製造業Webマーケティング完全ガイド(お勧め施策5選+事例7選)
テクノポートの徳山です。弊社ではBtoB製造業専門のWebマーケティング事業に取り組んでおり、これまでに1,000社を超える製造業者(サプライヤー企業、メーカー、技術系商社など)のWebマーケティング支援を行ってきました。
製造業という専門性の高い市場における知見とノウハウを活かし、製造業のためのWebマーケティング完全ガイドという記事を書きましたのでご覧ください。
この記事の目次
製造業のWebマーケティングを成功させるポイント
はじめに、製造業がWebマーケティングを成功させるためのポイントについて解説します。
見込み顧客の購買フローを理解する
製造業がWebマーケティングを実施する際に重要となるのが、見込み顧客の購買フローを理解することです。購買フローとは、見込み顧客がWebを使い情報収集から購買に至るまでの一連のプロセスを可視化したものです。
BtoB製造業の場合、取り扱う商材が高額であったり、購買後に失敗した場合に被るリスクが高いケースが多いため、見込み顧客は長い時間をかけて慎重に購買活動を行う傾向があります。
そのため、購買フローの段階によって見込み顧客の心理状況や情報収集を行う方法が異なります。Webマーケティングを実施する際は、見込み顧客の購買フローをしっかりと理解したうえで、どの購買段階にいる見込み顧客を獲得したいのかを明確化し、どのような方法で、どのような情報を提供するかを考えることが大事です。
購買フロー例:三次元測定機を購買する見込み顧客の場合
上図は、三次元測定機を購買する見込み顧客の購買フロー例です。見込み顧客が検索エンジンで情報収集を行う際に使用する検索キーワードは、購買段階が進むことにより少しずつ変わっていきます。そのため、どの段階の見込み顧客を獲得したいのかによって、対策するキーワードも変わってきます。
短期的な成果を狙う場合は後期段階の見込み顧客を狙う
購買フローの後期にいる見込み顧客ほど、購買までのリードタイムが短く、短期的な成果につながりやすいと考えられます。そのため、Webマーケティングで短期間で成果を上げたい場合には、後期段階の見込み顧客をターゲットとするとよいでしょう。
ただし購買フローの後期になるほど、見込み顧客の母数が減少する傾向にあるため、獲得できるリード数に限りが出てきます。後期段階の見込み顧客だけでは十分なリード獲得につながらない場合は、前期段階の見込み顧客を獲得するための集客施策を取り入れる、といった施策転換が必要となります。
中長期的なブランディングを図る場合は前期段階の見込み顧客を狙う
購買フロー前期段階の見込み顧客は、購買のための情報収集を始めたばかりということもあり、一般的に受注までのリードタイムが長いと考えられます。しかし、この段階の見込み顧客は、競合他社とまだ接触していないことも多いため、この段階で接点を持ち良好な関係を築ければ、競合他社より有利になることも可能です。
また、前期段階の見込み顧客へ製品選定の役に立つような有益な情報を多く発信することで、自社のブランディングを向上させることができます。ブランディングが向上すると、いざ見込み顧客が本格的な購買段階に移ったタイミングで第一想起してもらえる可能性が出てきます。第一想起してもらえると、競合他社よりも先んじて購買候補先に入ることができるほか、比較検討時に選ばれやすくなるというメリットがあります。
製造業がWebマーケティングを実施する際に、購買フローのどの段階の見込み顧客をターゲットとするかは、自社が獲得したいと考える見込み顧客像によって変わります。どの段階の見込み顧客を獲得することがROI(投資対効果)を最大化させるのかを、自社の営業体制や生産体制に合わせて考えていくことをおすすめします。
製造業にお勧めのWebマーケティング施策5選+@
次に、製造業にお勧めのWebマーケティング施策をご紹介します。
施策1 SEO対策
