Webマーケティングへの社内理解が得られない理由とその対処法

【執筆者紹介】太田真琴
この記事の執筆者
太田真琴
フリーランス特許翻訳者、技術・理学系ライター
執筆テーマ:IT関係、製造業関係、理学関係(化学、物理、バイオなど)

【経歴】
化学系大学院を卒業後、組込みエンジニアとしてソフトウェアやハードウェアの開発に従事。その後、開発も面白いけれど技術を伝える仕事もしてみたいと思い立ち、フリーランス特許翻訳者として独立。現在はライターや技術リサーチャーとしても活動。雪国で2児の子育て中。
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技術・理学系ライターであり、特許翻訳者、技術リサーチャーとしても活動している太田です。近年、製造業の企業の中にもWebマーケティングを導入する企業が増えてきています。

自社技術に関連のあるオウンドメディアの作成、自社ホームページのコンテンツ充実、各種SNSの運用などにより、自社の知名度アップや外部からの問い合わせ増に成功している企業も多いようです。

一方、Webマーケティングの効果を知って「うちの会社にも導入したい!」と思っても、社内からの理解が得られず導入を進められない場合もあるでしょう。これまでWebを活用してこなかった企業でWebマーケティングを始めるのは、なかなかハードルが高いことです。

今回の記事では、「Webマーケティングの導入に関して社内理解が得られない主な理由」と「その対処法」をご紹介します。本記事を読んで実践すれば、社内でのWebマーケティング導入がスムーズに進むはずです。

「Webマーケティングの導入に関して社内理解が得られない理由」と「その対処法」

これからの時代には必須ともいえるWebマーケティング。なぜ社内での理解が得られないのでしょうか?その理由と対処法を以下に示します。

理由1:上司や経営層がWebマーケティングの必要性を感じていない

会社によっては上司や経営層がWebマーケティングの必要性を感じていないため、導入に踏み切れない場合があります。実際、BtoB企業のマーケティング担当者を対象とした調査では、Webを活用した顧客実施施策を実施する際に足りないものとして「上司・経営者の理解」が上位に挙がっています。

対処法1:製造業においてもWebが有力なツールとなっていることを伝える

上司や経営者を説得するには、製造業におけるWeb集客の有効性を伝えるのが効果的です。製造業の営業手段としては従来、対面型の展示会や訪問営業が主流でした。しかし新型コロナウイルスの流行でほとんどの展示会が中止となり、訪問営業もほぼ不可能に。その結果、Webで情報収集を行う顧客が増えてきています。

実際、BtoB製造業の営業担当者や販促担当者を対象に実施した調査では、「一番商談につながる割合が高いのはどこからの問い合わせか」という質問に対して58.0%の企業が「ホームページからの問い合わせ」と回答しています。また同調査によると、コロナ禍の影響で半数以上の企業がホームページの見直しを実施または予定しているようです。

このように、現在は製造業においてもWebの活用が必要不可欠です。この現状を上司や経営者に伝えるといいでしょう。

理由2:導入後の具体的なイメージが湧いていない

社内理解が得られない2つめの理由は、社内の人々がWebマーケティング導入後の変化を具体的にイメージできていないことです。

一般社員は通常、Webマーケティングに関する知識をほぼ持っていません。そのため、Webマーケティングにどの程度の効果があるかわからず、「導入しても意味がないのではないか」「他社では効果が得られたとしても、自社で効果が得られるとは限らないのではないか」と考えることもあるのです。

対処法2:Webマーケティングの基礎知識を伝えた上で、受注目標数や想定される成果を数値化して提示する

このような場合、Webマーケティング導入による変化を具体的に数値で示すのが効果的です。最初にWebマーケティングの基礎知識を説明した上で、自社で具体的に取ろうとしている施策(オウンドメディア構築、SNS運用など)を伝えます。その後、想定される成果(受注目標数、海外からの問い合わせ数、SNSのフォロワー数など)を数値化して提示しましょう。

根拠に基づいて具体的な数値を示せば、一般社員にWebマーケティングの成功イメージを伝えることができます。

数値化にあたっては、Webマーケティング会社の事例が役立ちます。「Webマーケティング 事例」などで検索するとさまざまな事例がヒットするので、参考にしてください。

理由3:コストを懸念している

Webマーケティングにかけるコストがなく、導入を渋られるケースもあります。確かに、新しいWebサイトを1から設計して作成する場合にはそれなりにコストがかかるのも事実です。

対処法3:スモールスタートとしてはじめる

コストが問題である場合に重要なのは、「スモールスタート」という考え方です。スモールスタートとは、「小さく始める」「まずはやってみる」ということ。新たな事業を開始する際、最初は機能やサービスを限定し、その後少しずつ規模を拡大していく方法です。Webマーケティングの場合は、いきなり新しいWebサイトを1から制作するのではなく、コンテンツマーケティングを導入したり一部製品ページだけを作成したりしてその効果を検証します。

費用的に可能な範囲から始めて、効果が得られたら少しずつ規模を拡大していきましょう。

理由4:(マーケティングを進めていくための)人員が不足している

Webマーケティングを行う人員が不足しているため、導入を進められないケースもあります。

Webマーケティングを行う際には、基礎知識の学習から実際の導入、サイトやコンテンツの管理など、必要な作業がたくさんあります。これらを既存の業務と並行するのは大変です。Webマーケティングを専門に担当する人材を採用する手もありますが、そこまで踏み切れない企業も多いでしょう。

対処法4:外注をうまく活用する

人員確保が難しい場合におすすめなのは、外注の活用です。マーケティング戦略の立案からWebサイトの設計~作成までを全て外注する手もあれば、記事やデザインなどサイトの一部だけを外注する手もあります。外注にあたっては、製造業Webページの制作経験がある業者に依頼するのがおすすめです。製造業の知識がない業者に頼んだ場合、自社の技術説明や専門用語の説明に時間がかかり、余計な手間が増えてしまう場合もあります。

また、得意分野や対応可能な範囲は外注先によりさまざまです。マーケティング戦略を立てるのが得意な業者もあれば、簡単なサイト制作しかできない会社もあります。外注する際には、外注先の実績を必ず確認しましょう。

まとめ

今回の記事では、Webマーケティングに対する社内理解が得られない主な理由を挙げ、それらの対処法を紹介しました。

理由1:上司や経営層がWebマーケティングの必要性を感じていない
対処法1:製造業においてもWebが有力なツールとなっていることを伝える

理由2:導入後の具体的なイメージが湧いていない
対処法2:Webマーケティングの基礎知識を伝えた上で、受注目標数や想定される成果を数値化して提示する

理由3:コストを懸念している
対処法3:スモールスタートとしてはじめる

理由4:(マーケティングを進めていくための)人員が不足している
対処法4:外注をうまく活用する

新型コロナウイルスの流行も相まって、製造業におけるWebマーケティングの導入は急速に進んでいます。世の中の流れに取り残されずに会社を発展させるためにも、Webマーケティングの導入は非常に重要です。

今回ご紹介した対処法を参考に、ぜひ社内でのWebマーケティング導入を進めてみてください。

この記事の執筆者
太田真琴
フリーランス特許翻訳者、技術・理学系ライター
執筆テーマ:IT関係、製造業関係、理学関係(化学、物理、バイオなど)

【経歴】
化学系大学院を卒業後、組込みエンジニアとしてソフトウェアやハードウェアの開発に従事。その後、開発も面白いけれど技術を伝える仕事もしてみたいと思い立ち、フリーランス特許翻訳者として独立。現在はライターや技術リサーチャーとしても活動。雪国で2児の子育て中。
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