中小製造業が「OEM」で技術を海外展開する方法

こんにちは、株式会社日本クロス圧延の岡です。

このブログは中小製造業の海外進出のノウハウを発信します。

私も経験しましたが「海外に進出するぞ!」と気合を入れて、英語版の自社サイトを作ったり、海外の展示会などに出展しても、
思ったより成果がなくガッカリした経験なんてありませんか?

だけど製品の魅力をしっかり発信することで反響が全く違うものになります。

そのためにブランディングやプロモーションなど戦略を考え実践しましょう!

ブランド戦略っていうと最終製品を製造しているメーカーにしか必要ないと思うかもしれません。
しかし視点を変えることで、中間製品や製造技術などもブランド化することが可能です。
そしてブランド化することでスムーズに海外展開できるようになります。

とても重要なことなので、どうぞお付き合いください。

今回も「代理店の開発」がテーマです。

代理店を開発していく中で、自分が経験したことや、代理店からの要望など、実際感じたことをまとめていきます。

海外展示会における代理店開発について

海外の展示会って、技術系のテーマだとしても、訪れる来場者の9割は商社です。

だから技術の詳しい中身にはあまり興味がなく、それが売れるのか? いくら儲かるか?
なんて話が多く、なかなか泥臭い感じです。

高度な技術の討論が出来るお客さんの少ないことといったら...
たまに技術レベルの高い人が来たと思ったら、ただ勉強のための来場で、実はライバルだった!なんてこともよくあります。

だから「技術を売り込むぞ!」と考えて展示しても、出展社と来場者の温度差があって、なかなか咬み合わないケースも多いと重います。

台湾、韓国、中国、マレーシアなどアジアは商魂がたくましいというか、代理店募集によく反応します。

そして、かならず下記の3点セットを要求されます。

1.パッケージング
2.価格表
3.販促グッズ

基本的に彼らは売りやすいものしか扱わないのです。売れればラッキーで、売れなければ次の商材をさがす。

私も最初は勘違いしていて、うちの製品を取り扱ってくれることがとても嬉しかったのですが、所詮商社の数多くのアイテムの一つとして扱ってもらうだけで、信頼できる代理店ではありません。それにそれだけの関係じゃ寂しいですよね。

商社向けの製品

商社を味方につけるために、技術を紹介するような商社向けの製品が必要です。製造業は価格表を作ることがとても難しいと思います。

弊社もそうですが、案件ごとに素材や加工計算を計算して見積を作ります。だから価格表はあるか?と質問されたとき、正直に「価格表はない」というと、それで話が終わってしまいました。

今考えれば当たり前ですよね、もし自分が商社だったら引き合いの都度、メーカーに見積依頼をするのは面倒くさいし、価格表見てさっさと返信したほうが手間がかからないですもんね。

それでは取り繕う暇もないので、戦略的に考える必要があります。最終的には技術を売りたいのですが、商社を味方につけるために技術を紹介するような商社向けの製品開発を考えていきましょう!

なにはともあれ商社が売りやすい「製品」を考える必要があるのですが、これがなかなか難しいのです。
そもそも自社で製品開発なんて、時間もお金もかかるので正直難しいのです。

だから私はある方法を取りました。

最初はOEMでもいいじゃない?

恥ずかしいですが、自社の材料の販売先が製造する製品を購入して、OEMで自社ブランドとして販売していました。そしてブランディングや海外取引のスキルを、OEM製品を使って開拓することで、一番力を入れるところを横着しました。おかげで製品開発に時間を取られることなく海外展開に100%の力を注入することができたのです。

他社の製品の製品力でお客さんと接触して、小さい取引をしながら自社技術の販売につなげるスタイルをしばらく続けていました。そして今でもOEMで扱っている製品は半分近くあります。

すこしセコいですね(笑)

でも最初から自社製品だけでは製品数が少なすぎて、アピール力が足りないし、簡単に製品化出来るような製品はそもそも売れない(笑)

ポイントは、自社の技術に関連性のある「製品」をOEMしてPRします。そしてその製品の注文が来た場合、弊社の材料が必要になるため、間接的に自社の材料が売れるという図式を描いています。製品の関連から自社に発注が来るような仕組みにすることが重要です。

さいごに

よく海外進出の相談を受けますが、「うちには製品がないからむずかしいな」ということを言われます。でも御社の加工した部品は最終的に製品になるのでしょ?それをOEMで取り扱うことできないの?なんて話をすることがあります。

製品がないからなんて、ただのやらないための言い訳です。

自社の技術アピールのために他社の「製品」を利用しても許されますよね(笑)最初は、1つの製品のみを取り扱うだけの浅いつきあいの商社かも知れませんが、それを無視していたら代理店どころではありません。根気強くそれらの商社とお付き合いしていれば、きっとその中から最高の代理店が見つかると思います。

だけど最終的に代理店としてパートナーシップを結べるのって、20-30社の中から1社程度と考えてくださいね!

御社が海外の良い相棒と巡り会えますように!

日本の中小製造業の海外販路開拓に少しでもお役に立てればと思い書かせていただきました。
何かの参考になれば幸いです。

次回もまたよろしくお願いいたします。

 

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この記事の執筆者
岡 正俊

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