SEO対策とは、検索エンジンを使用し情報を探索するユーザーからのアクセスを獲得し、検索結果の上位に自社のWebサイトが表示されるように対策を行うことです。
SEO対策の特徴
SEO対策では、対策するキーワードの種類によってWebサイトへアクセスする見込み顧客が大きく変わります。短期的にリード獲得・受注を目指すのであれば、購買フローの後期段階の見込み顧客が使いそうなキーワードを選定します。
逆に、潜在顧客の獲得を目指すために中長期的なブランディングを確立し、顧客が本格的な購買活動を始めた際に第一想起してもらうことを目指すのであれば、前期段階のユーザーが使いそうなキーワードで対策することをおすすめします。
SEO対策のメリットとデメリットとして以下が挙げられます。
SEO対策のメリット
- 広告費をかけずにユーザーの目に留まる機会を増やすことができる
- 広告よりもコンバージョン率(問い合わせにつながる確率)が高い
- 資産性がある(一通り対策が済んだ後は長期間効果が継続する)
SEO対策のデメリット
- 検索上位表示させるためのSEOの知識やスキルが必要
- 専門性や独自性の高い記事を作成するために労力がかかる
- 効果が出始めるまでに時間がかかる(特にドメインパワーが弱い場合)
SEO対策を成功させるためには自社に合ったキーワードを選定する必要があります。キーワードの選定は以下の3点を考慮のうえ行うとよいでしょう。
- 一定数の検索需要があること
- 競合するWebサイトが強すぎないこと
- 問い合わせにつながりやすいキーワードであること
キーワード選定のコツについては以下の記事をご覧ください。
関連記事:【概要から応用】SEOのキーワード選定方法(リスト例、コツ、ツールの解説)
施策2 オンライン広告
オンライン広告とは、WebサイトやSNSに表示される広告のことです。ここでは運用型広告と呼ばれる「リスティング広告」「ディスプレイ広告」「リターゲティング広告」についてご紹介します。
リスティング広告
検索エンジンでキーワード検索した際に、検索結果の最上位に表示される広告のことです。SEO対策を行う代わりに、料金を支払って上位に掲載されるようにするため、SEO対策にかける時間を省きたい場合に活用できます。
広告表示させる検索キーワードを細かく設定できるため、購買フロー後期段階のユーザーを狙ったほうがROI(費用対効果)は高まると考えられます。
リスティング広告の詳細については、以下記事もご覧ください。
関連記事:BtoB製造業におけるリスティング広告
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は、検索キーワードに応じて不特定のサイトに表示される広告です。検索エンジン事業者が提供するアドネットワークを通して、自社のターゲットとなるユーザーに広告を配信します。
リターゲティング広告
ディスプレイ広告の付属機能として、Webサイトに訪問したユーザーに同じ内容の広告を表示させる機能があります。以前検索したものと同じ内容の広告を再びユーザーへ表示させる広告をリターゲティング広告と呼びます。同じ広告を何度も表示させることで、問い合わせの機会を作り続ける狙いがあります。
オンライン広告のメリット
- 購買フロー後期段階のユーザーが使うキーワードに合わせて広告を表示すれば、受注までのリードタイムの短いユーザーからのアクセスを獲得できる
- 即効性がある
オンライン広告のデメリット
- 広告料が発生する
- 広告を止めた途端に集客効果が失われる
以下のように、オンライン広告は、「資産性」と「即効性」の観点からSEO対策とは真逆の性質があるため、併用することをおすすめします。SEO対策の効果が出るまでに時間がかかるという弱点を補うために、施策スタートから一定期間だけ使用するといった使い方でもよいでしょう。
SEOとオンライン広告の違い
施策3 SNSマーケティング
