最も効果的な導入事例の書き方の具体例とテンプレートを紹介
こんにちは。テクノポートの卜部です。BtoB企業のマーケティングにおいて、導入事例コンテンツの掲載は効果的な手法です。しかし、導入事例の記事をどのような流れで書けばよいか、またはどのように表現すればよいか、多くの方が悩んでいます。
今回の記事では、導入事例のストーリーの立て方や書き方を中心に、導入事例の効果や事前に整理すべき情報、表現のコツまでをご紹介します。
この記事の目次
導入事例の重要性と制作前の準備
導入事例の具体的な書き方に入る前に、まずはそのメリットと事前に整理するべき内容を解説します。
メリットと目的
自社HPに導入事例のコンテンツを載せることの主なメリットは、「信頼性(製品品質)の証明」と「具体的なソリューションの提示」の2つです。この2つを達成することが同時に目的にもなります。
例えば、製造業の会社の場合は、大手企業に製品導入事例があれば、それだけで製品の品質が一定の水準を超えているという証明になります。日系の大手製造業企業は求める品質レベルが高く、納入実績があれば一種の信頼性の保証になります。
具体的なソリューションの提示は、一般的な製品紹介ページは誰にでも当てはまるように作る必要があり、具体性が欠けてしまうケースがあります。導入事例の場合は、個社のニーズに対する具体的なソリューションを説明できるため、潜在顧客が導入事例を見ることで、よりリアルなケースを想起させられます。
製品・サービスの選定
導入事例を制作する前に押さえるべきことは何でしょうか。当然のことのように思えますが、まずはどの製品(サービス)の導入事例を作るかを決める必要があります。製品の選定基準は各社いろいろあると思いますが、特に重点的に販売したい製品、カスタマイズ可能なもので具体的な使用方法が他ページで説明しきれていない製品などが挙げられます。
ターゲットとインタビュイーの選定
導入事例を作る製品(サービス)が決まったら、インタビュイーを選びます。過去の導入先企業の中でインタビューや記事掲載を許諾してくれそうな企業をリストアップし、営業マン経由で打診していきます。
このとき覚えておきたいことは「インタビューや記事掲載の許諾をしてくれそうな関係構築が既にできている企業」だけの選定基準で選ぶべきではない、ということです。もう一つ重要な選定基準としては、インタビュイーの企業がその製品(サービス)を今後売り出していくターゲットの業界、または近い業界に属しているということです。
今後ターゲットとする潜在顧客に近い業界の導入事例でないと、具体的な導入イメージが想像されにくく、導入事例閲覧後の問い合わせ率が上がりづらいためです。
導入事例のストーリーと書き方
次に、導入事例制作の大事なポイントとストーリーの具体的な組み方を紹介していきます。
「ストーリー」と「具体的な効果」が大事
導入事例制作の際には「ストーリー」と「具体的な効果」が最も重要です。「ストーリー」は導入事例記事の起承転結の流れを指し、「具体的な効果」は数字を含む製品導入後の効果を指します。
今回「ストーリー」は以下の流れを一例にして、それぞれの項目について詳しく説明していきます。
- 導入後の効果
- 導入前の状況
- 製品(サービス)の使用感
- まとめ
「具体的な効果」は取材の際のインタビューの際に注意すべきことで、例えば「御社サービスを導入することで作業時間の短縮ができた」ではなく、「〇〇時間(もしくは●●%)の作業時間短縮に成功した」とインタビューにおいて具体的な数値を聞き出し、それを記事に必ず含めましょう。
それでは「ストーリー」ごとの書き方を紹介していきます。例については、弊社テクノポートはSEOコンテンツの制作をしていますので、弊社サービスの導入事例を作るつもりで一例として記載しています。
1.導入後の効果
【書き方】
- 冒頭に効果を説明。読者が一番知りたい情報は「効果」であるため、一番頭に記載することで興味を生み出し、読み進めてもらうようにする
- 導入効果は可能な限り定量的に表現し、読者に「先を越されて悔しい」と思わせることができることがベスト
