毎日表情の変わる富士山の様なグラスで素敵なひと時を~株式会社日翔工業/SunFly~
こんにちは、ものづくり経革広場の渡部です。今回はテレビやラジオでも紹介された、あのグラスの制作、販売をされているあの企業のご紹介です。
最初に申し上げますが、写真でこのグラスの魅力が中々伝えられなくて残念です。実際に手にとっていただいて動かして頂いて、始めてこのグラスの魅力が伝わるのですが、少しでも魅力が伝わればと思います。
という訳で、今回は静岡県島田市にある株式会社日翔工業に取材させて頂きました。株式会社日翔工業ではスパッタリング加工という技術を用いて、金属の表面処理をするかたわら、チタンコーティングの「SunFly」のブランドでグラスの販売をされています。今回は代表取締役の小長井博夫様にお話をお聞きしました。
手前の満面の笑みの方が、株式会社日翔工業 代表取締役 小長井博夫 様
後ろで控えめの笑みの方が、奥様の小長井恵美子 様
毎日表情の変わる富士山が商品開発のきっかけ
ー自社製品の開発のきっかけってありましたでしょうか?
4年前に日翔工業として会社を始めて、スパッタリングという技術の中でも、ワークの内側にも吹き付けをすることができる装置を開発して、半導体や、タッチパネルメーカー向けにお仕事をさせて頂いてました。何か、一般の物にも使えるのではないかという気持ちはあったんです。でも、営業部長(息子様)との話で、何に使えるかなというのは、ずっと課題だったんです。そんな時にヒントをくれたのは、大阪から配達に来てくれている一人のドライバーでした。
ー大阪からですか?
県外の人だからこそと言うんでしょうか。配達に来るたびに「今日の富士山は曇ってますね」とか「今日の富士山は笑顔で輝いてますね」とか毎日表情が変わるってお話を頂いてたんですよ。我々には毎日、目に入るものだからあまり気にしていなかったんですけどね。それで思ったんです。
「毎日使うもので、表情が変わるものを作れば喜んでもらえる物が作れるんじゃないか」って。
グラスなら日常飲み物を飲むときに使うし、幸いうちではチタンコーティングをすれば、中に入れるものによって、色の反射で表情が変わるグラスにできる。そんな考えで始めました。今ではそのドライバーも一人のお客様です。
ー静岡の富士山とそんな関係があったんですね。
左右は実は同じグラス、左は氷を入れただけですが、それでもこれだけ表情が変わります。
思考錯誤の3年の開発期間を親子の絆で乗り切る
ー開発は順調でしたか?
最初はまったくダメでしたね。色も全然乗りませんでしたし。3年近く試作を続けました。
ーええっ!?3年もですか?
構想は以前からあったんですけど、販売を始めることができたのは昨年の5月。それまではずっと試行錯誤の連続でした。スパッタリングの技術を使うんですけど、制御はナノレベル。グラスも洗浄や乾燥など、いろいろ試しました。チタンでコーティングするんですけど、ある程度しっかり乗ってくれて、しかも向こう側が透ける程度で、しかもしっかり反射してくれる厚さにしないといけない。おかげで、金属を乗せている事に驚く方も多いですね。
ー3年も開発って、中小企業では中々出来るスパンじゃないと思うんですけど、売れる自信があったんですか?
それはうちの営業部長(息子様)の調査結果と営業の腕を信頼していましたからね。販売の前に類似商品があるかどうか調べたんですけど、同じような商品は見つからなかったんです。また、家飲みの流れもあったので、これならいけると、営業部長を信じて開発を続けました。
ー親子の信頼関係ですね。
お金では買えないひと時を
ー販売を始めてもう少しで1年ですが、どんなシーンで使って欲しいですか?
何かと忙しかったり、殺伐としている世の中ですから、家庭の中での良い時間を過ごす為のツールとして使ってもらいたいですね。購入頂いた夫婦の方からお話を頂いたんですけど、このグラスで晩酌をする様になってから、家庭での会話が増え、夫婦水入らずで旅行することになったというお話を頂いたんです。お金では、このグラスで飲んでいる時間は買えないですからね。
後日談。
この取材の翌日、弊社の山口の誕生日だった為、社員一同からプレゼントさせて頂きました。お酒が大好きな彼女ですが、幸せなひと時を過ごしてくれることを願っております。
株式会社 日翔工業
http://nissho-kogyo.jp/
光の色で描かれたジュエリー・グラス SunFly
http://nissho-kogyo.jp/wordpress/ ←購入はこちらから
※先日のテレビの反響で、売り切れのものもありますので、要確認です