SNSマーケティングとは、Twitter(現X)やFacebookといったソーシャルメディアを活用した情報発信を行うことで、新規顧客の獲得を実現するためのマーケティング手法です。
SNSマーケティングの特徴
製造業において、SNSマーケティングの成功事例は少ないのが実情です。実際のところ、新規顧客獲得を目的としてSNSマーケティングを始めたとしても、BtoBのユーザーが購買活動を行う際にSNSを利用するシーンはまだ定着していません。そのため、顧客獲得の手段よりも人材採用の一手として活用されるケースが多いです。
しかし、SEO対策やオンライン広告だけではリーチできない潜在ユーザーに情報を届けたり、定期的に情報提供することによるユーザーのファン化を行うことで成果に結びつけたりする事例は、今後増えていくと考えられます。
製造業が活用できるソーシャルメディア
SNSは流行り廃りが激しく、新たなサービスが次々とリリースされます。その中で、2023年においてBtoB製造業が活用できる可能性があるSNSサービスとしては、以下のものが挙げられます。
- Twitter(現X)
SNSマーケティングのメリット
- 良いコンテンツは拡散され、費用をかけずに潜在層のユーザーへリーチできる
- 採用力強化やブランディングといった新規顧客獲得以外の効果が出る
- 資産性がある
SNSマーケティングのデメリット
- 情報発信の内容によっては炎上するリスクがある
- 運用にかかるリソースが非常に大きい
- 効果が出始めるまでに時間がかかる
SNSマーケティングの活用事例については以下の記事をご覧ください。
関連記事:BtoB企業のSNSマーケティング事例12選|YouTube・Twitter・Instagram
施策4 動画マーケティング
動画マーケティングとは、主にYouTubeを活用した情報発信を行うことで、新規顧客の獲得を実現するためのマーケティング手法です。
動画マーケティングの特徴
こちらもSNSマーケティング同様、製造業では成功事例が少ない手法となります。理由としては、BtoBのユーザーが購買活動を行う際に動画から探すシーンがまだ定着していないことと、多くの視聴者を獲得するためのハードルが高いことが挙げられます。
YouTubeを閲覧しているユーザーの多くが、プライベートの時間を使っているため、視聴者を増やすためには、ユーザーが求めている情報を分かりやすく発信することと、見ていて飽きないエンタメ性も重要となってきます。多くの製造業が自社の工場案内や製品PR動画をアップしていますが、自社が一方的に伝えたい情報とユーザーが求めている情報とで乖離があるため、視聴者の増加にはつながりにくいです。
ユーザーが求める情報を適度なエンタメ性を加え、うまく情報発信している事例としてチップワンストップチャンネルがあります。ご参照ください。
動画マーケティングのメリット
- 動画がバズった際の爆発力(リーチできるユーザー数)がある
- 質の高い動画をアップできれば短期間で効果が出る
- 資産性がある
動画マーケティングのデメリット
- 成功させるためのハードルが非常に高い
- 動画制作費に大きなコストがかかる
施策5 ポータルサイトへの掲載
最後にご紹介する施策がポータルサイトへの掲載です。一口にポータルサイトといっても、製品情報を掲載するカタログ的なサイトから、会社(工場)情報を掲載するものまでさまざまです。ポータルサイトによって、利用するユーザーの属性が大きく異なるため、掲載を検討する際は自社の技術・製品に合ったポータルサイトを選びましょう。
製造業系ポータルサイトの例
- ミスミ:https://jp.misumi-ec.com/
- イプロス:https://www.ipros.jp/
- Monotaro:https://www.monotaro.com/
- NCネットワーク:https://www.nc-net.or.jp/
- アペルザ:https://www.aperza.co.jp/
