町工場の技術を世界ブランドへ!クリエイティブ集団JUMP UP JAPANの活動が熱い(前編)
精密バネの専業メーカー・五光発條株式会社(http://www.goko-spring.co.jp/)と、
「日本の町工場を元気にする」ことを目指すクリエイティブ集団・JUMP UP JAPAN(http://www.jumpupjapan.jp/)がタッグを組み、
バネでつくったアクセサリーを開発・世界に売り出すプロジェクトが走り出しています!
その名も「スプリング・ジュエリープロジェクト」!(https://a-port.asahi.com/projects/jumpupjapan)
五光発條株式会社で製造されるバネを組み合わせたアクセサリーの製品化を、JUMP UP JAPANが今までにない付加価値をつけて提案し、世界ブランドへとプロデュースするという挑戦です。
本日は五光発條株式会社、村井秀敏社長と、JUMP UP JAPANの西村拓紀さん、志喜屋徹さん、杉幸江さんにプロジェクトが発足したきっかけと、JUMP UP JAPANの活動についてのお話を伺ってきました!
左から、五光発條株式会社:村井秀敏社長、JUMP UP JAPAN:西村拓紀さん、志喜屋徹さん、杉幸江さん
―プロジェクトが発足したきっかけを教えてください。
五光発條/村井さん:enmonoのセミナーで西村さんに出会ったことがきっかけです。バネで猫をつくるワークショップをしたんだけど、西村さん全然、猫をつくってくれなくて(笑)すごくかっこいいアクセサリーみたいなのをつくってたんですよ(笑)
西村さん:その時期は独立して、どんなデザインをしていこうかなと考えていたんです。大手メーカーでデザインしていたけど、それとは逆に町工場とか中小企業様とコラボして何かつくれたら面白そうだなっていうのがあって。村井さんのそのワークショップへ行って、なんかできるかも、と思ってバネだけお借りしたんです。
半年後くらいに造形作家の志喜屋さんに出会って、いろんなパーツを組み合わせていろんなものをつくっていくっていう話を聞いたので、じゃあバネはどうですか?って、志喜屋さんに渡したのがきっかけでこのプロジェクトが本格的にスタートしました。
―志喜屋さんはバネを最初にご覧になった時、どう思われましたか?
志喜屋さん:こいつは何かになる!!って、見た瞬間にわかりましたよ。普段は造形作家としてこういうことをやっています。ビニール傘は6本で球体になるんです。ビニール傘は普通、使い捨てられちゃうものなんですけど、僕はそれを造形物として見たときに、こうなったらこうなるんじゃないかな、というモノの才能みたいなのを発見するのが得意かなって思うんですよね。こういう、普段の生活であって当たり前過ぎたり、無視されているものをちょっと視点を変えて表舞台に出してあげるみたいなことをやっているから、今回のプロジェクトは本当にぴったり。
(※志喜屋さんの作品が見れるサイトはこちら:http://akirashikiya.com/)
―志喜屋さんの作品は見とれてしまう素敵なものばかりですね…!続いて、JUMP UP JAPANの活動のコンセプトを教えてください!
