【BtoB】日本とアメリカのWebサイトデザインの比較10選

【執筆者紹介】稲垣 達也
この記事の執筆者
稲垣 達也
【経歴】
テクノポート株式会社「海外Webマーケティング」サービスの責任者
名古屋工業大学大学院 電気機械工学専攻 博士前期課程卒業
同大学 機械工学科卒業

【保有資格】
TOEIC L&R:990/990、英検一級:合格、TOEFL iBT:108/120
稲垣 達也 が執筆した他の記事をみる

テクノポート株式会社の稲垣です。
BtoB企業向けの「海外向けWebマーケティング」サービスの責任者を務めています。

この記事では、アメリカ企業と日本企業のWebサイトの違いを、5つの実例を用いて紹介します。

【2024年最新】調査レポートのご案内
BtoB企業の
海外向けマーケティングに関する
実態調査
資料イメージ

【調査期間】 2024年1月22日〜1月23日
レポートの詳細はこちら


調査の観点

今回は主に以下の4つの観点からWebサイトの違いを調査します。

調査項目 具体的な調査内容
訴求方法 ・Webサイトがアピールする重点はどこに置かれているか?(例:製品、サービス、顧客)
・Webサイトにおける製品のアピール方法に違いはあるか?
配色 ・Webサイトのメインカラー、差し色はどうなっているか?
レイアウト・情報量 ・Webサイトに掲載されている情報量、情報のレイアウトの特徴は?
その他 ・上記以外での特徴は?

Webサイトの日米比較10選

今回はBtoB企業のWebサイトを日米の順に、業界別で紹介します。それぞれのWebサイトの特徴を上述した4つの調査項目で評価しました。

1. 半導体企業

1-1. キオクシア(日本)

参照:キオクシア株式会社 ホーム | KIOXIA – Japan (日本語)

調査項目 具体的な調査内容
訴求方法 ・シンプルで無駄のないデザイン
・テキストベースの説明(画像は必要に応じて適宜使用)
配色 ・白を基調
・メリハリのある色使い
レイアウト・情報量 ・情報が見やすくきれいに整理
・図解も使用し丁寧で分かりやすい
その他 ・法人向けと個人向けの製品でグローバルメニューを区分

1-2. intel(アメリカ)

intel

参照:Intel | Data Center Solutions, IoT, and PC Innovation

調査項目 具体的な調査内容
訴求方法 ・クールで洗練されたイメージ
・製品の高性能、高速、といった機能を数値で訴求
配色 ・青、グレー、紫、黒系の落ち着いた色
レイアウト・情報量 ・テキストは多いが長文は少なく、シンプルで読みやすい
・各製品の仕様に関する必要なデータがWeb上で可能(カタログダウンロードの必要なし)
その他 ・Webサイトを閲覧開始して数分後にWebサイト評価への協力を求めるポップアップが出現する
・製品同士の比較機能あり

2. 建設機器

2-1. 小松製作所(日本)

参照:小松製作所 – 建設機械のコマツ

調査項目 具体的な調査内容
訴求方法 ・会社のビジョン(環境保護、教育への貢献)が全面に押し出されている
配色 ・白が基調
・清潔感のある印象
レイアウト・情報量 ・字が大きくシンプルで分かりやすい
・画像も大きさに余裕を持って配置されゆとりがある
その他 ・事業内容のページ構成が全て統一されており非常に見やすい
・製品の詳細情報をクリックすると、カスタマーサポートサイトへ飛ぶ

2-2. CATERPILLAR(アメリカ)

参照:Caterpillar | Caterpillar

調査項目 具体的な調査内容
訴求方法 ・ダイナミックで力強いイメージ
・製品と同じくらい働く社員の姿が出てくる
配色 ・白が基調
・コーポレートカラーの黄色が差し色
レイアウト・情報量 ・文字は小さく画像が主体
・文字を読まなくても直感的に分かりやすいレイアウト
その他 ・製品の詳細情報をクリックすると、製品情報サイトへ飛ぶ

3. 工作機械

3-1. DMG森精機(日本)

参照:DMG MORI

調査項目 具体的な調査内容
訴求方法 ・シンプルかつ近未来的な印象
・高性能かつ最先端、というイメージが強く伝わる
配色 ・白と黒が基調
レイアウト・情報量 ・文字は小さく画像が主体
・シンプルで無駄がない
・文字を読まなくても直感的に分かりやすいレイアウト
その他 ・各製品のページ閲覧回数とお気に入り登録数が確認可能
・加工ノウハウ/ナレッジがグローバルメニューの左端に配置されている

3-2. HURCO(アメリカ)

参照:CNC Machines | Machines Tools | Hurco CNC

調査項目 具体的な調査内容
訴求方法 ・クールで重厚感のあるイメージ
配色 ・黒と水色が基調
・製品情報ページは白が基調
レイアウト・情報量 ・文字は小さく文章による説明が主体
その他 ・ページによって基調となる色が分けられている