- Metoree:https://metoree.com/
ポータルサイト掲載のメリット
- 登録ユーザーへリーチできるので即効性がある
- 手間がかからない
ポータルサイト掲載のデメリット
- 掲載料がかかる
- 比較検討が前提となっているため価格競争になりやすい
集客施策を行った後のアクセス解析・改善が重要
これまでにご紹介したWebマーケティング施策は集客面が中心でしたが、集客した見込み顧客をさらに増やしたり、問い合わせ率を高めたりするためにWebサイトのアクセス解析・改善も有効ですので、必ず集客とセットで行っていきましょう。
Webサイトの制作やリニューアルすることに投資する会社は多いですが、公開後の運営に力を入れる会社は少ないのが実情です。下図はWebサイト公開後に毎月定期的に更新を行ったWebサイトとそうでない場合とを比較したものです。その差は一目瞭然で、公開後の更新活動がいかに重要であるかがお分かりいただけるかと思います。
効果測定の方法と改善手法
Webサイトをやみくもに更新したとしても成果につながらないことが多いです。よく見受けるのが、新着情報を更新しておけばOKと考えている企業や、本業とは無関係のネタを題材にしたブログを更新している企業です。新規顧客獲得という観点からいえば、どちらも成果に直結する更新活動とは言えません。
適切な更新活動(Webコンテンツの追加・修正)を実施するためには、効果測定を行う必要があります。製造業が利用すべき効果測定ツールとそのツールで見るべき指標についてご紹介します。
Google Analytics4(GA4)
GA4は、Webサイトのアクセス状況を把握するために有効なツールです。アナリティクスでは、ユーザーの属性や訪問ページ、広告の効果などさまざまな指標を分析できます。
導入の方法や、製造業のWebサイトが最低限見ておくべき項目に関しては以下の記事をご覧ください。
- 関連記事:GA4導入前の戦略やKPIの設計
- 関連記事:GA4基本的な設定方法
- 関連記事:GA4のデータの見方
- 関連記事:GA4探索レポートの設定方法
Google Search Console
Google Search Consoleは、WebサイトがGoogleにインデックス(GoogleのデータベースにWebページが登録)されているかを調べたり、Googleでどのようなキーワードで検索されているのかを、検索順位や検索でのクリック数、クリック率、表示回数といった検索パフォーマンスとともにチェックすることができるツールです。
検索パフォーマンスのデータをチェックすることで、対策キーワードのSEO対策の効果測定を行ったり、想定していなかったキーワードを発見し、新たな対策キーワードとして採用したりすることができます。
Google Search Consoleの活用方法については以下の記事をご覧ください。
関連記事:Search Consoleを使ったキーワード調査の方法
ヒートマップ
ヒートマップとは、多次元データの関係性を色で表現し、わかりやすくするものです。Webにおけるヒートマップはページのどこが見られているか、どこをクリックしたかをビジュアルで表現しています。そうすることで、サイトの問題点や、ユーザの隠れたニーズを視覚的に解析できるようになります。
以下の記事では、一般的に使うヒートマップ分析の紹介や、指標の見方や改善ポイントの解説、おすすめの分析ツールについてもご紹介していますのでご覧ください。
関連記事:ヒートマップ分析で何がわかる?主な活用方法やおすすめのツールを紹介
Webマーケティングの成功事例7選
ここからは弊社が支援したお客様の成功事例をいくつかご紹介します。Webマーケティング実施前にどのような課題を持っていて、施策を行うことで具体的にどのような成果を得られたのかを中心に解説します。
事例1 NISSHA株式会社
事業内容 | 産業資材・ディバイス・メディカルテクノロジー・情報コミュニケーション事業 |
