デジタルマーケティングで解決できる製造業の5つの課題

テクノポートの徳山です。今回はデジタルマーケティングで解決できる製造業の5つの課題について解説します。この記事を読んでいただくことで、「自社が抱えている課題をデジタルマーケティングによってどのように解決していけるのか」を理解していただくことができると思います。

一口にデジタルマーケティングといっても施策は多岐に渡ります。デジタルマーケティングの領域は下図のように非常に幅広く、どの施策を進めるのかによって得られる効果は変わってきます。本記事では、現在抱えているマーケティング課題に合わせて、採るべき最善の施策と、その施策をどのように進めていくことで課題解決につなげていくのかについて解説します。

デジタルマーケティングの領域と解決できる課題

デジタルマーケティングの施策と解決できる課題

【執筆者紹介】徳山 正康
この記事の執筆者
徳山 正康
テクノポート株式会社 代表取締役

製造業専門のWebマーケティング事業と技術ライティング事業を手がけるテクノポートの代表を務める。「技術マーケティングで日本の製造業に追い風を」を経営理念に、これまでに数名の町工場から一部上場のメーカーまで、累計1,000社を超える製造業を支援し、数多くの企業の経営革新を実現。

グロービス経営大学院(MBA)卒業、(社)日本ファミリービジネスアドバイザー協会 執行役員、(社)Reboot 理事、(社)Glocal Solutions Japan 認定専門家
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課題1.新規顧客の獲得単価を下げる

マーケティング予算が限られる製造業にとって、新規顧客獲得に要する単価は可能な限り下げたいものです。ここでは、デジタルマーケティングにおけるさまざまな施策の中から、顧客獲得コストを最も引き下げたい場合に採るべき施策について解説します。

以下のような課題を持つ製造業者におすすめ

  • 既存顧客からの売上が徐々に減ってきており、新規顧客獲得の必要性に迫られている
  • マーケティング予算が限られており、なるべく効率よく新規顧客獲得を実現したい
  • 展示会など既存の顧客獲得手法だけでは目標とする顧客獲得数を達成できない

新規顧客単価を下げるための手法

これからデジタルマーケティングに力を入れていく製造業は、明らかに後発となってしまうため、競合性の高い市場に身を置いても勝機を見出すことは難しいです。そんな状況下で成果を上げるためには「購買フロー後期段階のユーザーを狙う」ことが重要となります。

購買フロー後期段階のユーザー

決められた予算の中で慎重に購買活動が行われるBtoBの顧客にとって、購買活動は以下のようなフローで行われるケースがほとんどです。効率的に新規顧客獲得を行いたい場合、購買フローの後期段階のユーザーにターゲットを絞り集客することができる、SEO対策やリスティング広告を中心にマーケティングを進めていくことをおすすめします。

新規顧客の獲得単価を下げる場合のアプローチ方法

  • 他の営業手法よりも高い費用対効果を目指すために、なるべくターゲットを細かく絞る
  • 購買フローの後期段階のユーザーが使用する検索キーワードにターゲットを絞り、対策を行う
  • 具体的な施策としては、SEO対策やリスティング広告で購買フローの後期段階のユーザーへのアプローチ

課題2.ブランディングを向上させる

BtoBのビジネスモデルが中心の製造業にとって、自社の知名度を高める機会になかなか恵まれず、ブランディングに課題を置いている企業も少なくないと思います。ここでは、どうやって自社の知名度を上げ、自社のブランディングを高めるためにデジタルマーケティングを進めていけばいいのかについて解説します。

自社の知名度を上げるメリットとして、潜在顧客へのリーチが挙げられます。潜在的なニーズを持つユーザーのニーズが顕在化したタイミングで第一想起される会社になることができれば、中長期的に新規顧客獲得につなげることができます。

以下のような課題を持つ製造業者におすすめ

  • 顕在ニーズを持つ見込顧客の獲得は十分にできている
  • 顧客の母数を増やすために潜在見込顧客へのアプローチを行いたい
  • 潜在見込顧客のニーズが顕在化したタイミングで第一想起される会社を目指したい(〇〇と言えば「△△(会社名)」という状況を作り出す)