- 具体的にどのような提案を受け、どのような施策を実施したかも説明
【例】
HPのセッション数が2,000から6,000の3倍になり、問い合わせ数も10件から20件の2倍になりました。テクノポートからSEOコンテンツの制作を含めたHPリニューアル案の提案を受け発注し、半年に渡りSEO対策を実施しました。
2.導入前の状況
【書き方】
- 導入前の課題は、読者が共感できる情報を記載
- 候補サービスは、自社サービス以外に課題解決のためにどのようなサービスを検討したかを記載
- 信頼性や客観性を高めるために「採用理由」だけではなく「比較基準」も書くことが大事
【例】
弊社は営業マンによるルートセールスや紹介ベースで案件を獲得してきましたが、新規顧客の獲得数に課題がありました。そこでWebを中心とした集客に力を入れることになり、さまざまな施策を検討しました。
広告やSEOやウェビナーなど、いろいろな方法があることはわかりましたが、優先順位の付け方がわかりませんでした。テクノポートからは一つ一つの施策の特徴と、費用に対する想定問い合わせ数を教えてもらい、優先順位をつけて取り組むことができました。また、製造業に対する豊富な実績も採用利用の一つです。
3.製品(サービス)の使用感
【書き方】
- 実際に現場で導入された後の使用感についてを伺う。期待値とのズレや想定外のメリットなど、導入前に想定していたこと、想定していなかったことの両方を書く
【例】
テクノポートに依頼する前の一番の懸念は「効果が出ない場合、どのような軌道修正をするか」ということでした。毎月レポート報告と改善提案をもらうのですが、開始から2~3ヶ月はなかなか効果が出ませんでした。その際にSEOコンテンツを投下するページを大幅に変える提案を再度受け、それを実施することで効果が出始めました。
初期の提案通りにならない事態になっても、実施内容を柔軟に変えていただいたことが成功につながったと思います。
4.まとめ
【書き方】
- 課題解決のためのサービス選びを行う際のコツや注意点を伺う。サービス選定中の読者へ役立つ情報提供を心がける
【例】
Webマーケティングの施策にはいろいろな種類があります。それぞれの費用対効果を想定でもいいので理解することが重要で、そうすると着手の順番が自ずと決まっていきます。自社サービスだけを盲目的におすすめしてくる会社には要注意で、常に客観的な視点をもった会社に依頼することをおすすめします。
テンプレートを公開
上記のストーリーと書き方をまとめたテンプレートを公開しています。以下より閲覧・DLできますので、参考にしてみてください。
表現のコツ
最後に表現のコツについて説明します。導入事例のコンテンツは主にHP上の記事形式で公開する場合と、ホワイトペーパーにする場合の2パターンがあります。それぞれの表現のコツを見ていきましょう。
Web記事の場合
HP上に公開する場合はテキストベースの表現が多くなるので、読み物として人を離さない工夫が必要になります。そのためには感情的な裏話なども入れる必要があるでしょう。主に以下のような内容を織り込んでみてください。
- 対象となる課題に対して今までどのような対策をしてきたか、またはその苦労話
- 依頼先企業を選定する際や社内説得する際の苦労話
- 効果があったときの安堵の気持ちや上司からの評価などに対する喜び
ホワイトペーパーの場合
ホワイトペーパーではインフォグラフィックや強調の表現をデザインで行いやすくなります。以下のような手法を使って、記憶に残りやすいホワイトペーパーを作成してみてください。
- 導入前と導入後の比較をわかりやすくイラスト化したり、数字を強調したデザインにする
- 図やグラフを用い、効果を視覚的にわかりやすくする
- 概念や技術説明のためにインフォグラフィックを用いる
まとめ
導入事例の効果や事前に整理すべき情報、ストーリーの立て方や書き方、表現のコツをご紹介しました。導入事例は自社製品(サービス)を訴求するためには効果的なコンテンツですが、その書き方を誤ると効果が出ない場合があります。
本記事のストーリー立てや書き方を参考に自社の製品やサービスに合わせた内容にアレンジしてみてください。