動画マーケティング最前線 〜中小製造業での活用〜

製造業経革広場の徳山です。久々の投稿になります。

今回は「動画マーケティング」について記事を書きたいと思います。

「動画」と聞くと、ハードルが高い、コストがかかる、といった印象を持たれる方も多いのではないかと思います。しかし、最近は少し考え方や使い方が変わってきています。

コストをかけなくても知恵を使って莫大な効果を出している例も少なくありません。

 

まずは、中小製造業での成功事例を一つご覧ください。

・あなたも出来る職人の簡単メッキセット「めっき工房」

 

いかがでしょうか。

「え?そんなに大した動画ではないのでは?」と思った方も多いと思います(笑)

しかし、この動画は日本語バージョンしかないのにも関わらず、国内だけでなく海を越えて海外からも反響があったそうです。

この動画から下記のようなポイントが学べるのではないかと思います。

 

1、自社の技術を「当たり前のこと」と思わず、積極的に情報発信する

2、技術を分かりやすく不特定多数の誰かに伝えることで、相手に用途を思いつかせる

 

まず1に関してですが、中小製造業の方は下請けの仕事をずっと行ってきた影響で、自社の技術に大した価値がないと勘違いされているケースが多いように感じます。

いわゆる「井の中の蛙」状態になってしまっている方は決して少なくないのではないでしょうか。

その技術にどれぐらいの価値があるかを決めるのは自分でなく、相手です。まずはどんどん情報発信することが大切、ということを肝に命じましょう。

 

2番目は「自社の技術の用途を相手に思いつかせる」です。

私はこれが中小製造業の動画活用における一番のポイントになると思っています。

なぜなら、中小製造業にとって、動画活用が新しい切り口のマーケティング手法になり得るのではないかと考えているからです。

今までマーケティング活動を行ってこなかった会社にとって、いきなり顧客ターゲットを絞れと言われても難しい場合があります。

自社の技術がどのような顧客と相性が良いのかを、自社ではなく顧客に提示してもらうという手法で、自社で行うはずの「用途開発」を顧客に転嫁する、というものです。

経営資源の乏しい中小企業にとって、いかに社外のリソースを活用して製品開発やマーケティングを行うかが重要です。

社外を上手に巻き込む手段としての動画活用、というと少し活用の仕方も変わってくる気がしませんか?

 

今までもインターネットを使って自社の技術を情報発信すれことで、上記を行うことは可能でした。

しかし、環境が変わり「動画マーケティング」が今まで以上に活用される可能性が高まっています。

 

・静止画やテキストだけの情報よりも、動画の方が分かりやすい

⇒相手に用途を思いつかせるという目的であれば、その可能性は高まるのでより効果的

・動画の制作コストが一気に下がった

⇒機材の性能アップや、無料で使いやすい編集ソフトが出回り、インターネットで流す程度の短い動画であれば素人でも簡単に撮影可能

・動画を簡単により多くの人々に見てもらえるようになった

⇒YouTubeなどを活用すればちょっとした知識と知恵で多くの人に見てもらえるように

 

3番目の「より多くの人々に見てもらえるように」というのは、最近発表されたデータでもその効果が立証されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらは、海外WebサービスのShareholicが、『最もエンゲージメント率の高い自社サイトへの流入源』という調査結果を発表したものです。

要は「YouTubeから自社サイトへアクセスしたユーザは多く、そして長い時間滞在し、たくさんのコンテンツを見る傾向があった」

というもので、他のソーシャルメディアよりも効果的である、ということが数値で証明されました。

 

BtoBでの活用例はまだまだ少ないですが、BtoCでは最小コストで最大の効果を生んだ事例も出てきています。

タイヤのネット通販を展開するオートウェイ社の事例

なんと41秒の動画が5億円もの経済効果を生んだ、という事例です。

こちらの記事の中に「動画を利用しない理由は?」というアンケートがありますが、利用しない理由がどんどん少なくなり、更に活用が進むことが間違いないことを物語っています。

 

面白い動画を作り、「口コミ」を促進することで上記のような経済効果を生むことも可能ではないでしょうか。

そこで必要となってくるのは投資コストではなく、「知恵とスピード」だと思います。

「知恵とスピード」であれば、大企業よりも中小企業の得意分野です。

お金をかけずに知恵を使って最大の効果を生むことができる「動画マーケティング」。貴方の会社でも活用してみてはいかがでしょうか。

 

製造業経革広場 徳山

この記事の執筆者
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徳山 正康
テクノポート株式会社 代表取締役

製造業専門のWebマーケティング事業と技術ライティング事業を手がけるテクノポートの代表を務める。「技術マーケティングで日本の製造業に追い風を」を経営理念に、これまでに数名の町工場から一部上場のメーカーまで、累計1,000社を超える製造業を支援し、数多くの企業の経営革新を実現。

グロービス経営大学院(MBA)卒業、(社)日本ファミリービジネスアドバイザー協会 フェロー、(社)Reboot 理事、(社)Glocal Solutions Japan 認定専門家

【寄稿実績】
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