BtoB製造業の「ブランディング」 優良顧客獲得には”技術×姿勢”でアピールを最適化

【執筆者紹介】大後裕子
この記事の執筆者
大後裕子
会社名:C-OILING合同会社
役職:代表 ブランディングコンサルタント
執筆テーマ:製造業のブランディング

【経歴】
ブランディングを主軸に、生活用品メーカーで7年間企画職に従事の経験から、企画立ち上げから海外工場との商談、販促まで商品開発のゼロから一貫して行い、開発商品点数累計約1,200点。
開発商品は各種TV、雑誌など各種メディアに取り上げられる実績あり。
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今回は、不安定な状況が続く現代で、企業が利益を確実に上げていく企業価値のアピール方法についてお話ししていきます。原油高が急速に進み、燃料・原材料価格の高騰が続く中で、企業は今まで以上に利益を確保することが求められています。こんにちは。誇りある技術を持つ企業がシナジーを起こすブランディングC-OILING合同会社(シーオイリング合同会社)代表の大後 裕子(だいご ひろこ)です。

製造業にとって、原材料費価格変動は会社の業績に直結します。しかしこの変動のビッグウェーブはいつ訪れるか、もしくは立て続けに訪れる可能性もあります。

  1. コストカットして値上げをせずにやり過ごす。
  2. 原材料費の値上げについて先方に説明する。
  3. 自社の知識や対応力もトータルで評価してくれる”優良顧客”と繋がる。

いかがでしょうか?もちろん1は現実的ではありません。2も1回目の説明はスムーズに進んでも2回目・3回目の値上げの際に関係が途絶えてしまう可能性もあります。そこで、私たちが今からできる対策として『3自社の知識や対応力もトータルで評価してくれる”優良顧客”と繋がる。」という考え方があります。

BtoB企業に取っての「優良顧客」とは何か

まず先に「優良顧客」について、ここでの定義をしておきます。

【優良顧客の定義】

  1. 御社の技術を信用して仕事を依頼してくれる。
  2. 長く付き合いができる。
  3. 発注者、受注者が対等な関係と捉えている。
  4. 業界知識やリテラシーがある。

いかがでしょう?多くの人が考える良い会社の定義として、自社の事業だけを伸ばすのではなく、業界に対しての自社ができることを考えられる企業ではないでしょうか?そして、自社でもこういった顧客とつながることが多ければ、経営面でも精神面で安定を獲得できるイメージができますよね。

自社の技術を”15秒”で説明できますか?

「優良顧客」を含め、多くの人は一度に多くの情報を受け付けることができません。会社のアピールを最適化するために、伝える情報を「15秒に厳選する」という方法があります。
15秒というと、約60文字くらい喋ることができます。感覚として短いテレビCMと同じ長さ(番組提供枠のCMは30秒)だと覚えておくと良いでしょう。

製造業では市場ニーズから、技術の横展開をしていった結果「自社の核となる技術」の存在が薄れてしまったり、対応可能な技術の全てを伝えようとするケースがあります。しかし、人が一度に聞き取れる情報、さらには記憶しておける情報はとても少ないのです。伝えるべき情報を厳選し、繰り返し伝える方が、受け取る相手にとって印象に残りやすいのです。

自社の姿勢を”開示”していますか?

この記事を読んでいるあなたは、「価格」や「短納期」だけで自社を選んで欲しくはないと思っているのではないでしょうか?製造業の技術は一朝一夕で獲得できない、”価値あるもの”です。だからこそ「安く買う」を目的にした顧客から目をつけられてしまうことは危険です。

そういった危険な顧客から目をつけられず、「優良顧客」を惹きつけるためには、会社として開示しておかなければいけない情報があります。それは「自社の姿勢」です。

【例】

  • 精度に自信がある
  • 多品種小ロットに自信がある
  • 企画から相談に乗れる

同じ技術カテゴリーの競合他社でも、技術習得にはそれぞれ”背景”があります。そしてその背景は、創業時期・地域・社長の個性などから、1社1社全く違います。

実は、「優良顧客」にとって、同じ技術カテゴリーから自社のパートナーとなる企業を探すのは実は重労働なのです。そこで、あなたの会社が「どのような技術」×「どのような姿勢」であるかを意識的に開示することができれば、「優良顧客」の目に留まりやすい状況を作り出すことができるのです。

”技術×姿勢”でアピールを最適化

「優良顧客」も目まぐるしい時代の変化の中で、自社の成長を支えるパートナーを探しています。その上で、あなたの会社が持つ幅広い技術の中でも「核となる技術」と、その技術を裏付ける「自社の姿勢」を意識的に提示することは必須です。対面でもネット上でも漏れることなく、自社の知識や対応力もトータルで評価してくれる優良顧客と繋がるアピールの最適化を行いましょう。

この記事の執筆者
大後裕子
会社名:C-OILING合同会社
役職:代表 ブランディングコンサルタント
執筆テーマ:製造業のブランディング

【経歴】
ブランディングを主軸に、生活用品メーカーで7年間企画職に従事の経験から、企画立ち上げから海外工場との商談、販促まで商品開発のゼロから一貫して行い、開発商品点数累計約1,200点。
開発商品は各種TV、雑誌など各種メディアに取り上げられる実績あり。
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