4. 産業用ロボット

4-1. ファナック(日本)

参照:ファナック株式会社 (FANUC CORPORATION)

調査項目 具体的な調査内容
訴求方法 ・分かりやすく柔らかいイメージ
・丸みを帯びたフォント、アイコン図も使用
配色 ・黄色と白が基調
レイアウト・情報量 ・文字による説明は最小限に抑えられている
・どのページも情報が整理されており見やすく分かりやすい
その他 ・画像と同じくらい動画による説明が豊富

4-2. Boston Dynamics(アメリカ)

boston dynamics

参照:Boston Dynamics | Changing Your Idea of What Robots Can Do

調査項目 具体的な調査内容
訴求方法 ・動画を活用し製品が活動している様子を視覚的に訴求
・イメージ画像、動画、イラストが豊富
配色 ・白、青、黒が基調
レイアウト・情報量 ・スクロール量に沿って流れるような演出が心地よい
・文字量、画像のバランスがちょうど良い
その他 ・ロボットの製品情報はサイト上に掲載なし(コンタクトに直結)

5. 医療機器

5-1. オリンパス(日本)

olympus_jp

参照:オリンパスグループ企業情報サイト

調査項目 具体的な調査内容
訴求方法 ・清潔感がありきれいに整理されたイメージ
・安心感を与えるイメージ
配色 ・白と紫が基調
レイアウト・情報量 ・各ページがコンパクトに情報が整理されており見やすい
・文字は少なく説明がシンプルで分かりやすい
その他 ・製品情報は医療従事者向けサイトにて掲載

5-2. Johnson & Johnson(アメリカ)

参照:Homepage | Johnson & Johnson

調査項目 具体的な調査内容
訴求方法 ・情報提供がメイン(製品、サービスが全面に押し出されていない)
・顧客との関係性を大事にしているイメージが伝わる
配色 ・白が基調
レイアウト・情報量 ・情報コラムが圧倒的に多い
その他 ・一般の消費者にも役に立つ情報が豊富

海外向けWebサイト制作

番外編

今回調べた日本企業の中でも、アメリカ法人と日本法人のWebサイトに別々のデザインを導入している企業を2社紹介します。

DMG MORI(アメリカ)

参照:DMG MORI USA – CNC machine tools for all cutting machining applications

日本法人Webサイトとの違い

  • 画像が大胆に配置され、躍動感があるイメージ
  • 情報コラムがアクセスしやすい位置に配置され、一般の消費者も意識したレイアウトを採用
  • 各ページの情報はきれいに整理され、非常に分かりやすい

OLYMPUS America(アメリカ)

参照:Olympus Corporation of the Americas | Olympus

日本法人Webサイトとの違い

  • 画像が大胆に配置され、ダイナミックなイメージ
  • 製品よりも働く人、顧客に焦点が当たっている
  • 文字が大きくシンプルで分かりやすい

調査結果

今回の日米Webサイト比較で得られた知見をまとめます。

  日本 アメリカ
訴求方法 ・清潔感がありシンプル
・情報がきれいに整理されており分かりやすい
・製品・企業が中心で、人が登場するシーンはアメリカのWebサイトに比べると少ない
・業界によって訴求の方法に特徴が出る(力強いイメージ、クールで洗練されたイメージ)
・製品に加えて、働く人、顧客の顔写真を使用するサイトが多い
配色 ・白が基調
・コーポレートカラーを差し色として使用
・白が基調
・コーポレートカラーをメインカラーとして大胆に使用するサイトもあり
レイアウト・情報量 ・文字による説明はシンプルに必要最小限に抑えられている ・直感的に分かりやすい説明と、文字による詳細な説明部分が分かれている

まとめ

今回は、アメリカのWebサイトと日本語Webサイトの違いを調査し、その結果を比較しました。個人的な感覚ではもっと違いがあるのかと思いましたが、予想していたほどの明確な特徴の違いはありませんでした。

どちらかというと、日本企業のWebサイトがアメリカのそれに近づいてきている印象があります。調査の結果から得られた知見を、外国語Webサイト制作時に役立てていただければ幸いです。

弊社(テクノポート株式会社)では、製造業向けに「海外向けWebサイト制作」サービスを行なっております。
壁打ち相談会(30分)」も実施していますので、お気軽ににお声がけいただければ嬉しく思います。

【2024年最新】調査レポートのご案内
BtoB企業の
海外向けマーケティングに関する
実態調査
資料イメージ

【調査期間】 2024年1月22日〜1月23日
レポートの詳細はこちら


この記事の執筆者
稲垣 達也
【経歴】
テクノポート株式会社「海外Webマーケティング」サービスの責任者
名古屋工業大学大学院 電気機械工学専攻 博士前期課程卒業
同大学 機械工学科卒業

【保有資格】
TOEIC L&R:990/990、英検一級:合格、TOEFL iBT:108/120
稲垣 達也 が執筆した他の記事をみる

関連記事