自社商品開発プロジェクトがスタートしました!

製造業経革広場主催の自社商品開発プロジェクトがスタートしました!

キックオフとして、今回のプロジェクトにご協力頂く日本大学さんの会議室をお借りして、製造業の方との意見交換会を実施しました。

今回はそこで交わされた意見交換の概要と今後の課題点について書かせて頂きました。

今回の自社商品開発プロジェクトの最終ゴールは、ソーシャルメディアを活用した商品開発のスキームを創り出し、世の中に無い商品を継続的に創り出すことです。

私の知る限りで、Webを活用した商品開発で最も成功した事例は、エレファントデザインさんが運営する「空想生活」だと思います。

過去に無印良品がここのシステムを利用した商品開発により、「体にフィットするソファ」を開発しました。この商品は、発売後わずか1年半で6万個強を販売、累積80億円を売り上げ、大ヒット商品となりました。

「消費者からアイディアを募る」⇒「アイディアの中から商品化するものを絞る(人気投票)」⇒「商品開発の模様を情報発信する」⇒「販売」という一連の流れをWebという媒体を通じて消費者と企業が協力しながら行うというスキームです。

消費者に対しては、自分のアイディアが実現化されたり、開発の過程を疑似体験できるので、販売前から商品に対するロイヤリティを高めることができます。

企業としては、より消費者ニーズに近い商品の開発が可能なのと、開発前に人気投票を行うことにより、ある程度売れる見込の立った状態で商品開発に入ることができます。

今までは一流企業のブランド力がなければこのような取組みは難しいと思っていましが、ソーシャルメディアが浸透した今、中小企業でも同様のスキームによる商品開発が可能になると考え、今回のプロジェクトを立ち上げました。

 

長くなりましたが、前置きはほどほどにして、意見交換会の話に戻します。

意見交換会は初回から盛り上がり、1時間半という短い時間の中でかなり濃い内容の話し合いが行われました。

下記に意見交換された内容を簡単にまとめたものに私の考えを付記したものを記します。

■企業側の意見・要望
・企業としてはある程度「売れると確信できる」ものでないと投資は難しい
・学校側から「こういうのを作って欲しい」と言われても、そのアイディアが面白いのか、売れるのか、が分らない
・実際のユーザ(この場合一般消費者)の意見を取り込める仕組みが欲しい(テストマーケティングが容易にできる仕組み)

⇒企業側の意見の中心は、どうすれば開発した商品が売れるのか、といった点に多くの議論が集まりました。資金的に余裕のある会社など少ないので当たり前かもしれませんが、商品開発の一連のスキームの中にマーケティングという要素をどのように補填するのか、これこそが企業側が参加する際の大きなポイントになると感じました。

■学校側の意見・要望
・学校側から提供出来るものは沢山ある、例えば研究室の設備や人手(学生)が無料で利用できる
・教授のお墨付きやうんちくをもらう事で売れる可能性を高められる(ブランドUP)
・うまくいけば研究室の予算が使える

⇒今まであまり大学教授の方と腰を入れて話をしたことがなかったので、協力意欲の強さに驚きました(もともと意欲の高い方にお声がけしたので当然かも知れませんが)。教授は学校側を上手く利用して欲しいというスタンスで、学生の教育につながる良い機会をつくりたい、といったお考えを強くお持ちでした。協力意欲の高い教授の方のネットワークを築ければ何でも出来るのではないかと感じるほどでした。

■利益以外のメリットを考える
・CSRとしての取組(学生と絡めば社会教育の意味合いを持つ)
・企業ブランド向上・広報的なメリット
・会社の文脈(理念)と合えば、従業員のモチベーションアップにつながる

⇒商品開発の取組みを行う中で享受することのできる利益以外のメリットにも目を向けるべきではないか、という意見です。確かに、中小企業での製品開発事例は珍しいのでメディアにも取り上げられやすいですし、新しい事にチャレンジすることで従業員のモチベーションアップにつながった企業さんもよく拝見します。ただし、何らかの利益が出るまでは従業員から白い目で見られている経営者の方も多くいらっしゃるのも事実ですが。。

■最終的には人の情熱
・協力者をアレンジすることが大事
・プロジェクトマネジャー的な存在が必要
・最終的には情熱、絶対にやり遂げるという想いが重要

⇒商品開発のスキームや仕組み作りに目が行きがちですが、プロジェクトを進めるのは”人”であり、確実な成果が見えないものに対し情熱を注ぎ、高いモチベーションを保ち続けることがいかに難しく、重要ではないか、という意見です。この意見もごもっともで、完遂する覚悟を持った結束の強いチームを編成する必要があると強く思いました。

■その中でソーシャルメディアをどう活用するか
上記の内容を踏まえ、ソーシャルメディアの活用がこのプロジェクトにどのようなメリットを与えることができるか、考えてみました。

・顧客マーケティングの仕組み⇒ユーザをソーシャルメディアで囲い、グルーピングすることでスピーディかつ率直な意見を頂くことができそう。体にフィットするソファの時と同様、そのまま顧客ロイヤリティを高める事ができれば、売れる可能性を高めることもできる。

・学生との取組み⇒学生はソーシャルメディアを使いこなしている、ソーシャルメディアを議論の場として十分に使える。

・CSRや広報メリット⇒企業のFacebookページから取組の過程や成果物の情報を発信することで、効果を高められる。また、経革広場からも情報発信することで、広く情報を拡散することができる。

・協力者のアレンジ⇒Facebookを活用すれば協力者を効果的かつスピーディに集められる。

・プロジェクトマネージャー⇒Facebookグループ機能の活用により効率的なマネジメントが可能。

・メンバーの情熱⇒情熱を絶やさないためにも日々の意見交換が重要、定期的な会議に加えソーシャルメディア上での活発な意見交換によりモチベーションを維持することができる。

ソーシャルメディアを活用できれば、様々な可能性を膨らませることができそうです。もちろん、この先様々な障害があるかと思いますが、障害の無い方法など有り得ないので、障害を乗り越えられる結束の強いチームを作ることが重要だと思います。そして、その為にはプロジェクトの大義名分を明確にし、メンバーに浸透させる必要があります。

まだまだ走り出しですが、必ず成功させたいプロジェクトの一つです。当プロジェクトに参加したい方は下記からご連絡頂ければ幸いです。

https://keikakuhiroba-mfi.com/contact

プロジェクトの進捗を定期的にブログを通じてご報告させて頂きますので、今後も応援よろしくお願いいたします(^^)

この記事の執筆者
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徳山 正康
テクノポート株式会社 代表取締役

製造業専門のWebマーケティング事業と技術ライティング事業を手がけるテクノポートの代表を務める。「技術マーケティングで日本の製造業に追い風を」を経営理念に、これまでに数名の町工場から一部上場のメーカーまで、累計1,000社を超える製造業を支援し、数多くの企業の経営革新を実現。

グロービス経営大学院(MBA)卒業、(社)日本ファミリービジネスアドバイザー協会 フェロー、(社)Reboot 理事、(社)Glocal Solutions Japan 認定専門家

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