくと思います。

オープンな会議システム

ーWemakeって、ネット上ですごい大勢の人がブレストしてる様なイメージだと思うんです。参加してる中で気をつけていた事ってありましたか?

山下様:ネット上とはいえ、人間性って伝わると思うんですよ。いいものを作りたいだけですから、そこは自分の態度次第かなと。一緒に開発している仲間と考えれば、現実に会話する時のように、相手の考えを最大限引き出すように、傷つけないように、でも阿らないように、細心の注意を払いました。書き込むときには何度も文章のチェックして書き込むタイミングを見計らったり、かなり気を使いましたね。

ーネットだと顔が見えないとかよく言われますけど、山下さんの場合、アイコンに顔出ちゃってますもんね(笑)。

鳫子様:facebookからそのまま登録していただいた方も多かったですからね。でも基本的にはメールアドレスだけで、登録できるんです。誰でもすぐに入ってきて、気軽に参加できる場所であればと思います。

欲しいものがあったら、Wemakeにいってみよう

ーまだまだ始まったばかりだと思いますが、Wemakeのこれからで目指しているところってありますか?

鳫子様:Googleのような感覚で使って欲しいですね。

ーGoogleのようなと言いますと?

鳫子様:今って何かわからないことがあったら、PCとかスマホとかですぐGoogleの検索バーにその言葉を打ち込むじゃないですか。それと同じ感覚で、何か欲しいと思ったり、それを作りたいと思ったりしたら、Wemakeにきて活用して欲しいです。

ー壮大なプロジェクトになってきましたね。

山下様:作りたいものがあったらWemakeにいってみようっていう感覚は、私も感じました。今までメーカーのプロダクトデザイナーとしていろいろ仕事してきましたが、その時の達成感とはだいぶ違います。Wemakeに参加することで、ほんとうに自分で作りたいと思うものができそうです。またそれが形になりつつあるので、今は凄く楽しく関与させてもらってます。

 

東京の中小企業振興公社で講師としても様々な方の支援をしている山下様。新商品を生み出すのはメーカーではなくて、山下様の様な個人の考えたコンセプトから、オープンイノベーションで形に近づけていく事例が今後も増えていくと感じました。

 

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