親しみやすさは町工場の強み(製造業HP成功事例)
ものづくり経革広場の井上です。今回、Webマーケティングの成功事例としてご紹介させて頂く会社は旭スプリング製作所様です。
旭スプリング製作所(本社:東京都葛飾区)は、昨年創業50年を迎えた老舗バネ製造メーカーです。主に家電製品向けのバネを、バネメーカーから注文を受け製造しています。
昨今の環境変化で、元請けメーカーからの受注が減少傾向のため、とにかく新しい取引先を開拓したい。しかし、元々技術力には自信がありましたが、社内には新規開拓営業をする人材、ノウハウがなかったため営業マンの代わりになるならということで導入を決めて頂きました。
この記事の目次
ターゲット選定までの経緯
長年の下請け製造のため自社の強みがなかなか見出せず、打ち合わせでは「あーでもないこーでもない」と、悩み抜きました。
そのような中でふと話題に出たのが、試しに作った色の付いたバネでした。形状は通常のバネですが様々なカラーバリエーションがあり非常にきれいな色をしていました。
従来バネというのは機能性を求められ、箱の中に入っていることが多いため、使用現場を見るケースがほとんどありませんでした。
しかし、このような、バネならば、今後は通常とは異なった利用シーンでも活用される機会が増えるのではないかと考えました。
そこで、ターゲットを通常のバネ屋さんとは差別化し、一般の方も含め、デザイン系の製作物を作っているような会社に設定をしました。
整合性のとれた訴求が成功のカギ
ターゲットをデザイン会社と設定した時点でさほど競合はおりませんでした。しかし、バネにデザイン性を求めるニーズはまだないため、認知度を高めなければいけません。まずは試作段階からの相談を呼び込むことが重要と考えました。
アイデア段階からでも問い合わせられるようなハードルの低さはどうやって作ろうかということが課題になりました。
かっこよくHP作っても敷居が高そうと思われたら、相談ごとは入ってこない。お客様にカラーバネを見てもらって、連想してもらって、アイデア段階から相談したくなるようなHPにしたいよねと。そこで出てきたのが町工場感です。数名でやっている町工場は減少傾向にありますが、その町工場感をむしろ「どん」と出すことが親しみやすさにもつながり、問い合わせを呼び込めるのではないかと。
その方向性でコンセプトは決まり制作に入りました。
見せ方:
①色付きのバネを差し色風に使用し、通常のバネ屋さんとは違うおしゃれ感
②工場みんなの集合写真をTOPに使用することによるウェルカム感
③バネ製造業ではなく、下町のバネ屋さんというコンセプトでの訴求
キーワード対策:
細かい、カラーバネ、デザインバネ等の通常のバネキーワード対策以外も実施
実際の効果
今までまったく問い合わせが無かったところから、毎月コンスタントに問い合わせが入るようになりました。
まったく縁のなかったような、化粧品メーカー様やデザイン会社様からの問い合わせも入ってくるようになり、まったく考えていないような用途でのご相談を受けることもあるそうです。
また、同業者様からのご相談もあり、困った時に助けてくれそうな親近感が良いのではと仰ってました。
ちなみに、通常の板金屋さんが色を塗った制作物をホームページに載せただけで、安全カバーの問い合わせが頻繁に来るようになったというケースもあります。従来やっているものにちょっと一工夫してサンプルを作るだけでもチャンスが広がる可能性は大いにあるとのではないでしょうか??
まとめ
①親近感は問い合わせ向上のための重要なポイント(町工場は強みになる)
②普段作っている加工品でも、ちょっと見せ方を工夫すればお客様が用途を見つけてくれるかも知れません
永野社長はまだまだ知られていないこのデザインバネで、がっちり新規さんを開拓していきたいと意気込んています。
そして、そのような明るい兆しを作ることで、若い子たちにバトンタッチしていきたいと仰っていました。
より多くのお客様を獲得して頂けるよう私もお手伝いできたらと思います。
「新規は開拓したいけど、現場もあるのでなかなか営業活動が出来ない、どのように営業すればよいかわからない」という製造業の方は、一度HPを活用する方法をご検討してみてはいかがでしょうか??
作成したけどその後の運用をどうすれば良いかわからずそのままになっている方も多いかと思いますので、お気軽に相談頂けたらと思います。