ものづくりベンチャーのWHILL 原宿で試乗会があったので参加してきた。(後編)

こんにちは、ものづくり経革広場の渡部です。引き続き、先日おこなわれた、WHILLの試乗会参加レポートです。今回は従兄弟を含め、試乗会に参加された方々の座談会の様子をお届します。

前編はこちら
ものづくりベンチャーのWHILL 原宿で試乗会があったので参加してきた(前編)

試乗会の様子

【執筆者紹介】渡部 仁志
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渡部 仁志
会社名:テクノポート株式会社
役職:コンサルティング課 課長、モノカク 編集長、上級ウェブ解析士
執筆テーマ:ホームページの制作に役立つ記事や、Webに関する最新情報など
【経歴】
ホームページの制作ディレクションなど、コンテンツ制作の仕事を担う。上級ウェブ解析士の資格を活かし、アクセス解析からクライアントのホームページの改善も得意とし、このモノカクの編集長も兼ねる。
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試乗した感想

ー実際試乗した感想として率直にいかがでしたか?

参加者:乗ってて楽しいですね。座ったまま移動するって感覚は、今までに無いので、最初は目線が低くて戸惑いましたけど、すぐに慣れました。

徳永(私の従兄弟):そうですね。僕は普段の乗っている車椅子が、皆でいう「徒歩」の感覚だとすると、WHILLは「自転車」って感覚でしたけどそれもすぐに慣れましたね。

参加者:あと原宿って場所だからかもしれませんけど、すごい街に溶け込んでたと言うか、違和感がありませんでした。

菅野さん(WHILL株式会社 サービスデザイン部門 ディレクター 以下菅野):ありがとうございます。WHILLの目指している事として、「障害者と健常者の垣根を無くしたい」というのがあるんですよ。もっといろんな人に乗ってもらって、本来(車椅子を)必要としている人とそうでない人の見分けがつかないような未来を作りたいって思います。

徳永:それいいですね。僕はもう慣れましたけど、視線って確かに気になることもあるんですよ。補助器具って実用的なものが多くて、「かっこよさ」ってあんまり目を向けられていないんですよ。ファッションの世界から、WHILLのかっこよさでそれを払拭したいっていう考えがありましたけど、そっち方面からのアプローチもあるんですね。

 菅野:最初は私たちも、同じ考えでしたよ。最初は「かっこよさ」とか「スタイル」に拘ってて、コンセプトで出したときは「ヘッドフォン」をモデルにして作ってました。

WHILL2

2011年12月に発表されたWHILLのコンセプトモデル

 

「本気でやる気が無いなら今すぐやめろ!」と叱られた経験

 ー確かに最初のモデルからすると、かなりイメージ変わりましたね。

菅野:これは、徹底的にユーザビリティテストをした結果ですね。その中で、コンセプトモデルの弱点や市場性という部分を補うために今のデザインになりました。さっき実用的って言葉がありましたけど、コンセプトモデルだとそこが欠けてたんだと思います。世の中に出すと決めてからは、ユーザーに使ってもらってフィードバックをもらうところから始めました。

徳永:確かに最初見たとき「かっこいい」とは思いましたけど、「どうやって乗るんだこれ?」とも思いました。

ーそこまでユーザビリティテストをしたきっかけってあったんですか?

菅野:最初、あのコンセプトモデルをモーターショーに出したんですけど、そこである方からお叱りを受けたんです。車椅子を作っている業界では有名な経営者の方で、ご自身も車椅子ユーザーの方です。その後、弊社代表が会いに行きましたが、またそこで叱られましたね。「本気でやる気が無いなら、今すぐやめろ!」「コンセプトで皆に夢持たせて、それで終わりなんて許さないからな!」って。その言葉が起業のきっかけになりました。会社として世に出すに為には、まずユーザーの声を集めようと。

ー起業にはそういった経緯があったんですね。

菅野:福祉の世界って、テーマとしてはとっつきやすいんですけど、起業して最後までやり切る人って少ないんです。その方は本気で期待を掛けてる人にしか、そうやって叱らない方なので、我々も期待に応えなきゃって必死になりましたね。少し前に亡くなってしまったので、製品版をその方にお見せできなくて残念です。

 

ファッションショーのモデルに乗ってみて欲しい

ー参加者の方にお聞きしますが、どんなところにWHILLがあると面白いと思いますか?

参加者:ファッションショーとかで、モデルがWHILLに乗ってたら面白いと思います。

徳永:あ、それいいですね。

参加者(女性):あとデートしたい。2人でWHILLに乗ってデート。速度も一緒にできるから楽しいだろうなー。

P50626252台並んでWHILLデート(想像図)

 

これからについて

ーこれから量産っていうところだと思うんですけど課題ってありますか?

菅野:若い人にもっと使って欲しいですね。これまで50台ぐらいの販売台数なんですけど、ほとんどが年配の方なんですよ。だから徳永さんの様に若い人にもっと使って欲しいです。さっき使い方で出た、ファッションショーなんかすごくいいですね。最初のイメージで「若い人は使わないもの」っていう印象がついてしまうのは、どうしても避けたいところです。

徳永:僕で良かったら何でも協力しますよ。

菅野:ありがとうございます。こういったイベントとかで、多くの一般の若い人にも知ってもらって、もっと普及していきたいと思います。日本発のものづくりベンチャーとしてまだまだこれからなので、よろしくお願いします。

徳永:一緒に頑張りましょう。


まだまだこれからとおっしゃっていた菅野さん。すごく謙虚な姿勢で参加者の意見を汲み取っていらっしゃいました。

実はWHILLに使われている部品の約1/3は先日紹介したガレージスミダの株式会社浜野製作所で製作されています。他にもほぼボランティアで協力して下さった方も多くいたそうです。これからのWHILLの活躍をものづくり経革広場も応援していきます。

ガレージスミダの取材記事
前編 →https://keikakuhiroba-mfi.com/archives/7188
後編 →https://keikakuhiroba-mfi.com/archives/7523

coromoza
http://za.coromo.jp/

WHILL株式会社
http://whill.jp/

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渡部 仁志
会社名:テクノポート株式会社
役職:コンサルティング課 課長、モノカク 編集長、上級ウェブ解析士
執筆テーマ:ホームページの制作に役立つ記事や、Webに関する最新情報など
【経歴】
ホームページの制作ディレクションなど、コンテンツ制作の仕事を担う。上級ウェブ解析士の資格を活かし、アクセス解析からクライアントのホームページの改善も得意とし、このモノカクの編集長も兼ねる。
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