サイトURL | https://connect.nissha.com/ |
施策内容 | Webサイト制作、SEO対策、リスティング広告、コンテンツマーケティング |
抱えていた課題
同社の4つある事業部のうちフィルムデバイスを製造しているディバイス事業部において、新規市場開拓が進んでいないことに対し大きな課題感を抱いていました。特に、技術を既に展開している領域ではなく、新たな分野において活用できる用途がないかを探していました。
実施したWebマーケティング施策
コーポレートサイトとは別に「技術を伝えるための特設サイト」を作ることで、伝えたい技術の内容をさまざまな分野の見込み顧客へ情報を広げていきました。フィルムデバイスに関する基礎知識や活用事例をコラム形式でどんどんアップしていくことで、より幅広いユーザからのアクセスを獲得しています。集客施策の中心はSEO対策ですが、短期間の成果を求めてリスティング広告も併用しました。
Webマーケティング施策の成果
ターゲットとしていたメーカーの技術者だけでなく、大学の研究者など幅広い分野からさまざまな問い合わせを獲得することに成功しました。お客様からさまざまな反応を得られたことで、お客様の顔を想像しながらスピーディーにWebサイトの更新ができるようになり、早期に成果を挙げることができました。フィルムデバイス分野で堅調に成果を挙げられたことから、今ではフィルムデバイス以外の分野のWebマーケティングも推進しています。Web活用を推進する流れが社内でも確実に広がり、全社的な導入へと進んでいます。
事例の詳細は以下からご覧いただけます。
事例:技術者をターゲットとしたWebマーケティングにより多くの新規顧客開拓に成功
事例2 荒川技研株式会社
事業内容 | プラスチック加工 |
サイトURL | https://www.a-giken.co.jp/ |
施策内容 | Webサイト制作、SEO対策、コンテンツマーケティング、アクセス分析・改善 |
抱えていた課題
以前は既存取引のあった自動車やアミューズメント業界のメーカーからの売上が大きかったため、危機感はなかった同社。自動車業界はEV化による大きな変化が起きることが予測され、アミューズメントも衰退の兆しがあるなど、将来の不確実性が高まっていました。新規顧客開拓営業を行ううえでWebマーケティングの重要性はわかっていたものの、どうすればいいかわからない状態でした。
実施したWebマーケティング施策
同社は、切削・真空注型・光造形と幅広くプラスチック加工ができる会社でしたが、対応領域の広さから得意領域が見えづらくなっていました。そのため、樹脂試作にターゲットを絞り「プラスチック試作の専門工場」というキャッチフレーズで訴求することを決めました。
Webサイトの公開後にはアクセスの分析、問い合わせ状況の精査などを行うことで、伸ばすべき分野は何かを考えていきました。ターゲットとすべき分野に合わせて設備投資を行いながら、より深いニーズに対応できる体制へと変化させていきました。
さらにコンテンツマーケティングを実施し、樹脂に関する基礎知識の提供や材料の特性などを解説することで、当分野での認知度向上(ブランディング)を図り、潜在顧客に対し「プラスチック加工といえば荒川技研」と第一想起されるWebサイトを目指しています。
Webマーケティング施策の成果
問い合わせ数が大幅アップするとともに、異業種からの引き合いを多く獲得しました。結果として、取引社数が数百社と大幅に増加しました。多い時期には、毎日のように問い合わせがきています。
事例の詳細は以下からご覧いただけます。
事例:数百社の新規取引先開拓に成功。得意領域を見出し訴求力アップ
事例3 イースタン電子工業株式会社
事業内容 | 三次元測定機「マイクロ・ビュー」の販売 |
サイトURL | https://www.microvu.jp |
