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ホワイトペーパーのデザインフロー(構成レイアウト・デザイン方針・素材)

【執筆者紹介】卜部克哉
この記事の執筆者
卜部克哉
会社名:テクノポート株式会社
執筆テーマ:Web広告、Webマーケティング
【経歴】
通信機器メーカーでの法人営業を経てWebマーケティングコンサルタントへ。セールスとWebマーケティング(サイト改善/SEO/Web広告など)両方の視点から製造業の認知拡大とリード獲得施策を得意としている。

【寄稿実績】
製造業にとってオンライン展示会は“使える”のか? コロナ後の可能性を考える(MONOist)
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効果のあるホワイトペーパーを作るには、デザインが非常に重要です。しかし、「どうデザインすべきかわからない…」「何から手をつけるべきかわからない…」といったお悩みのある方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、ユーザーにとってわかりやすい、見てもらえるホワイトペーパーのデザインについて解説します。実際弊社で使用している構成イメージや、各社ホワイトペーパー事例も載せておりますので、ご参考になれば幸いです。

ホワイトペーパーデザインのフロー

ホワイトペーパーのデザインフローは、大きく以下の3つに分けられます。

  1. ホワイトペーパー全体構成の検討
  2. ページ内構成を検討し、ライティング
  3. デザインを行う

ポイントは、デザインから始めないことです。「ホワイトペーパーを作ろう」と思ってPCでソフトを開いて作業を始める前に、メモに全体構成を書き出してから、作業に入るようにしましょう。

この3つのフローに沿って一つ一つ詳細を見ていきましょう。

ホワイトペーパーの全体構成

では、ホワイトペーパーの全体構成を考えていきます。ホワイトペーパーの構成を考えるにあたって、「ストーリーライン」を意識することは非常に重要です。ストーリーがしっかりしていることで、ユーザーの読まない壁を突破することができ、感情移入してもらえて、さらに記憶にも定着しやすいというメリットがあります。

このストーリーラインを組むための基本的な流れは以下になります。この大枠の流れに沿って、実際に作成するホワイトペーパーの製品やターゲットに応じて具体的な内容を考えていきます。

要約

ホワイトペーパーを読むことで、どのような情報が手に入るのかを簡潔に表現します。ユーザーを惹きつけるために重要な部分ですので、情報の取捨選択をしてわかりやすくまとめましょう。

問題提起

ユーザーが抱えている悩みの根本原因を教えることで、新たな気づきを与えられる内容にしましょう。ここでは商品・サービスの内容はまだ記載せず、続きが気になる形で締めくくります。

解決策

問題提起した内容に対する解決策を提示します。ここでは、あなたの商品・サービスを利用することが最も適した選択である理由を説明する必要があります。データを用いながら、論理的に価値をしっかりと伝えましょう。

製品情報

具体的な製品の仕様、特徴、競合との比較やお客様の声を提供します。解決策の部分では伝えきれなかったベネフィットがあれば、ここで伝えましょう。

クロージング

最後にユーザーの行動を促す内容を伝えます。価格やアフターサポート、保証など、ユーザーが不安を感じる箇所は払拭するようにしましょう。また、問い合わせまでの導線がわかりづらいと、離脱の原因になります。どこに問い合わせるべきなのか、わかりやすく伝えましょう。

ホワイトペーパーのページ内構成

全体構成ができたら、ページ内の構成に入っていきます。因果関係の説明、特徴の説明(箇条書き)、フローの説明など、基本的なページ内レイアウトを検討しましょう。これは実際に弊社で使用しているページ構成の一例になります。

因果関係の説明

因果関係を説明する際は、ビフォーアフターがわかりやすい以下のようなページ構成がおすすめです。

特徴の説明(箇条書き)

箇条書きにしたものを、以下のようにまとめるとわかりやすくなります。最後にフリー素材サイトも紹介しているので、そちらも参考にしてください。

フロー

商品やサービスを使用する手順などを説明したい時には、矢印を活用しながら以下のようにフロー図で表現するのがおすすめです。

ホワイトペーパーのデザインを行う

ページ内構成を元にテキスト情報のライティングが終わったら、ホワイトペーパーの本デザインに入っていきます。配色やイラストはコーポレートカラーやブランディングと統一するようにしましょう。デザインツールは、PowerPointなど、普段使用しているもので問題ありません。また、可能なものは図解やインフォグラフィックを用いてデザインすると、グンとわかりやすくなります。

