新ものづくり拠点 Garage Sumida(ガレージスミダ)【前編】

今回ご紹介するのはGarage Sumida(ガレージスミダ)の代表・小林さん、野村さんです。

Garage Sumidaとは、墨田区で板金・プレス業を営む株式会社浜野製作所さんが手掛ける新事業です。
空き倉庫を改装し、3Dプリンターやレーザーカッター、CNC加工機といった最新のデジタル工作機器を完備。個人・企業の製品開発を支援していく、新しいものづくりの拠点として2014年4月にオープンしました。
新しい取り組みで、何かと話題の絶えない浜野製作所さんにお邪魔し、突撃取材してきました!

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-まず、みんなが気になっている“きっかけ”って何だったんですか?

実は…墨田区の「新ものづくり拠点創出事業」補助金の採択がきっかけです。

今、墨田区ではものづくり企業がどんどん廃業していってます。
今後5年以内に500社は減ると言われているんです。
簡単に言えば、後継者の問題などもあり、製造業を続けるメリットがないのが理由ですね。
そこで、墨田区が立ち上げたのが「新ものづくり拠点創出事業」という補助金です。
今勢いのある中小企業に特化して、新たなものづくりを生み出していこうというものです。

浜野製作所として、今までも「子供向け職業体験教室“アウトオブキッザニア”」や、廃材を再利用して新しい価値を作る体験ワークショップ「配財プロジェクト」など、新しい取り組みを色々行ってきました。
新規プロジェクトだけでなく、今までも様々なお客様からのご依頼が多かったので、新たなものづくりのハブ拠点を立ち上げ、自分たちの役割を強化していきたいと思い、Garage Sumidaを始めました。

…墨田区としては大分太っ腹な補助金の額でしたしね(笑)

 

今までの「製造業」に囚われない、自由な“ものづくり”

-まだ立ち上げられて間もないと思いますが、どの様なことをされているんですか?

イメージとしては、今までの“製造業”というより最近の“デジタルファブリケーション”といった動きを取り込んでいく感じです。
本格的にものづくりをやっている「工場」と、そこに隣接する「ガレージ」をうまく循環させていこうという目論みです。

まずはお話をいただいて、このガレージでモックアップを作り、本格的な工場で生産する。といった感じです。
もちろん、浜野製作所でだけでなく様々な分野の協力工場にお願いしています。

-どういった部分が、今までの製造業と違うんですか?

従来のものづくりと違う点は、お客さんの幅が全く異なっている点ですかね。
単なる板金・プレスといった加工ではなく、ものづくりのもっと上流の「こんなものが作りたい」というアバウトな問い合わせが多いです。
素材や加工方法も、てんでバラバラです。木や革なんてのもありました。
確実にお客様の幅は広がっていますね。

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Garage Sumida代表・小林亮さん(左)と窓口役の野村岳史さん(右)

-最近見かけるレンタル工房のBtoBバージョンって感じでしょうか?

そうですね、その役割もあると思っています。
特に、スタートアップ向けのインキュベーションとしての役割を目指しています。
アイディアはあるけど、実際にモノを作れないという方は結構いらっしゃるので、本格的に起業するぞ!という方をまずは対象としてお手伝いさせていただいています。

-実際、現在動いている案件には、どんなのがあるんですか?

インキュベーションプログラムという形で、2社入居しています。同時に何社もできないので、4~5社の待ちが出ていますが…

1社は次世代風力発電を開発する株式会社チャレナジーさんです。
プロペラの代わりに風を受け自転する円筒を搭載した、全く新しい風力発電機を開発されました。(下図)

チャレナジー

もう1人は、首都大学東京の方で電動ネコ台車というものを開発しています。大学卒業後、起業予定だそうです。(下図)

EVネコ台車

今のところのガレージの事業モデルとしては、
主に浜野製作所と連動させての、“ものづくりの相談窓口”“インキュベーション”といった役割ですね。
最終的には、ここでものを作ってお金をいただく、というモデルが目標ではありますけどね!

あとは野村君がやってる“浜野会”ですかね~

-えっ?浜野会って何ですか?!

 

後編にて“浜野会”の全貌をご紹介します!!
(だけでなく、Garage Sumidaさんの課題や今後の展開もお伝えしますよ~!)

この記事の執筆者
テクノポート

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