ものづくり中小企業がクラウドファンディングに挑むべき3つの理由
前回の渡部の記事に引き続き、クラウドファンディングについて書きたいと思います。
今回のブログでは、板越ジョージさんに伺った話をもとに「ものづくり中小企業がクラウドファンディングに挑むべき3つの理由」を個人的な見解満載で書いていきたいと思います(^ ^)/
この記事の目次
クラウドファンディングの目的は?
クラウドファンディングの一番の目的は、資金の調達であることは間違いありません。しかし、周りの実績を見てみると中小企業が製品開発プロジェクトなどを立上げ調達できる金額はせいぜい100万円前後ではないかと思います。日本はアメリカとは違い、クラウドファンディングはまだまだ発展途上なので調達できる金額はそれほど多くはありません。
今後市場が拡大していくにつれ、この金額は上がっていくものだと思いますが、長年経営してきている企業であればこれぐらいの金額は捻出できるものかと思います。
それでも私は、ものづくり中小企業がクラウドファンディングに挑むべきだと思っています。なぜなら資金調達面以外のメリットがとても大きいと考えているからです。
今回は、資金調達以外のクラウドファンディングの魅力をご紹介していきたいと思います。
理由① 企画を作るまでの過程が大事
クラウドファンディングを成功させるためには企画づくりが非常に重要となります。
共感を呼ぶためのミッションを考えたり、どのような顧客ターゲットにどのような価値を提供するかなど、一通り事業戦略的なものを考えていかなければなりません。
中小企業が新規事業を立ち上げる際、戦略面を十分に考慮しないまま立ち上げててしまうケースをよくお見受けします。ファンディングを成功させるという目的に向けて十分に戦略面を検討する機会となります。
また、ファンディングを成功させるために重要な「人脈づくり」に注力するきっかけにもなります。異業種交流会などで何となく行う意味のない名刺交換ではなく、目的を持った行動の中で培われる人脈は、まさに活きた人脈と言えます。
このように、ファンディングを成功させるという短期的な目標を持つことが、新規事業を立ち上げる際の大きな活力(きっかけ)となることはとても有意義なものではないでしょうか。
理由② 事業に投資する前に顧客の反応が見られる(テストマーケティングができる)
中小企業にとって新規事業が生きるか死ぬかのギャンブルになってしまってはいけません。
リスクを最大限減らすためにはテストマーケティングがとても大事です。そして、クラウドファンディングに挑戦することでどれぐらい市場に受け入れられる商品・サービスであるかを試すことができます。
ファンディングに失敗すれば「市場性がなかった」とか「十分に共感を得ることができなかった」などを知ることができ、その結果をもとに事業を再検討するのか、畳むのかを決めることができます。
何よりクラウドファンディングは失敗してもお金がかかることはありません。まさにノーリスク・ハイリターンです。活用しない手はないと思います。
理由③ ロイヤリティの高い顧客(上顧客)を獲得できる
一般的に企業やお店が上顧客を獲得するためには、何度も商品を購入してもらったり、何度も店に足を運んでもらってコミュニケーションを繰り返して少しずつ育てていくのが常識です。
しかし、クラウドファンディングで支援してくれるユーザは、支援した商品やサービスに強い思い入れが生まれ、上顧客になりやすいと言われています。上顧客はリピーターとなるだけでなく、商品やサービスを積極的に周りへ広めてくれる心強い存在となります。
事業を立ち上げた直後に上顧客が居てくれることは、収益面だけでなく、精神面でとても強い支えとなってくれます。
以前に「少し新しい「イナカ」づくり 築100年の古民家を双子姉妹が宿にリノベーション!!」という企画があったそうですが、このプロジェクトの支援者はクラウドファンディングが終了した後も定期的に古民家に遊びに来てくれる「上顧客」となっているそうです。このような顧客を獲得できるのもクラウドファンディングの最大のメリットではないでしょうか。
これらの理由があるからこそ、大きな資本を持つ大企業さえもクラウドファンディングを利用することがあるのだと思います。新規事業を起すなら、起業家も中小企業も使わない手はないのではないでしょうか。
板越ジョージさんとは、中小企業経営者へクラウドファンディングを広めるために全国各地でセミナーをやろうという話になっています。まずは9月に都内か埼玉県でセミナーを実施しようと考えておりますので、お楽しみに!