ブランディングを高めるための手法

ブランディング(第一想起される会社)を目指すためのアプローチは課題1の「新規顧客の獲得単価を下げる」場合とは真逆となります。すぐに顧客化できる購買フロー後期段階のユーザーをターゲットとするのではなく、初期段階の「まだニーズが潜在的なユーザー」をターゲットに設定します。

購買フロー初期段階のユーザー

潜在ユーザーが情報収集する際に役立ちそうなコンテンツを企画して情報発信することで、少しずつ自社の認知度を高め、いざ「ニーズが顕在化したタイミング」で第一想起される会社になることができれば、競合他社を出し抜き一番最初にお声がけいただけるでしょう。

自社のブランディングを高めたい場合のアプローチ方法

  • 購買フローの初期段階のユーザーにターゲットを絞り、関心を持つコンテンツを企画・制作する
  • コンテンツマーケティングやSNSマーケティングを使い情報を発信することで、ユーザーを囲い込む(資料DLなどでリード化したり、SNSのフォロワーにする)
  • 囲い込んだユーザーにメルマガなど定期的な情報発信を行い、少しずつ自社の認知度を高めていく

課題3.技術の用途開発

同じ技術を同じ市場へ提供し続けると、市場の成熟化や競合企業の増加により、技術の提供価値がどうしても下がっていってしまいます。そのような状況を打破する手法として、既存技術を異なる市場へ展開する「技術の用途開発」があります。技術の用途開発をデジタルマーケティングの中で実現していくための手法について解説します。

以下のような課題を持つ製造業者におすすめ

  • 特定の業界で一定以上のシェアを獲得している
  • 同じ技術を同じ市場に提供し続けたことで技術の価値(売値)が下がっている
  • 既存技術を違う分野へ用途開発を行い、技術を高く買ってもらいたいと考えている

技術の用途開発を実現するための手法

用途開発マーケティングの難しさは、一般的なマーケティングとは進め方が大きく異なる点にあります。一般的なマーケティングでは、初めに顧客ターゲット(ペルソナ)を設定することがほとんどです。しかし、このやり方だと確実にターゲットに情報が届きやすいというメリットはありますが、ターゲット外のユーザーには情報が届きづらく、あくまで自社で想定できている用途に開拓できる顧客が留まってしまいます。

自社でも想定できていない技術の用途ニーズを持つ顧客を開拓するには、さまざまな分野の技術者に満遍なく自社の技術を知ってもらう必要があります。そのためには、まず技術をMFTフレームワークなどを使い要素分解します。それからWebコンテンツを制作し情報発信することで、さまざまな角度から情報探索する技術者へ、満遍なく技術情報を知ってもらう機会を見出すことができます。

技術の用途開発を実現するためのアプローチ方法

  • MFTフレームワークなどで技術を要素分解する
  • 分解した要素ごとに検索需要を調査し対策する検索キーワードを決める
  • 検索キーワードで上位表示できるようなコンテンツを制作

用途開発マーケティングの進め方

用途開発マーケティングについては以下の記事もご覧ください。

課題4.既存リードの掘り起こし(顧客化)

デジタルマーケティングが定着する前の製造業の顧客開拓手段として最も主流なのは「展示会の出展」でした。しかし、展示会で獲得できる名刺のうち、すぐに商談に持っていけるのは1割にも達しないというデータもあり、大半を顧客化できずに終わってしまうケースがほとんどです。

しかし、展示会の開催中もしくは会期終了直後に商談化できなかった見込顧客でも、展示会に来場した当時はニーズが潜在的であったものの、時間が経つにつれニーズが顕在化して商談化できる機会が訪れることがあります。そのようなタイミングを逃さずに既存リードを顧客化することも、デジタルマーケティングで実現できます。

以下のような課題を持つ製造業者におすすめ

  • これまでに営業活動で獲得した名刺情報が活用できていない
  • 展示会出展の費用対効果を最大化したい
  • 所有しているリード情報を活用し新たな顧客を開拓したい