施策内容 | Webサイト制作、SEO対策、リスティング広告 |
抱えていた課題
同社が総代理店を務めている三次元測定機「マイクロ・ビュー」は、世界的なシェアこそ高いものの、日本での知名度が低いのが大きな課題でした。展示会を中心に販売活動を行っていましたが、日本市場は国内大手メーカーがシェアを占拠しており、後発参入は容易ではありませんでした。
実施したWebマーケティング施策
マイクロ・ビューに対する機能的価値と情緒的価値を洗い出し、それらの情報を一言でまとめ「世界トップシェアの実力と安心感」というブランドコピーを考案しました。また、Webサイトデザインは、国内製品に負けない圧倒的な存在感を創出することで差別化を図り、当製品のブランド価値向上を狙いました。集客施策としてはSEO難易度の高いキーワード「三次元測定機」に関してはリスティング広告を中心に、「大型三次元測定機」「小型三次元測定機」といったキーワードはSEO対策とリスティング広告を併用することで検索時の画面占有率を高め、ユーザーからアクセスしてもらいやすい状況を作り上げました。
Webマーケティング施策の成果
デザインを刷新したことにより、アメリカのマイクロ・ビュー社や世界各国の代理店から「素晴らしいデザインだ」と賛美の声が上がったとともに、情報が整理され見やすいといったUI面の評価も上がりました。リニューアル後は継続的なSEO対策を実施し、Webコンテンツを拡充していくことで問い合わせ数が大きく向上しました。
事例の詳細は以下からご覧いただけます。
事例4 株式会社長野サンコー
事業内容 | プレス金型の設計・製作およびプレス加工 |
サイトURL | https://www.naganosankoh.jp/ |
施策内容 | Webサイト制作、SEO対策 |
抱えていた課題
以前よりWebマーケティングを実施していた同社。しかし、目指していたのがインターネット上で取引される案件数が絶対的に少なく、受注難易度が高いとされる量産案件の受注だったため、なかなか見合う案件の引き合いを獲得することができずにいました。
実施したWebマーケティング施策
難度の高い量産案件を獲得するためには、相当数のアクセスユーザをWebサイトへ呼び込む必要があると考え、「絞り加工」や「プレス金型」といった検索需要が大きく、SEO難度の高いキーワードによるSEO対策が必須と考えました。難度の高いキーワードによるSEO対策を成功させるために、自社の技術紹介だけではなく、その技術に関する解説コンテンツを弊社にて執筆し掲載すると共に、大量の加工事例を掲載することで、コンテンツリッチなWebサイトへとリニューアルしました。
Webマーケティング施策の成果
対策キーワードでの検索上位表示を実現し、多くの引き合い獲得に成功しました。その結果、Webサイトのリニューアルから1年経たずして、超大型の量産案件の受注を達成することができました。
事例の詳細は以下からご覧いただけます。
事例:Webマーケティングでは難易度の高い量産案件の受注に成功
事例5 サイエナジー株式会社
事業内容 | 軟X線検査装置およびシステムの開発・製造 |
サイトURL | https://scienergy.jp/ |
施策内容 | Webサイト制作、SEO対策、リスティング広告、マーケティングオートメーション導入、アクセス分析・改善 |
抱えていた課題
同社はこれまで新規顧客獲得を展示会での営業活動に依存していました。そのため、展示会開催直後は受注数が急増しましたが、展示会が開催されない期間は受注数が激減してしまい、受注の波が激しいことを課題として抱えていました。近いうちに製造の内製化を図る計画があったため、なるべく受注を平準化したいと考えていました。
実施したWebマーケティング施策
