展示会で効果的に「マーケティング」する方法
こんにちは、株式会社日本クロス圧延の岡です。
海外展示会攻略のノウハウを発信します。
私も経験しましたが「海外に進出するぞ!」と気合を入れて海外の展示会に出展しても、思ったより成果がなくガッカリすることがあると思います。だけどお客様との最初の接点である展示ポスターの作りこみだけで、反響が全く違うものになります。
まずは展示ポスターやカタログのタイトルとなる「キャッチコピー」を考えていきましょう!
この記事の目次
一瞬で相手のハートをキャッチするには?
最近「5秒間マーケティング」などという言葉をよく聞くようになりました。
YouTubeで動画を再生すると、5秒間広告を強制的に見せられるアレです。たいてい5秒後には視聴者にスキップさせられてしまうので、「5秒で視聴者のハートをキャッチして、続きを見てもらうにはどうしたらいいのか?」これを考えるのが5秒間マーケティングって言うらしいです。
でもこれって展示会のポスターにも共通しますよね、
来場者が各社のブースの前を通り過ぎて行く、その一瞬でハートをキャッチして、足を止めさせる事ができれば、詳しい説明を聞いてもらう事ができますが、ハートをキャッチできなければサーッと素通りされてしまいますね。
どうしたら、一瞬で相手のハートをキャッチできるか考えてみましょう!
相手のメリットと効果
今回は「相手のメリットと効果」というテーマで書かせて頂きます。
私はポスターを制作するとき、弊社の製品を購入している既存のお客さまは、「どんなメリットがあって弊社から購入してくれるのだろうか?」と最初に考えます。
もちろん独占企業じゃないので、たくさんいる同業者の中から、弊社を選んでくれているのだから、何かしらの弊社から購入するメリットがあるはずです。
「品質が良いから」「安いから」「早いから」「信頼できるから」「便利だから」など、数えればきりがないくらいの理由があると思います。
だから、必ずそのメリットが伝わるキャッチコピーを考えます。
例えば弊社の場合、
「弊社のInver材料で計測用センサーの精度が約20%向上します」と使用する側のメリットをキャッチコピーにします。
そしてサブタイトルで内容を補完します。
「弊社が製造するInverは従来品より、寸法誤差が20%向上、センサーに使用した場合、測定精度の向上をお約束します。」
弊社は金属材料メーカーなので、材料そのもので差別化することができません。金属材料なんて別の会社からでも購入できます。だから弊社から購入する「メリット」を打ち出さないと、価格勝負に巻き込まれてしまいます。
ただ、「高精度、高品質な材料を製造できます!」と書くだけなら、同業者と同じですよね、
相手のメリットを明確にすることで、興味を持ってもらえるだけでなく差別化にもつながるのです。
では、もうひとつ「メリット」を提案するポスター用タイトルを少し考えてみましょう。
ポスターのタイトルで「メリット」サブタイトルで「その説明」と考えてみました。
(例)
タイトル:DLC処理で金型寿命が1.5倍に!(メリット)
サブタイトル:弊社独自のDLC処理で、金型表面が超硬並の硬さに!それにより耐摩耗性が150%-200%向上します。(その説明)
この場合DLC処理の技術や理屈を説明するのではなく、それによって得られる効果(メリット)をタイトルにしました。DLC処理というものが何であれ、お客さまにとっては「それによって得られる効果(メリット)」の方に興味があると考えます。
メリット提案型のプロモーション
海外では「メリット」をタイトルに入れることが重要になってきます。
「弊社にはこんなすごい技術があります!」だけで用途をはっきり提案しない展示だとドライな海外ではあまり興味をもってくれません。
ある会社が、すごい技術があって、「スゲー」っていうくらい精度がいい仕事ができるのです。
それ故にポスターのタイトルに、「高精度」「0.5μ」などという文字が踊っているのですが、海外展示会であまり関心を持ってくれません。「すごいなー!」って思っても、どのようにそのすごい技術や精度をビジネスにつなげていくか、よくわからないのです。
「すぐに商売につながる=採用することによるメリット」みたいな感じですね、そこら辺は日本以上にシビアです。
ずいぶん古い話ですが、APPLEも、iPodを展開するとき、SONYの携帯型プレーヤーが絶好調でした。携帯型プレーヤーという差別化が難しい製品でも2社のプロモーションの仕方は大きく異なりました。
SONYはテクノロジーや高音質など機能のプロモーション(技術)、
APPLEは、iPodを持つとこんなに楽しいよ!と技術ではなく効果(メリット)をプロモーションしました。
そんなことも考えると、日本での展示会と比べて、海外展示会では「効果」至上主義な感じが強いですね。
さいごに
今回は相手の「メリット」について考えてみました。
もちろん技術を語ることも大事ですが、その技術を採用することで相手がどんなメリットがあるかを一度考えてみてはいかがでしょうか?
日本の中小製造業の海外販路開拓に少しでもお役に立てればを思いブログを書かせていただきました。何かの参考になれば幸いです。
次回もまたよろしくお願いいたします。