事業の「補助金申請」を成功させる9つの工夫

こんにちは、株式会社日本クロス圧延の岡です。

このブログでは中小製造業の海外進出のノウハウを発信します。

私も経験しましたが「海外に進出するぞ!」と気合を入れて、英語版サイトの製作や海外の展示会などに出展しても、思ったより成果が上がらなくてガッカリしたことはありませんか?

製品の魅力をしっかり発信することで反響が全く違うものになります。そのためにブランディングやプロモーションなど戦略を考え実践しましょう!

今回も「ブランディングと補助金」をテーマに考えていきます。

前回は、補助金の選考はポイント制なので、ポイントの対象となる次項はもらさずに記載することと、そのポイントの対象になる事項のチェックリストをつくりました。※記事はこちら:中小製造業のための海外販路開拓 成功のための自社ブランディング10

今回はチェックリストの中身を考えていきましょう!

 

1.事業の成功の可能性の根拠が明確である。

基本的に成功の可能性を感じさせない事業が採択される訳ありませんよね。だから気合を入れて考えましょう!

「明確に」ということなので、夢物語ではキビシイかな、だから具体的に見えるように販売予定先や売上金額予測などを、数字や固有名詞で具体的に記載すると高ポイントです。

作文にならないように注意してください、基本は箇条書きです。50-70文字程度の説明分を段落にして、400600文字程度に収まるようにしてください。文字数が多すぎても逆効果です。

(例)
×省エネ分野などへの採用が期待できる。
○パナソニック、東芝産業機器などの省エネ機器メーカーなどからの関心が高く、採用が見込まれる。

※エビデンスは必要ないので、メーカー名など盛っちゃいましょう!あくまでも「見込まれる」なので「嘘」ではありません(笑)

 

自分の最初のころの申請書類を改めて見直すと作文でした...

申請書類の内容が作文になってしまうケースが結構多いのです。思いが先行してあれもこれもと書いてしまいがちですが、内容満載な事業計画はNGです。「担当者にいろいろ考えているのですねー」って言われますよ、それは褒め言葉ではありません。「で、何がやりたいのかわからない...」って意味かな(笑)

 

2.事業のミッションが明確である

事業のミッションを明確にするとは、補助金を活用して計画的に事業を進めるという証明になり、明確にすることでお役人さんに好まれます(笑)

また後に報告書を提出するときもミッションごとに報告すればいいので簡単に報告書が作成できます。

たとえば医療機器を北欧に販路開拓したいなら

1.医療機器の商社あるいはメーカーのOBなど専門家派遣の依頼
2.北欧の医療機器メーカー及び商社の調査
3.北欧の医療機器分野のマーケティング(JETRO、Google、Alibabaなど)
4.マーケティングの分析及び対象国の選択
5.ここからが本当にやりたいこと、サイトを作るとか、海外展示会、代理店開拓とかいろいろ
6.さりげなくPDCAを盛り込み事業の妥当性の確認と今後の改善案の作成
7.事業報告書の作成及び報告
8.継続的顧客フォロー
9.事業の開始から完了までの事業計画の工程表って結構適当に考えてしまいがちですが合理的で説得力がある工程を作ると良い。

こんな感じでミッションを時系列で箇条書きに整理して明確にすると審査員が理解しやすくなりますね。内容は少し盛ってくださいね(笑)

 

3.事業の革新性や強みが明確である。

ブランディングができていることが前提なので、この項目は問題無いですね

従来品との比較や、優位性など図表を使って、直感的でわかりやすいのが良いと思います。

 

4.事業のターゲット及びマーケット規模が明確である

たとえ市場調査の補助金でも、なぜかマーケットの記載は必須です。

とはいってもリサーチ会社ではないので実際に現地調査してマーケット規模は調べるのは不可能なので、インターネットなので調べられる範囲でいいと思います。Googleを利用して国別のキーワード検索数で国やエリアの需要予想とするのが簡単です。

1.ターゲットの国の同業者の数と上位5社くらいの社名と売上規模や従業員数)
2.ターゲットの国の顧客候補になる会社の社名と業種など
3.Googleのキーワード検索数からの国内と対象国の比較
4.直球でJRTROに対象国のマーケットを聞いちゃう!

 

5.エネルギー、環境、医療など、新成長分野に貢献できる内容だとポイント高!

新成長分野との関連性はポイントの対象なので、無理やりでもいいので入れておくと良いでしょう。エビデンスはいらないので、とりあえず、チェックリスト「5」の項目にこんなかんじでもいいので一文入れておきましょう。

「弊社の製品は発電用変圧器やジュネレーターに使用され、効率が従来品より向上するため、とくに環境分野、省エネ製品むけに販路開拓を強化する。」

 

6.他の中小企業の支援モデル事例になりえるか

ライバルを増やしたくないので、支援モデルにしてほしくないのだけどね(笑)

同業他社に先駆けた業界で初めての取り組みのため、成功すれば業界の新しいビジネスモデルとして...こんな感じでさらっと流すのがいいかも。

 

7.取引先や仕入先など他企業への連鎖、波及する可能性はあるか

得意先や仕入先、外注先を含めた体系図を作図することで、本事業への相間がひと目で理解できるようにします。自社のみでなく関連する業界全体で利益が向上することを行政は喜びます。

 

8.事業の推進体制と人的資源が記載されている。

 お役人は個人プレーを嫌います(笑)組織で事業を推進していることを明確にする必要があります。ISO9001のマネジメントシステム体系図やプロセス体系図と同じかんじでOKです。担当の権限や責任者、会議の開催など、文字だけではなく、図表(フローチャート)にしてわかりやすく説明してください。

 

9.従業員の賃上げの取り組みや、人材育成をしている。

どちらも賃金全体の1%以上が基本です。

基本給ベースだと前年より賃金を増やしていても、前年より残業が少なかった場合、決算書では給与の総額が前年度より下がってしまう場合があるので、基本給ベースの台帳を作ってもOK

 

さいごに

短い文章で「正確に理解させる」のって、とても難しいと思います。結局スキルを身につけるには実際にやってみるしかないということかもしれませんね。

1000文字の説明文を書いても、写真なら1枚で伝わるかも、動画ならさらに細かいニュアンスまで理解してもらえるよね。物事の伝え方って「奥が深いなー」って考えています。

自分自身もまだまだ毎回試行錯誤している状態です。次回、また次回とスキルアップできればと考えています。

 

今回も補助金申請について書かせていただきました。次回で補助金関連は最終回です。補助金で4回も書くとは考えていませんでした。次回も引き続き具体的な申請の方法やコツを書く予定です。

日本の中小製造業の海外販路開拓に少しでもお役に立てればと思いブログを書かせていただきました。何かの参考になれば幸いです。

 

次回もまたよろしくお願いいたします。

この記事の執筆者
岡 正俊

関連記事一覧