主要対策キーワードである「X線検査装置」を中心にSEO対策とリスティング広告を実施し、多くのリード獲得を実現しました。またアクセス分析を行ったところ、問い合わせに到達したユーザーの多くが「噛み込み」「液漏れ」などといった用途系ページからの流入が多いことが判明しました。そのため、用途系のページとして「ダーツ検査」や「シール検査」といったページも新設することで、より多くのリード獲得に成功しました。
Webマーケティング施策の成果
月によって多少の波はありますが、多いときの問い合わせ数は以前の10倍くらいになりました。また、MAを導入することで、展示会後のリードの反応がわかるようになり、ホットリードに絞り込んで営業アプローチできるようになったので、営業効率を大きく上げることができるようになりました。
事例の詳細は以下からご覧いただけます。
事例:コロナ禍でもデジタルマーケティングが展示会に代替する営業手段として活躍
事例6 株式会社杉山チエン製作所
事業内容 | 工業用チェーンの製造・販売、特注部品の受注生産 |
サイトURL | https://www.hkkchain.jp/ |
施策内容 | Webサイト制作、SEO対策、アクセス分析・改善 |
抱えていた課題
以前のWebサイトは制作方法が古く、定期的な更新をするのに労力を要する状態でした。また会社紹介程度のコンテンツ量だったため、新規ユーザーのアクセス数が少ない状況でした。造り手側の目線ではなく利用者が欲しい情報を掲載し、Webからの問い合わせ数を増やすことを目指しリニューアルを実施しました。
実施したWebマーケティング施策
スプロケットや各種チェーン名を対策キーワードに選定しSEO対策を実施しました。多くのキーワードで検索上位を獲得することができています。またアクセス解析の結果、問い合わせフォームで離脱してしまうユーザーが多くいることを発見し、当該製品に知識のないユーザーが問い合わせ時に何を入力すればよいか分からないのではないかという仮説を立てました。そこで、問い合わせしやすいようあえて入力項目を増やしたところ、問い合わせ率の大きな改善につながりました。
Webマーケティング施策の成果
Webサイトで製品や技術について分かりやすく伝えることができているために、受注確度の高い問い合わせ獲得につながっています。お問い合わせ件数自体は週に1、2件程度ですが、見積もりからの受注率が高く、見積もりを提示すると7〜8割程度の確率で受注に至っています。
事例の詳細は以下からご覧いただけます。
事例:問合せからの受注率が7〜8割に!低コストで高パフォーマンスなWebサイト制作を実現
事例7 株式会社アローズ
事業内容 | レアメタルの調達・加工商社 |
サイトURL | https://www.arrozcorp.com/ |
施策内容 | Webサイト制作、SEO対策、コンテンツマーケティング |
抱えていた課題
非常にニッチな市場で専門性が求められる仕事にもかかわらず、営業マンの離職率が比較的高いことが大きな課題となっていました。そのため、属人的な営業活動から効率的なWebマーケティングによる営業体制に変革を図りたいという想いがありました。
実施したWebマーケティング施策
同社が強みとする「レアメタルの調達力」と「加工商社のネットワーク」を最大限活かせそうな市場として、レアメタル加工を依頼したいと考えているユーザーにターゲットを絞りました。レアメタルには数多くの種類があるため「レアメタル名+加工」をテーマとしたページを量産することにより、数多くの検索キーワードでHITするようになりました。
Webマーケティング施策の成果
Webマーケティングを実施して数ヶ月後には、Webサイト経由の問い合わせがほぼ毎日入ってくるようになりました。中でも、大手企業からお問い合わせをいただく機会が増えていて、以前はどうやっても関わることができなかった大手自動車メーカーさんから問い合わせを獲得できていることは、同社にとって大きな価値となっています。
事例の詳細は以下からご覧いただけます。
事例:Web集客で営業力を大幅にアップ!大手メーカーとの繋がりを作ることにも成功!
