中小製造業Facebook活用の現状

ゴールデンウィーク明けの初投稿となります。

最近お客様先を周っていると、Facebookに関しての質問が増え、以前にも増してFacebookの活用が一般的になってきたなあ、と感じます。

半年前までは「Facebookってどうなの?」という質問が多かったのですが、最近では「Facebookの具体的な活用を知りたい」という声に変わりつつあります。

世界的に見るとFacebookの人口は9億人を超え、日本国内でも1000万人を超えたようです。

思ったよりも早く中小製造業でも浸透し始めたと感じていますが、下記のデータのとおり地域差はかなりあるようです。

私もこのデータを見て非常に驚きましたが、東京での普及率が異常に高いです。普及を一気に加速させるキャズムライン(普及率16%)を既に超えております。

地域差を関係ないものにするのがソーシャルメディアだと思っていましたが、想像以上に各地域内での口コミが影響しているのでしょうか。

さて、話を戻して中小製造業におけるFacebook活用の現状ですが、今ひとつ決定打に欠けるといった印象です。

かつて成功事例として華々しく取り上げられていた、大分県のエイチ・エス・ケーさん(https://www.facebook.com/hsk.kumitate.jp?ref=ts)や、愛知県のクリタテクノさん(https://www.facebook.com/Moldgrind)ですが、ファン数こそ多いものの、一刻の盛り上がりに比べると少し静まってしまった感があります。

私は中小企業がFacebookのビジネス活用を行う上で、下記の3つの機能が使えると考えています。各機能を現状中小製造業でどのように活用されているかを書いてみるとこんな感じでしょうか。

 

1、Facebook個人アカウントの活用

個人アカウントの特長として、下記の2点が挙げられるかと思います。

①現実世界でも人脈が広い人が有利

②人脈を狙い通りに広げやすい(個人アカウントでは自由に友達を選べるから)

中小企業でFacebookをビジネス活用する際に、経営者が自らが率先して活用するケースが多いかと思います。そうなると上述した特長2点は、一般人よりも人脈の広い経営者にとっては非常に有利なポイントになるのではないでしょうか。

実際に中小製造業の場合、個人アカウント間で仕事のやり取りを行うケースが多く見受けられます。これは普段から仲間取引という商習慣のある中小製造業ならではのFacebook活用法だと思います。

そういった意味では中小製造業が他業界よりも個人アカウントのビジネス活用の可能性が高いと言えるのではないでしょうか。

 

2、Facebookページの活用

こちらは前回ブログでも書きましたが(https://keikakuhiroba-mfi.com/archives/209)、本業(BtoBの仕事)では向いていないように感じます。

その理由を補足すると、個人アカウントの特長の裏返しで考えれば簡単なのですが、特殊なマーケットでビジネスを行っている中小製造業にとって、人脈を思い通りに広げられないFacebookページではなかなかビジネスの広がりを創るのは難しいからです。

また、大手企業(メーカー)の社員はコンプライアンスの問題などから、Facebookをビジネス活用することは無いでしょうから、メーカーの開発部や購買部からの問合せを獲得することも難しいと思われます。

本業での活用法としては、Facebookページから自社Webサイトへアクセスを誘導していくことが最善の活用法かと思われます。

しかしBtoCの事業を行う場合など、現状のマーケットを変えるような新しい取組みを行う際には非常に有効活用できるかと思っています。

それは販売面だけでなく、マーケティング面でも大きな力を発揮すると考えています。

中小製造業が自社商品開発を行う場合を例に取ります。自社商品を開発し販売を行う際にネックとなるフェーズが、「最終消費者へのニーズ調査(マーケティング)」と「最終消費者への販売」になってくるかと思います。

製造面は得意分野なので、上記2点がFacebookを始めとしたソーシャルメディアの活用により補填できれば、活用の可能性が今まで以上に広がると思います。

私も一般消費者向けの面白い商品をお持ちの中小製造業の方と組んで、Facebookページ活用事例を早く創りたいと考えています。

 

3、Facebookグループの活用

こちらは中小製造業での活用事例が多い機能かと思っています。

もともと中小製造業は商工会や共同受注グループでの活動など、グループでの活動一般的です。

今までは地理的な制限があり、地域を限定したグループ活動が多かったのですが、Facebookの活用により地域的な制限が取り払われるので、今後は全国規模で共通の理念を持ったグループが増えていくのではないでしょうか。ですので、グループ機能の活用には大きな可能性が秘められていると考えています。

グループ活動で目覚ましい成果を挙げられたのがひたち立志塾の皆さんだと思います(https://www.facebook.com/hitachi.risshi)。

以前に製造業経革広場(Facebookページ)でも取り上げましたが、今年の3月23日に催された「ひたちより元気を発信! ~中小企業SNS活用シンポジウム~」では中小企業のFacebook活用の集大成を見たような気がしました。(https://www.facebook.com/events/345845548770502/

当イベントは、東日本大震災が起こった時のソーシャルメディア活用やBCPについての考えを全国に発信したい、という想いにより開催されたものです。

中小企業が主催のイベントで、しかもお世辞にも交通アクセスの良いとは言えない日立市での開催にも関わらず、Facebookを中心とした集客活動により170名もの参加者を集めたのです!

私も参加させて頂きましたが、おそらくほとんどの参加者が日立市外の方だったと思います(一番遠い人はアメリカからの参加でした←驚)。

こちらの成功はグループ機能だけでなく個人アカウントおよびイベント機能のフル活用によるものですが、中小企業のFacebook活用の底力を感じました。このような成果が各地で起ることを期待しています。

 

以上が私が知る限りでの中小製造業のFacebook活用事例です。今後さらに普及率が高まる中、それに伴い活用事例も増えていくかと思います。

私もFacebookの活用には大きな可能性を感じています。当分野に深く携わる人間として、様々な活用事例に携われるよう、今後も尽力して参りたいと思います。

この記事の執筆者
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徳山 正康
テクノポート株式会社 代表取締役

製造業専門のWebマーケティング事業と技術ライティング事業を手がけるテクノポートの代表を務める。「技術マーケティングで日本の製造業に追い風を」を経営理念に、これまでに数名の町工場から一部上場のメーカーまで、累計1,000社を超える製造業を支援し、数多くの企業の経営革新を実現。

グロービス経営大学院(MBA)卒業、(社)日本ファミリービジネスアドバイザー協会 フェロー、(社)Reboot 理事、(社)Glocal Solutions Japan 認定専門家

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