Dell社の新製品KACEのブロガーイベントに参加しました

Dell社の新製品であるKACEというシステム管理ツールのイベント(Dell KACE ブロガーイベント第3弾)にパネラーとして参加させていただく機会がありました。

KACEとはDell社が2010年に買収したKACE社の製品で、システム管理のハードルを飛躍的に下げてくれる製品です。

http://www.kace.com/jp

イベント中のトークセッションでは中小製造業側の視点から色々と意見をぶつけました。

KACEを導入すると、会社の社内ネットワーク内で使われているPCの状況が一目で分かるようになります。誰がどこでPCを使っていて、ソフトウェアは何を使っていて、セキュリティに対する脆弱性はどれくらいか、といった点が管理画面にて簡単に掴むことが可能です。

中小企業において、このKACEという製品の導入メリットですが、下記のようなものがあるように思いました。

・専門的な知識のない人でもPC操作に慣れている人であれば、一般的な情報システム部に近いシステム管理が可能

・PCの脆弱性を数値管理できるようになり、適切なセキュリティ対策ができる

・遠隔コントロールが容易になるので、拠点展開している会社には大きなメリット

 

専門的な情報管理の知識を持つ人材の獲得が難しい中小企業でも、大手企業と同じようにセキュリティに対するリスクは存在します。

中小企業でも本格的なシステム管理をしたいと考えた時に、人的コストやシステム導入コストが大きくかかりますが、KACEではコスト面のハードルも大きく下げてくれます。とは言っても中小企業にとっては決して安いコストではありませんが、あくまで一般的なシステム管理構築における導入費用と比較した場合です。

中小企業の場合、もともと情報管理に対して投資を行うという考え方は少ないように思いますが、セキュリティや属人的になりがちな社内の情報管理体制のリスクを考えた時に、いざリスクが襲ってきた時の損失を金銭算出した場合にどれぐらいの被害になるのか、との比較が重要になるかと思います。

私は職業柄(Webマーケティング)、IT全般に詳しいと思われることが多いのですが、この分野は全くの畑違いです。イベント中に私もKACEに触ってみたのですが、そんな私でも何とか操作できそうなイメージでした。

 

従業員100名以下の中小企業におけるシステム管理の現状は下記のような状況ではないでしょうか。

・大手企業のように情報システム部という部署を設けている会社はほとんどない

・総務の仕事をしている人が兼務しているケースと、社内にたまたま居るシステムやインフラに強い人間に兼任してもらっているケースがある

・システム管理を行うためにわざわざ人員採用する企業はほとんどない

・セキュリティに関しては正しい知識を持っておらず、何となく対策したつもりでいる会社が多いように感じる

・製造拠点を地方に持っている会社も多い、独自でVPNを組んだりして遠隔管理できる仕組みを構築している会社もあるが、社内にたまたま詳しい担当がいる場合に限る

 

そんな現状の中で、中小製造業のシステム管理における問題点には下記のようなことが挙げられるかと思います。

・システム管理の体制が人に依存している

⇒中小企業では情報システム部は存在せず、総務やたまたまインフラ系の知識に突出している人が兼任でインフラの整備やシステム管理を行なっているケースがほとんど。拠点がある会社ではVPNを組んだりしている会社もあるが、担当者が辞めると管理できなくなる、という属人的な体制となってしまう。

・セキュリティに対する正しい知識がない

⇒何かとセキュリティは大丈夫なのか?という声はよく聞くが正しい知識を持っている会社がどれほどあるかは疑問が残る。セキュリティ対策は会社によってまちまちで、どこまで対策すれば良いか、の明確な指標が存在しない。情報管理(セキュリティ対策)に関しては、今後大手企業との取引を考えている企業にとっては大きな課題となる。

・拠点間におけるシステム管理を行う仕組みがない

⇒製造業の場合、中小企業であっても製造拠点が複数存在するケースが多く、製造現場の人といえど、設計にCAD/CAMを利用するなど、仕事にPCは欠かせない存在。拠点の資産管理、PCサポートを遠隔で行えていない会社もまだまだ多いように感じる。

 

大手メーカーと取引する条件の中に、適切な情報管理ができているか、というものも含まれることが多いと伺います。

情報管理ができていないことは、セキュリティに対するリスクを大きくするばかりでなく、大手との取引というチャンスを逃すことにも繋がりかねません。

人に依存しない情報管理を真剣にお考えの方にとっては非常に良いツールだと感じました。

今回のイベントに参加して、中小企業の情報管理の在り方について深く考えさせられる機会になりました(自社も含めて…ww)。

なお、イベントの様子はUstreamで生中継していましたが、下記から録画も見られますので、KACEについてもっと知りたい方はどうぞ!

http://www.ustream.tv/channel/dell-kace

この記事の執筆者
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徳山 正康
テクノポート株式会社 代表取締役

製造業専門のWebマーケティング事業と技術ライティング事業を手がけるテクノポートの代表を務める。「技術マーケティングで日本の製造業に追い風を」を経営理念に、これまでに数名の町工場から一部上場のメーカーまで、累計1,000社を超える製造業を支援し、数多くの企業の経営革新を実現。

グロービス経営大学院(MBA)卒業、(社)日本ファミリービジネスアドバイザー協会 フェロー、(社)Reboot 理事、(社)Glocal Solutions Japan 認定専門家

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