参考にしたい製造業のホワイトペーパーデザイン

特に弊社がサービス提供している製造業界のホワイトペーパー例を以下に紹介します。

・株式会社キーエンス
URL:https://www.keyence.co.jp/downloads/?mode=tg&q=&o=12

キーエンスはFA機器の総合メーカーです。

Webマーケティングに力を入れており、ホワイトペーパーの種類が非常に豊富です。課題解決のための商品紹介だけでなく、最新トレンドや導入事例なども掲載しています。

・株式会社神戸製鋼所
URL:https://kobelco-coating.com/jp/document/index.html

株式会社神戸製鋼所は、日本の大手鉄鋼メーカーです。自社ホームページにホワイトペーパーのページがあり、表面処理の一つである「PVDコーティング」について、基礎知識から装置の導入メリットまで詳しく掲載されています。

課題解決の提案から商品紹介までの流れが綺麗で、ユーザーが行動しやすい内容となっています。

・株式会社村田製作所
URL:https://article.murata.com/ja-jp/article/vision-and-technology-for-the-future-of-smart-cities

株式会社村田製作所は、電子部品メーカーです。自社ホームページ内に技術記事のコンテンツが読めるページがあり、中にはホワイトペーパーが最後に掲載されている記事があります。

概要は記事ページで読むことができ、さらに詳細を知りたい方はダウンロードが必要な構成になっています。

ホワイトペーパーデザインのコツ

では、ホワイトペーパーデザインのコツをお伝えしていきます。

共通のデザイン方針を策定しておく

社内で、共通のデザイン方針を策定しておくことで、統一感のあるホワイトペーパーが作成できます。

デザイン方針を決めるということはつまり、トンマナを決める必要があります。トンマナとは、トーン&マナーの略で、具体的には

  • 使用する色
  • 使用するフォント
  • イラストのテイスト

を統一すると良いでしょう。

フォントサイズに注意

ホワイトペーパーをスマホからダウンロードして見る人も多いです。フォントは可読性の高いゴシック体を選択し、フォントサイズにも注意が必要です。

タイトルは14px、リード文は12px、本文は11px以上にすると良いでしょう。強調したい部分はフォントサイズを大きくしたり、太字にしたり、強調デザインを活用して表現するとメリハリのあるホワイトペーパーになります。

カラーリングの注意点

ホワイトペーパーのカラーリングは、ベースカラー、メインカラー、アクセントカラーの3つを押えておくと見やすくなります。

  • ベースカラー:主に文字に使う基本の色
  • メインカラー:見出しやボックスの背景などに使う色
  • アクセントカラー:特別強調させたい箇所に使う色

ホワイトペーパーに使えるフリー素材サイト

ここからは、ホワイトペーパーに活用できる商用利用可なフリー素材サイトを5つ紹介していきます。

Icooon mono

リンク先:https://icooon-mono.com/

シンプルなモノクロアイコンが豊富に配布されています。色やサイズを自由に変えることができるため、資料にも使いやすくおすすめです。

ヒューマンピクトグラム2.0

リンク先:https://pictogram2.com/

人型のピクトグラムを使用したい時に、非常に役立つサイトです。非常口のあの人が活躍しています。

Tech pic

リンク先:http://tech-pic.com/

テック系のイラスト素材を無料でダウンロードできるサイトです。IT企業や製造業の方が使いやすいイラストが豊富にあります。

manypixels

リンク先:https://www.manypixels.co/gallery

さまざまなテイストのイラストが掲載されています。カラーツールから色を変更することも可能で、使い勝手の良さやイラストの幅広さが特徴です。

unDraw

リンク先:https://undraw.co/illustrations

シンプルでこなれ感のあるデザインのイラストが利用できます。こちらも色の変更が可能で、トンマナに合わせた素材を簡単にダウンロードできます。

DrawKit

リンク先:https://www.drawkit.com/

おしゃれで、ホワイトペーパーのレベルを上げてくれる素材が無料で利用できるサイトです。PSD形式で配布されているので、カスタマイズすることも可能です。

まとめ

今回は、ホワイトペーパーのデザインフローについて解説しました。ホワイトペーパーを作成する際は、いきなりデザインから入るのではなく、構成やレイアウト、カラーリングなどのデザインレギュレーションを策定してから、本デザインに入ることがポイントです。

ユーザー目線で見やすくわかりやすいホワイトペーパーを作成しましょう。

この記事の執筆者
卜部克哉
会社名:テクノポート株式会社
執筆テーマ:Web広告、Webマーケティング
【経歴】
通信機器メーカーでの法人営業を経てWebマーケティングコンサルタントへ。セールスとWebマーケティング(サイト改善/SEO/Web広告など)両方の視点から製造業の認知拡大とリード獲得施策を得意としている。

【寄稿実績】
製造業にとってオンライン展示会は“使える”のか? コロナ後の可能性を考える(MONOist)
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