960万円の事業補助金を獲得したコツを伝授!
こんにちは、株式会社日本クロス圧延の岡です。
このブログは中小製造業の海外進出のノウハウを発信します。
私も経験しましたが「海外に進出するぞ!」と気合を入れて、英語版サイトの製作や海外の展示会などに出展しても、思ったより成果が上がらなくてガッカリした経験なんてありませんか?
だけど製品の魅力をしっかり発信することで反響が全く違うものになります。
そのためにブランディングやプロモーションなど戦略を考え実践しましょう!
ブランド戦略っていうと最終製品を製造しているメーカーにしか必要ないと思うかもしれません。
しかし視点を変えることで、中間製品や製造技術などもブランド化することが可能です。そしてブランド化することでスムーズに海外展開できるようになります。とても重要なことなので、どうぞお付き合いください。
今回も「ブランディングと補助金」をテーマに考えていきます。
前回のコラムでは選考のポイント対象になる事項をチェックリストにして、個別に解説していきました。今回は具体的な申請書類の書き方について考えていきましょう!
この記事の目次
1.計画の名称
まず計画の名称を考えないといけません。これが結構悩むのです、よく言われるのは、少ない文字数で申請の内容がしっかり網羅され、なおかつインパクトがあるほうが良いと...
なんだかややこしいのでとりあえず、テンプレにしてみました。
「○○○の△△△による□□□事業」
って形が基本に忠実たと思います。
自分が申請したときは下記みたいな感じにしてみました、少し文字数が多いけどね(笑)
「新ブランド「R&D Materials」のインターネットによるマーケティング及び販路開拓事業」
選考委員に「ああ、インターネットで販路開拓したいわけね、ポイントはブランド戦略の中身かな―」くらいの感じで、この申請書のポイントになるところを匂わせておけばOKです。
2.計画の概要
次に計画の概要を記載します。
計画の概要には革新性あるいは他社との差別化、競争力をしっかりと明記する必要があります。だからといって説明に気合が入りすぎて長いのは良くないので200文字以内が理想とのことです。
「海外に販路を開拓したいからホームページを作りたい!」と直球勝負ではもちろんダメ(笑)
結局は補助金でホームページを作りたわけなんですが、すこしひねって概要を考える必要があります。
ちなみに差別化を前面にだして、こんな感じに書いてみました。
ポイントは「ホームページを作りたい!」とはここでは書かないことです。
以下、書いてみましたがこれで160文字です。
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一般的に金属材料は名称がステンレスやアルミニウムなど総称で呼ばれているため差別化が難しい。
そこで弊社はH25年度経営革新計画の承認を受け新ブランド「R&D Materials」を事業化し、他社に先駆けてブランド化による差別化と販路開拓を展開している。
本事業計画ではR&D Materialsブランドを国内外に発信するとともに販路開拓のためのマーケティング及び販売促進を目的としている。
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「計画の名称」でブランド戦略を匂わせているので、補足的な感じにするのが良いかと思います。
3.事業の具体的な内容と取り組み内容について
メインになる部分ですね、前にもこのコラムで書きましたが、1000文字の説明より、写真を1枚添付したほうが理解してもらえるのです。
だから写真と図表を使って、パワーポイントのプレゼン資料のように図表+補足説明みたいに組み立てていきます。何度も言いますが長い文章はご法度です。
そしてストーリーにPDCAが回っていることが重要です。
Plan(計画)・Do(実行)・Check(点検・評価)・Act(改善・処置)
事業の課題や問題点を起案します。「同業他社からの価格競争からの脱却」こんなのでもいいと思います。
「同業他社からの価格競争から抜けだしたい!」という課題を解決するためのプランを決めます。
ブランド化、高付加価値、販路開拓、用途開発など同業者がまだやっていないことを証明する資料とともにプランニングしていきます。
そしてそのプランを実行するための行動を工程ごとに図表をたくさん使って説明します。具体的な達成手段を記載してください。
そして起案した問題が解決することで本事業の成果が寄与すると想定している具体的なユーザー、マーケット及び市場規模等について、その成果の価格的・性能的な優位性・収益性や現在の市場規模も踏まえて記載します。
ゴールを明確にしないと計画とはいえないからね。
さいごに
弊社も今年度の「ものづくり補助金」が、ほぼ上限の960万円で採択されました。
このブログで偉そうに補助金を語っていながら、もし落ちてたら...なんて考えていたのでホッとしました。
考えていることを文章にするのって簡単そうですが、実際にやってみると思った通りに書けなくて、いつももどかしい思いをします。頭の中ではとめどなく考える事ができますが、文字に起こすと頭の中で考えている文字数の1/30以下で表現しないといけないからだと考えます。
だから文章化する過程で、無駄な部分はどんどん省くことで、無駄のない切れ味のある文章になっていきます。そして考えが整理されていくので、新しい気づきや発見、矛盾点が明確になっていく気がします。
文章力がもっとあればって、いつも思います。
会社のサイトやカタログ、展示会のポスター、経営計画などを考えるときに、思っていることを的確に文字にできないもどかしさにイライラします。
だから自分自身もこのブログを書きながら文章で表現する練習をしている部分も大きいですね、1円にもならないからね(笑)
酒を飲んで思いを熱く語る経営者をよくみますが、語るだけなら誰でもできます。
熱い思いを前に進めるために文章にしてみましょうよ!
今回で補助金は最終回です。
次回から本題に戻ってきますね。よろしくお願いいたします。
日本の中小製造業の海外販路開拓に少しでもお役に立てればと思いブログを書かせていただきました。何かの参考になれば幸いです。
次回もまたよろしくお願いいたします。