伝統工芸職人とファンを繋ぐウェブサービス「伝統サポーターズ」とは
「伝統サポーターズ」というウェブサービスをご存知ですか?
先日、栃木県宇都宮市で開かれたトークベント
「”インターネット” × “伝統工芸”の可能性について 〜栃木県の伝統的な手仕事を未来に残すために、私たちが今できること」
http://news.den-suppo.jp/event/tochigi0620.html
に参加してきました!
そこで登壇されていたのが、伝統サポーターズ代表、桜井里子さん。
伝統工芸への想いや、サービスについてのお話を伺ってきました。
伝統サポーターズとは
日本のものづくりの現場では今、ゲームやアニメ、食文化などが「クールジャパン」製品として急速に海外進出を果たしています。
それらは拡大化に向けて前進する一方、伝統工芸や民芸といった産業界では、需要の低迷と後継者不足が深刻な問題になっており、次世代の作り手・職人が年々減っている状態です。
伝統サポーターズは、手仕事の良さや価値を多くの人に知ってもらうプラットフォームとして、作り手・職人を継続的に支援するサポーターを増やしていくことを目指しています。(公式サイトより)
伝統工芸を応援したい!という一般の方を、ここでは「サポーター」と呼び、
お気に入りの職人さんを見つけたら「サポーター登録」をして、月額の支援額を500円、1000円、1500円の中から選ぶことができます。
支援することで年に1度、サポートした職人さんが提供するノベルティをもらえたり
実際に職人さんとサポーター同士の限定のコミュニティに参加することが可能になるのです。
職人さんは、日ごろからブログのように進捗情報を発信してくれるので
製品と一緒に、それがつくられる背景もより深く知ることができます。
また、インターネットのコミュニティを活用することによって
サポーターからのニーズを生み出し、産業を活性化することを目指しています。
「伝統サポーターズ」とはこのような「職人」と「本気のファン」を繋ぐためにできたコミュニティサイトです。
伝統サポーターズへの想い
このサービスの発起人の桜井さんは、もともと伝統文化が大好きで、お茶や三味線が趣味とのこと。
三味線はデリケートな楽器なので、まめに修理に出す必要がありましたが
最初にお願いしていた川越市の職人さんは、後継者がいなくて廃業。
次にお願いしていたところでも、同じ理由で廃業するのを目の当たりにしてきたそうです。
また、それに加えて10年間、記者や編集者として作り手への取材活動をしていく中で見えてきた課題。
それは、伝統産業に従事する作り手の減少でした。
作り手の減少に歯止めをかけたい。優良顧客と職人をつなげたい、という想いで
在籍している株式会社ガイアックスでの新規事業として、「伝統サポーターズ」を立ち上げたそうです。
IT関連サービスでは、半年や1年で成果を求めるのが一般的なスピード感ですが、伝統工芸をITで盛り上げるのはなかなかハードルが高いのが現実。
長期的な計画でサービスを育てていく気概をお話しいただきました。
当日のイベント資料はこちらのサイトで見ることができます!
《伝統サポーターズ》勉強会プレゼン資料@宇都宮
http://www.slideshare.net/satokosakurai/ss-49667172
次回は、実際に栃木県の職人さんが、伝統サポーターズを活用するに至った経緯をご紹介します!
今までインターネットで情報を発信してこなかった伝統工芸職人さん。
ウェブサービスを活用することを決断するには、いろいろな葛藤があったそうなのです…!
お楽しみに★