既存リードを顧客化するための手法

ニーズが潜在的なユーザーに対し、自社の製品・技術に興味を持ってもらい商談化するためには、ニーズが潜在的なユーザーへ役立つコンテンツやニーズを育成するようなコンテンツを制作し、定期的にメールマガジンなどで情報を配信していきます。

この際にマーケティングオートメーションを使えば、どのリードがメールマガジンを開封してくれたのか、製品紹介ページへアクセスしてくれたのか、資料をダウンロードしてくれたのかなどが可視化されスコアリングされます。スコアの高まったタイミングで営業マンから直接リードへアプローチを行えば、効率よく商談化することが可能です。

既存リードを顧客化するためのアプローチ方法

  • マーケティングオートメーションツールを使い、名刺情報をデジタル化
  • リードに対し定期的にメルマガなどで定期的に情報発信
  • 資料ダウンロードやリードスコアが高まったタイミングで営業マンから直接アプローチ

課題5.既存顧客のフォロー

これまでにご紹介した課題は「新規顧客の獲得」に関わるものばかりでしたが、既存顧客からの取引量を最大化させるための手段としてもデジタルマーケティングは活用できます。社歴の長い製造業者ほど、営業の中心が既存顧客のフォローである場合も少なくないと思います。しかし、コロナ禍によって対面営業が難しくなり悩んでいる企業も多いのではないでしょうか。

そんな既存顧客フォローを効率化する手段として、デジタルマーケティングをどのように活用するのかについて解説します。

以下のような課題を持つ製造業者におすすめ

  • 営業リソースが少なく既存顧客のフォローが十分にできていない
  • 既存の顧客フォローの方法だと属人的で営業マンによる生産性の偏りが大きい
  • コロナ禍になり、既存顧客への定期的な訪問フォローができなくなった

既存顧客のフォローをデジタル化するための手法

長年に渡り取引を行っている既存顧客であったとしても、自社が取り扱っている製品・技術すべてを知っているとは限りません。まずは自社の取り組みを幅広く認知してもらうためにもメールマガジンなどで定期的な情報発信を行いましょう。

既存顧客営業で大きな成果を挙げる営業マンの共通点として「顧客の買い気をつかむのが上手い」ということが挙げられるかと思いますが、これをマーケティングオートメーションツールの活用により実現していきます。

マーケティングオートメーションツールを使い、顧客の興味関心をスコアリングすることで、これまでは目に見えなかった顧客の買い気を可視化し、顧客フォローに要するコストを下げるとともに、営業マンによる生産性の偏りを減らすことができます。

メールマガジンなどで定期的な情報発信を行うとともに、ウェビナーを開催したり展示会出展などの告知をしたりして、直接コミュニケーションが取れる機会を作り出すのも効果的です。

既存顧客フォローをデジタル化するためのアプローチ方法

  • マーケティングオートメーションツールを使い、顧客情報をデジタル化
  • 既存顧客向けに定期的にメルマガなどで情報発信を行う
  • 新製品・技術の資料をダウンロードしたタイミングやリードスコアが高まったタイミングで担当営業からフォロー

以上、参考になりましたでしょうか。テクノポートでは、お客様の課題に合わせて最適なデジタルマーケティング施策を考え、施策実行までお手伝いすることが可能です。今回の記事で取り上げた課題でお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

この記事の執筆者
徳山 正康
テクノポート株式会社 代表取締役

製造業専門のWebマーケティング事業と技術ライティング事業を手がけるテクノポートの代表を務める。「技術マーケティングで日本の製造業に追い風を」を経営理念に、これまでに数名の町工場から一部上場のメーカーまで、累計1,000社を超える製造業を支援し、数多くの企業の経営革新を実現。

グロービス経営大学院(MBA)卒業、(社)日本ファミリービジネスアドバイザー協会 執行役員、(社)Reboot 理事、(社)Glocal Solutions Japan 認定専門家
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