製造業のWeb担当者必見、購買担当者はWebサイトのここを見ている

はじめまして、産業機械メーカーで開発業務に従事しながら、技術系Webライターとして活動している大城です。

自社Webサイトの改善を試みているが、どこを改善すれば成約に繋がるのかわからず悩んでいませんか?発注を担う購買担当者の立場になってみると、マーケティングを成功させる秘訣が見えてきます。本記事では、購買担当者が新たな外注先を検討する際に、Webサイトを見るポイントをご紹介します。

購買担当者がインターネットの検索で新たな外注先を探すことが増えている

コロナ禍をきっかけに非対面志向が広がり、オンラインでの営業が浸透する中、購買担当者がインターネットの検索で新たな外注先を探すことが増えています。

また、各社Webマーケティングの強化意識が強くなってきており、発注を決めるために必要な情報収集はある程度Webサイトで行う認識が広がっています。

インターネットの検索時にどのようなキーワードで探すか

購買担当者の役割は、適切な「価格」「納期」「品質」を確保した発注先を選定することです。例えば、鋳物メーカーを探している場合の実例は以下の通りです。

まず、検索窓に「鋳物」を入力します。続いて、以下のキーワードを入力します。

  • 価格に関するキーワード:コストダウン 原価低減 適正な価格
  • 納期に関するキーワード:短納期 納期短縮 納期遵守 特急
  • 品質に関するキーワード:高品質 品質向上 品質管理

これらのキーワードを入力する背景には、次のようなメーカーを探している購買担当者の意図が伺えます。

  • 価格:価格の内訳を開示してくれて、原価低減の提案をしてくれる
  • 納期:納期に柔軟に対応できる
  • 品質:品質管理体制がしっかりしている

以上の情報を掲載したWebサイトを構築することで、購買担当者の目に留まりやすくなり、取引成約につながる可能性が上がります。

製造業のWebサイトを見るポイント

購買担当者が新たな発注先を探す動機としては、設計からの依頼で、新たな技術に対応できるメーカーを探すほか、既存メーカーの生産中止などにより、代替メーカーを探すケースがあります。

ここでは、代替メーカーを探す場合を想定して、購買担当者が製造業のWebサイトを詳細に見るポイントを、以下の3つに分けて説明します。

1.製造業のWebサイトを見る際に最初に必ず見るところ

まず、Webサイトで最初に必ず見るところは、次の4つです。

1.主な取引先

取引先が分かれば、その企業から信頼を得ていると捉えることができます。

2.拠点

事業所の場所が分かれば、災害発生を考慮したリスク分散がしやすくなります。

3.ロット数の情報があるか

発注側が扱っている製品の生産台数に合ったロット数であれば、発注先に決まりやすくなります。

4.納期

具体的な納期の記載があるのが望ましいですが、主に納期を遵守できるか?納期に柔軟に対応できるか?という観点で見ています。

2.この情報が載っていないと土台に上がらないという情報

購買担当者が発注を決める上で、「何をやっているメーカーか?」を見るのはもちろんですが、この情報が載っていないと検討対象にならない情報があります。

  • 会社情報

会社情報で主に確認する項目は「資本金」です。発注元と発注先の資本関係が下請法の対象になるかどうかを確認します。

  • 品質面

品質面では、品質管理の体制や資格を持った検査員が検査しているか、工程管理の方法が提示できるか、などをチェックしています。

  • 信頼性

信頼性では、例えばJISなどの規格で規定されている部品であれば、JISの試験内容を実施していることや、使用条件が明確になっていてその根拠に耐久試験を行っている情報があると、より信頼性への説得力が増してきます。

  • 汎用性

汎用性については、その企業でしかできない技術は強みとなる反面、購買担当者としては適正な価格交渉がやりづらいと捉える可能性があります。他社と同じ製品が作れて、コストメリットをアピールできる記載があると望ましいです。

3.製造業のWebサイトを見る際にこの情報があると助かるというポイント

さらに、以下のような情報があると購買担当者は発注先の候補に絞りやすくなります。

  • 原価低減

購買担当者は、できるだけ安い価格に決めたいと思っています。このとき、材質や加工精度の変更など、原価低減の事例が載っていると有利です。

  • 材料

加工メーカーの場合、丸棒やチャンネル材など、どの素材寸法を調達しているかわかれば、インターネットを見た時点で発注できそうか判断がつきます。

  • 設備の情報

板金メーカーの場合、ベンダーやタレットパンチプレスだけではなくレーザー加工機も備えていれば、厚板の板金も加工ができると把握できます。

  • 加工の範囲

例えば、回転体を鋳物で製作する部品は、鋳物の他、加工とバランス作業が必要です。それぞれ別の外注先に発注するような部品でも、全て対応できる企業であれば、購買担当者の負担を減らせるので、有利です。

  • 納品後の対応

受け入れ検査で仮にNGになったとしても、代替品を即座に納めるなど、迅速に対応してくれる実績があると量産品として採用される可能性が高くなります。

実際の事例

ここからは、テクノポートがサポートしたメーカーで、購買担当者の視点をおさえてWebサイトをうまく作った企業を1社紹介します。

荒川技研 株式会社

荒川技研はプラスチック加工による試作モデルを製作しているメーカーです。切削加工の他、真空注型、3Dプリンタにも対応しています。トップページには、「試作のスペシャリスト」をキャッチフレーズに、少量から対応可能、特急対応、安定品質など、購買担当者へ訴求できるような情報を掲載。

品質面では、三次元測定機などの測定設備を掲載し、品質管理をアピールしています。

価格、精度、ロット数、納期からおすすめの加工方法が一目で分かり、購買担当者が問い合わせする手間をできるだけ省いた工夫がされています。

まとめ

本記事では、購買担当者がWebサイトで外注先を決めているポイントについて紹介しました。購買担当者としては、モノが作れるかどうかだけではなく、納期面、価格面、品質面で要求に対応できるかどうかを重視しています。購買担当者をターゲットにする場合は、今回紹介したポイントを参考に自社の強みを整理していきましょう。

購買担当者をターゲットにしたWebサイトの改善を検討される場合はぜひテクノポートにご相談ください。

この記事の執筆者
technicalwriter

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