メーカーが新規取引先を探す理由とサプライヤー側の取るべき対応

テクノポートの井上です。Webマーケティングの仕事をしていると、「お問い合わせは増えたけれど、受注になかなか繋がらない」とご相談をいただくことがあります。的はずれな問い合わせであったり、内容は良いけれど受注に至らないなど、受注に繋がらない理由はさまざまです。

今回は、メーカー側の新規発注を探す理由から、サプライヤー側の取るべき対応について紹介いたします。

紹介する内容は、先日オンラインセミナーにてご登壇いただいた、ものづくり商社COSMO ALPHA株式会社の野崎社長のお話をもとにしています。

本記事の内容は弊社公式YouTubeチャンネルでも解説しています。

▶︎動画の目次
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00:00 サプライヤー側(部品供給側)が抱える課題
00:39 メーカー側が新規発注先を探す理由
01:14  理由① コスト削減
01:29  理由② 高技術・異分野の技術
01:47  理由③ 高品質・安定品質
02:07  理由④ 安定供給
02:20  理由⑤ 複数購買によるリスク低減
02:31  理由⑥ 中長期的な継続取引
02:44  理由⑦ トラブル対応
02:52 サプライヤー側(応対側)が取るべき対応
03:04  1. 依頼の背景を知る
03:20  2. 適切な情報提供をする
05:12  3. 後追いをする
05:38 まとめ
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新規発注先を探す理由

当たり前のことですが、メーカー側の通常の発注形態は決まっており、決まった会社に依頼しています。そのため、こちらからアプローチをかけても「頼んでいるところがあるから、そこよりもコストが安くて品質も良いなら考えるよ」程度で、なかなか検討の土俵にのることはありません。

発注先の切り替えには労力がかかり、そこにはトラブルがつきものです。そのため、何かしらの理由がなければ新規サプライヤーを探すことはありません。ではどのような理由で新規の発注先を探すのか、考えられる理由をいくつか紹介します。

  • コスト削減
  • 高技術・異分野の技術
  • 高品質・安定品質
  • 安定供給
  • 複数購買によるリスク低減
  • 中長期的な継続取引
  • トラブル対応

1、コスト削減

新規で発注先を探す理由として、まず思いつくのはこれではないでしょうか?購買・調達部ではコスト削減目標を掲げています。課員の査定項目のひとつに「コスト削減目標の達成率」も含まれている会社もあるため、既存の発注先に削減を求めるだけでなく、今より安い発注先を常に探しています。

2、高技術・異分野の技術

既存の発注先では対応できない場合に、新規で対応できる発注先を探します。技術的に難しい場合や、新製品開発で今まで利用したことのない材質や加工方法が必要になった場合などが考えられます。

3、高品質・安定品質

高い品質を求められる製品において、既存の発注先でその基準がクリアできない場合も、新たに発注先を探す理由になります。また、従来の製品において何か品質に問題があった際に、その問題が頻繁に起こるような場合も新規で発注先を探すことを検討します。

4、安定供給

納期遅れが頻発する場合に、他社への切り替えを検討します。また、今後の増産に備え既存の発注先だけでは難しい場合も新規発注先を探すことがあります。

5、複数購買によるリスク低減

2社購買にすることで、非常時のリスクを低減させます。2社購買は適正価格による仕入れ目的の印象が強いですが、実際に日本の東と西に購買地域を分けているメーカーもあります。

6、中長期的な継続取引

後継者不足の問題から今まで頼めていた仕事が急に頼めなくなるケースです。長く付き合える発注先を探すことが今後は増えてくると思います。新規の発注先選定の基準として長期安定性という視点が出てきています。

7、トラブル対応

「対応が良くない」「対応が遅い」などの理由で新規の発注先を探すケースをよく聞きます。特にトラブル時の対応によって関係性は大きく変わり、それにより新規を検討することがあるようです。

サプライヤー側が取るべき対応は?

メーカー側の心理がわかったところで、実際にそのような会社から新規で問い合わせがあった場合にどうすればよいか、具体的な手法について紹介します。

依頼の背景を知る

新規取引対応

上記のように、技術的に難しい、納期がない、価格が厳しい、既存の会社がキャパオーバーなど、お客様からの新規依頼にはさまざまな理由が考えられます。その背景をしっかり理解した上で検討・見積もりをしなければ、お客様の要望に合った提案はできません。「既存の取引先には頼めないのでしょうか?」という質問から、なぜ頼めないのかをヒアリングしていきます。

求められるのはスピードではなく対応力

新規問い合わせに求められるのはスピード対応とも言われることがありますが、「見積もりをいかに早く提出するか」を目標にしてしまうと、そこには思わぬ落とし穴があります。

例えば、下記の2つのようなケースを見ると、実は見積もりを早く行うよりも、初期対応をしっかり行う方が受注率が高く、信頼関係を築きやすい傾向があるのです。

相手の求めている情報を必要な場面で的確に提供することこそが「対応力」です。問い合わせをする側の求めるものを読み取り、それに合わせた的確な情報提供をすることで安心を与え、良好な関係を構築していきます。

後追いも大切

お客様にはいつごろ結果を聞かせていただけるかを伺い、期日に結果確認の連絡をします。見積もりを提出するだけして、後追いしていない会社も多いようですが、しっかり返事をもらうことで、情報収集ができます。また、次に繋がる可能性もあるため、後追いは非常に重要です。

お客様の求める要望を満たすことができたかどうか、場合によっては自社ではない方が良い可能性もあります。お客様の課題解決を第一とするならば、自社内の加工技術で解決しようとせず、協力会社も含めた幅広い提案をすることも必要です。他社を紹介し、直接やりとりしていただいた方が良い場合もあります。その一つの案件で終わりということではなく、今後また案件が発生した際に記憶に残れば良いのです。「あの会社なら最善な提案をしてくれるから、相談してみよう」となれば、継続的な関係の構築に繋がるでしょう。

以上、メーカーが新規取引先を探す理由とサプライヤー側の取るべき対応について紹介しました。新規取引の際の参考にしていただければ幸いです。

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