製造業がWebマーケティングにより得られる成果
製造業がWebマーケティングの成功により得ることのできる具体的な成果は以下のとおりです。
効率的に新規顧客の獲得ができる
Webマーケティングは、アウトバウンド営業(テレアポや飛び込み)のような売り込みとは違い、見込み顧客のほうから「技術・製品を買いたい」と問い合わせをしてきてくれます。
そのため、受注のための営業労力が低く、効率的な新規顧客の獲得が可能です。営業やマーケティングに投じる人的リソースが限られる製造業者にとって、最適な新規顧客獲得手法と言えます。
技術・製品の新たな用途開発につながる
一般的に同じ技術・製品を同じ市場に提供し続けると、製品のコモディティ化や競合企業の増加などにより、相対的に技術の価値が下がってしまいます。自社の技術・製品を高く買ってもらうためには、新たな市場を開拓していく必要があります。
Webマーケティングの活用により、自社の技術・製品を幅広いユーザーに知ってもらうことで、新たな利用用途を見出してもらい、新たな技術開発につながったり、新事業創出のきっかけとなったりすることがあります。
ブランディングにつながる
Webマーケティングを通じた積極的な情報発信を行うことで、今すぐではないが、将来的に顧客となる可能性のある潜在ユーザーへリーチできるようになります。
潜在ユーザーには、何らかのきっかけにより購買活動に移る際に貴社を第一想起してもらえる可能性があるため、競合他社に先んじて接触できることが期待できます。見込み顧客と早い段階で接触することで、優位な状況で商談を進められるのです。
製造業のWebマーケティングを成功させるのが難しい理由
Webマーケティングを実施する際、Webサイトの制作、集客、運営のすべてを内製で進める場合と、それらの一部もしくは全部を外注で進める場合の二種類があると思います。製造業でWebマーケティングの成功事例が少ないのは、両者どちらの方法でも成功させるのが難しい業界ならではの要因が潜んでいるためです。
内製で成功するのが難しい理由
Webマーケティングを内製している製造業がうまくいかない理由としては、以下のようなことが挙げられます。
顧客ターゲットの解像度が上げられていない
長年メーカーからの受託業務を行っているサプライヤー企業では、自社がターゲットとすべき顧客について考える機会が少なく、自社がターゲットとすべき顧客のイメージが明確になっていないケースが多いです。
また、取引を行うメーカーの業界・分野が多岐に渡ることもあり、どこにターゲットを絞ればよいかわからないケースや、そもそも自社で加工している部品が最終的にどのような製品に使われるのかを知らされないケースがあり、ターゲットの解像度を上げることが難しい要因になっています。
Webサイトのアクセスを増加させるための対策が不十分
自社で制作したWebサイトの多くが、アクセスを増やすための対策までを考えておらず、「とりあえず作ってみた」というものも少なくありません。たとえ自社の強みや実績が十分に掲載されているようなWebサイトであったとしても、誰にも見てもらえなければ意味はありません。
Webサイトの適切な更新活動が行えていない
Webサイト立ち上げ直後に一時的に成果が出たとしても、公開後の更新を怠っていると、徐々に成果は減少傾向となります。これは、競合企業のWebサイトが適宜更新されていくため、少しずつユーザーが競合サイトに流れていくためです。
Webサイトは立ち上げが目的ではなく、むしろスタートです。定期的にアクセス分析を行い適切な更新活動を行う必要があります
外注で成功するのが難しい理由
次にWebマーケティングの外注を成功させるのが難しい理由です。
業界の商習慣を理解できない
Webマーケティング支援業者の多くが、BtoCのビジネスを支援しており、BtoB製造業支援の実績を豊富に持っていることはまれです。BtoCとBtoBでは、購買に至るまでの動機や購買フローが大きく異なるため、それを理解しないままWebマーケティング戦略を考えても失敗に終わってしまうことが多いのです。
適切なキーワードを選定するのが難しい
BtoB製造業のWebマーケティング施策において主要な施策となるのは、SEO対策やリスティング広告といった検索エンジンを使うユーザーの集客です。それを成功させるために最も重要となるのが「キーワードの選定」です。適切なキーワードを選定するためには、専門用語を理解するとともに検索ユーザーの検索需要を把握しなければなりませんが、これは経験値がないと難しい作業となります。
Webコンテンツを制作するのが難しい
仮に適切なキーワード選定できたとしても、そのキーワードで検索上位に表示させ続けるには、良質なWebコンテンツを作り続ける必要があります。専門性の高いWebコンテンツを作成するためには、専門知識を有したライターやイラストレーターが必要となりますが、どちらも希少な存在です。
製造業のWebマーケティングならテクノポートへお任せ
創業以来、製造業専門のWebマーケティング支援を行っており、1,000社を超える支援実績を誇るテクノポートが貴社のWebマーケティングを支援いたします。無料相談を実施しておりますので、コンタクトフォームからお気軽にご連絡ください。また、サービス説明資料はこちらからダウンロードください。