西村さん:任意団体の段階なので、メンバーも決まってないんですよ。クラウドファンディングでは3人がメインのように見えるんですけど、動画作成のプロとかカメラマン・WEBクリエーター・人と人をつなげてくれるコミュニケーターとか。
たくさんの人が関わっていて、毎回のプロジェクトのメンバーは変わってきます。
逆にメンバーが固定化されて、その人達ができることでなにかをやろうって発想になったら、たぶん大したことできないんですよ。だからそれぞれのプロジェクトの目的に合わせて必要なスキルを持っている人が加わってやっていく、というのがいいですよね。
志喜屋さん:バネとか普段は機械の中にあってなかなか表舞台に出てくるようなものじゃないですよね。裏方というか、中で一生懸命がんばっているのになかなか気づかれない存在のモノたちをなんか表舞台に出してあげたいなって思うんです。
更に、バネの背景というかバネをつくっている人達。村井さんたちのような、大手企業の受注を受けてるのに名前は出ていかない。それでも頑張っている人達のストーリーを出してあげたいっていうのがすごくあるんですよね。
―裏方のストーリーを表に出すことって、すごく町工場の方々のモチベーションが上がりますよね!メンバーはプロジェクト制なんですね。
西村さん:何か新しいものをつくっていくのには、いろんな見方が必要じゃないですか。スプリング・ジュエリーについては志喜屋さんが造形をつくれるし、僕もデザインはできるんだけど、ファッションっていう世界に関しては疎いんですよね。途中から杉さんがブランドづくり含めて一緒にやっていただいています。日本の中でも服飾学について長い歴史を持つ文化学園大学での講義もされている方なんです。
杉さん:去年からフリーなんですけど、もともとはアパレルメーカーでブランド立ち上げやマーケティングなどをしていました。これを見たときにまず、できているものの完成度がとても高くてデザインなども素敵だと思いました。しかも軽かったり着け心地が良かったり。
ぱっとみて、世界中のバイヤーが集まるような海外でアクセを含めた見本市に並んでいるのが想像できたんです。あそこの店に置いてありそう、あの人が着けてそう、とか。
ファッションの世界でも、あのブランドが…っていうよりも、背景のストーリーが好きでつけているみたいな傾向になってきています。私自身も、大量につくって大量に売るのではないことをしてみたいなと思っていたのも重なり、お手伝いさせていただく流れになりました。五光発條/村井さん:みんな、これはバネ屋のうちのプロジェクトだと思っちゃっているんですけど、JUMP UP JAPANは第1弾としてうちとやってくれているだけで、これから他の町工場ともやっていきたい人達なんですよね。
自分たちではバネを表舞台に出して女性に身に付けてもらおうなんて、まず思わないじゃないですか。本当に町工場が持っている固有の技術を世界に向けて発信してやっちゃおうと思っているすごい人達が集まってて。それを世に出せるだけの繋がりを持っている人が今回集まったんで。これが上手くいくと第2弾・第3弾につながっていくんです。
ぜひ、JUMP UP JAPANを応援してもらえばと思いますね。
―いやー…すごいです。この話を聞いたらJUMP UP JAPANさんとタッグを組みたい方はたくさん出てくるんじゃないかと思うんですけど、どんな人や技術と組みたいとお考えですか?
志喜屋さん:完全に「任せた!」っていう感じでは困るんです。「よしわかった!やってやる!」っていう気力のある人達じゃないと無理ですよね。
西村さん:そうですね。今回もコネクターなどがはずれないように、とか形状がキラキラ光るものにする、とかいろいろこだわっているんです。そういう要望を出した時に、大変なんですけどそれを開発してくれる気力は必要ですね。
あと、他とは違った何等かの技術を持っていないとそれをピックアップして、世の中に対して競争力があるものをつくっていきづらいので、それも重要な気がします。
志喜屋さん:技術に関しては、なんかあると思うんですよね。
西村さん:町工場でこれ綺麗ですね、すごい技術ですね、って話していると「隣の工場でもできるよ」とか言われるんです。でももっと世界的な視点でみてみると、そこの2つの工場でしかできないものだったりするんですよ。
その町工場が持っている本質的な、世界から見てももの凄い競争力のある技術を使って他のものをつくる。それを違うストーリーで世の中に発信していきたいですね。―村井さん、すごくわくわくしますね!今後こうしたコラボレーションはやっぱり増えていきそうですかね?
五光発條/村井さん:JUMP UP JAPANには、なんかついていきたくなるよね(笑)
自社だけだと限界があるじゃないですか。本質的なことから世界に売り出す気満々な人達がこんな風にいるし、資金源の点はクラウドファンディングっていう、ものづくりを応援できる場もそろったし。時期としても最高の時期。みんなで面白いものを作って販売できちゃう世の中に代わってきたんで、今後どんどん面白くなっていくと思いますよ!
五光発條株式会社 村井秀敏社長: http://www.goko-spring.co.jp/
クラウドファンディングページ: https://a-port.asahi.com/projects/jumpupjapan
JUMP UP JAPAN: http://www.jumpupjapan.jp/
西村拓紀デザイン株式会社 西村拓紀: http://www.hndi.co.jp/
志喜屋徹アートワークス 志喜屋徹: http://akirashikiya.com/
ファッションマーケティングプランナー 杉幸江
コピーライター 山本浩子
フォトグラファー 田之本克礼
WEBクリエイター 正木一充: http://www.bop-coding.com/
プロフェッショナルコネクター 小島寛之