海外WEBセミナーの実施報告と海外SEOの手順について

今回のブログは、8月28日(金)に行われた「海外Webマーケティングセミナー」の開催報告です。

とても関心の高いテーマだったようで、定員の50名はかなり早い段階で集まり、キャンセル待ちをしていただいた方もかなり多かったようです(中小機構さんの集客力の高さも一因ですが)。

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第一部は私から「中小製造業の海外展開事例」、第2部は株式会社BENLYの八幡さんによる「海外Webサイト制作における呼び込み方とローカライズ」、最後に株式会社日本クロス圧延の岡社長から「海外販路開拓の為の自社ブランディングと実務の留意点」という三部構成でお届けしました。

セミナーのアンケートでは90%を超える方にご満足頂け、とても盛況の中で幕を閉じることができました。特に海外経験豊富な岡社長のご講演は素晴らしい満足度でした。

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個人的な反省点としては、3割近くの方が既にWebを活用した海外への販路開拓に挑戦中と予想以上に多く、もう少し具体的な話をすれば良かったと感じました。なのでセミナーの補足として、アンケート中の課題として多く挙がっていた「海外SEO」の話をしたいと思います。

【執筆者紹介】徳山 正康
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徳山 正康
テクノポート株式会社 代表取締役

製造業専門のWebマーケティング事業と技術ライティング事業を手がけるテクノポートの代表を務める。「技術マーケティングで日本の製造業に追い風を」を経営理念に、これまでに数名の町工場から一部上場のメーカーまで、累計1,000社を超える製造業を支援し、数多くの企業の経営革新を実現。

グロービス経営大学院(MBA)卒業、(社)日本ファミリービジネスアドバイザー協会 フェロー、(社)Reboot 理事、(社)Glocal Solutions Japan 認定専門家

【寄稿実績】
間違いだらけの製造業デジタルマーケティング(MONOist)
精密板金企業が「Webでの引き合い」を売上につなげることができた、たった一つの理由(ビジネス+IT)
製造業のSEO対策を基礎から解説、「加工事例」が超重要なワケとは(ビジネス+IT)
製造業の「技術マーケティング」戦略、事例で読み解く自社技術の可能性を広げる方法(ビジネス+IT)
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海外SEOの手順

海外Webサイト立ち上げの手順は下記の通りとなるのですが、その各段階で海外SEOの観点から気を付けるポイントを解説していきたいと思います。

①ターゲット国(地域)の決定

ご存知の通り、国によって検索サイトのシェアが異なるので、ターゲットとなる国が決まっている場合はその国で最も使われている検索サイトとその特色を調べなければなりません。多くの国でGoogleが最も使われているのですが、ロシア、中国、韓国といった国では各国のローカル企業が運営している検索サイトのシェアが高いので注意が必要です。どの国の市場を攻めれば良いかまだ探っている状況の方はGoogleが提供する「グローバルマーケットファインダー」を使うことをおススメします。これを使えば国ごとの検索キーワード需要を掴むことが可能です。なお、今回のブログではGoogleでSEO対策することを仮定の上で話を進めていきます。

②日本語コンテンツの準備

既に日本語のWebサイトをお持ちの方はそれを翻訳していけば良いのですが、十分なコンテンツ量があるかどうか注意する必要があります。Googleは日本でも海外でも同じく「ユーザが求める情報をどれだけ豊富に提供できているか」を判断し検索順位を順番を付けています。国内ならSEO対策だけで十分に反響が出ていると自信を持って言えるサイトでないとコンテンツ量としては不足していると言えます。今一度コンテンツを練り直しましょう。コンテンツの作り込みにお悩みの方はこちらのブログをどうぞ。

③コンテンツの翻訳

ターゲットの国(地域)によって使われる言語や物の呼び方に違いがありますので、ベストはターゲットの国に住んでいる翻訳者に翻訳してもらうことです。しかし、「現地翻訳者の知り合いなんていないよ!」という方がほとんどだと思うので、クラウドソーシングの活用をお勧めします。オススメのクラウドソーシングサービスは、以前にものづくり経革広場でもご紹介した「ワークシフト」です。こちらのサイトであれば、様々な国に在住の”日本語が使える”ワーカーさんと簡単に繋がることができます。ターゲットとなる国に在住のワーカーさんに②で用意した翻訳業務を依頼してみて下さい。人件費が安い国であれば格安で利用できるというのも大きなメリットです。

④海外言語のWebサイト制作

翻訳したコンテンツを持ってWebサイトの制作を行います。Googleを使うことが前提であればSEOのアルゴリズムは万国共通ですので、SEOの基本知識を持った制作会社に頼めば、概ね大丈夫です。しかし、海外の検索エンジンで効率よく表示させるためには下記のような注意点やコーディングする上で気を付けるポイントなどもあるので、可能であれば海外SEOの知識がある制作会社を選ばれることをオススメします。

~海外SEOにおけるWebサイト制作時の注意点~
・制作後にGoogle Search Consoleでターゲットエリア設定を行う ⇒ インターナショナルターゲティングの設定方法
・ターゲット国のドメインを取得する(例:イギリスなら.ukドメイン)
・ターゲット国内のホスティングサービスを利用する
・ターゲットエリアに関連したコンテンツを掲載する
など

⑤公開⇒運営(定期的な更新)

Googleで検索上位表示を獲得し続けるには、定期的に更新し優良なコンテンツを提供し続けているか、ということがとても重要視されます。そのためには外国語のコンテンツを継続的に作り上げなければなりませんし、適切なコンテンツを作成するためにはアクセス分析(もちろんデータは全て外国語)を行わなければなりません。社内に外国語の対応ができる人材がいなければ難しい作業になるのかも知れませんが、アクセスデータの解析により「どの国(地域)からのアクセスが多いのか」、「どのようなキーワードでアクセスがあるのか」といったマーケティングを行う上で有意義なデータが集まりますので、外国語を勉強しながら頑張って頂きたい作業になります。

以上、簡単ではありますが海外SEOの手順をご紹介いたしました。海外Webマーケティングセミナーは定期的に開催していきたいと思いますので、是非ご参加頂ければと思います。

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徳山 正康
テクノポート株式会社 代表取締役

製造業専門のWebマーケティング事業と技術ライティング事業を手がけるテクノポートの代表を務める。「技術マーケティングで日本の製造業に追い風を」を経営理念に、これまでに数名の町工場から一部上場のメーカーまで、累計1,000社を超える製造業を支援し、数多くの企業の経営革新を実現。

グロービス経営大学院(MBA)卒業、(社)日本ファミリービジネスアドバイザー協会 フェロー、(社)Reboot 理事、(社)Glocal Solutions Japan 認定専門家

【寄稿実績】
間違いだらけの製造業デジタルマーケティング(MONOist)
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