【2021年版】台湾の製造業(主要産業・進出している日本企業も調査)

テクノポートの稲垣です。今回は「台湾の製造業」を紹介します。

台湾は、新型コロナウイルスへの対応で世界的に注目を集めました。その成果の一つとして、台湾中央銀行は2020年の経済成長率を前年比2.58%と発表し、新型コロナウイルスによるマイナス成長に苦しむ諸外国とは対照的な結果を示しました。

2020年の台湾の経済成長を支えた要因として、台湾が誇るIT産業の成長が挙げられます。今回はそのIT産業を筆頭に、世界の最先端産業の中心的存在になりつつある台湾の製造業を日本企業の目線から掘り下げていきます。

基本情報

  • 正式名称:中華民国・台湾(Republic of China, Taiwan)
  • 首都:台北(Taipei)
  • 元首:蔡英文 総統(2016年5月~)
  • 通貨:ニュー台湾ドル(1ニュー台湾ドル= 3.75円 ※2021年2月14日時点)
  • 人口:約2,357万人
  • 面積:約3.6万km2
  • 公用語:北京語、台湾語
  • 宗教:仏教、道教、キリスト教、その他
  • 平均寿命:男 77.7歳、女 84.2歳

参考資料

[1] 台湾の基本情報|地球の歩き方
[2] 基本情報|台湾観光ガイド|阪神交通社
[3] 台湾人の平均寿命 昨年は男性77.7歳、女性84.2歳 | 社会 | 中央社フォーカス台湾

産業構造

まずは台湾の産業構造の調査結果を紹介します。下の図は台湾の国内総生産(GDP)における製造業の占める割合の遷移を示したグラフです。


データ引用元:Economic Indicators – Department of Statistics

グラフと関連データから以下のことが分かります。

  • 2016年まで製造業がGDPに占める割合は増加傾向であったが、その後は減少が続く(サービス関連業の急成長が要因)
  • 2019年の調査では、サービス関連業はGDPの約62.7%を占める

現状

  • 製造業に従事する労働者の割合は約35%(サービス関連業は全体の59.8%の労働力を占める)
  • 2019年の外国から台湾への観光者数は過去最高の1,184万人を記録し台湾経済の根幹になっている

今後

  • 台湾社会の今後予測される課題として、高齢化社会や少子化、中国本土との再統合問題などが挙げられる
  • 新型コロナウイルスによる経済への影響が弱まると同時に、諸外国への輸出と国内消費が増加し、経済の回復が加速する見通し

参考資料

[4] Taiwan Economy – GDP Inflation CPI and Interest Rate
[5] Economic and Political Overview – Nordea Trade Portal
[6] Taiwanese Market : Main sectorsECONOMY
[7] Taiwan.gov.twThe economic context of Taiwan

製造業全体

次に、台湾の製造業の調査結果を紹介します。下の図は、台湾の製造業のGDPの年成長率の遷移を示すグラフです。


データ引用元:Economic Indicators – Department of Statistics

グラフと関連データから以下のことが分かります。

  • 2012年から製造業の市場規模は成長が続く
  • 鉄鋼業、化学工業、機械加工が製造業全体のGDPの約半分を占める

現状

  • 情報電子産業の2020年の成長率は9.90%
  • 半導体、コンピューター、スマートフォン産業では世界トップクラスの製造力を有する

今後

  • 2021年の台湾製造業の成長率は4.75%になる見通し
  • 情報電子産業は2021年から年成長率3.55%のスピードで成長する見通し(5G技術、AI関連産業、コンピューター産業の成長が主な要因)

参考資料

[8] Taiwan’s manufacturing sector forecast to grow 4.75% in 2021
[9] Focus TaiwanThe economic context of Taiwan – Economic and Political Overview – Nordea Trade Portal

製造業の主要産業

次に、台湾製造業の主要産業とそれぞれの分野における代表企業を紹介します。

※企業のリンクは日本法人がある企業は日本法人のものを使用しています。

①半導体産業

台湾セミコンダクター(TSMC)

  • 本社:新竹市
  • 事業内容:半導体素子の製造・販売
  • 企業概要:世界最大の半導体受託生産企業として知られる。Apple社製品に搭載するチップの製造元であることでも知られており、5Gスマートフォンは高性能コンピューターの需要拡大に伴い事業規模を拡大している。

実績

  • 半導体の受託生産:2020年第4四半期の世界シェアは55.6%で世界第1位
  • 時価総額:2020年の時価総額は5,807億米ドルで世界第10位

参考資料

[9] TSMC – Wikipedia
[10] 台湾TSMC株が連日高値 時価総額は世界トップ10: 日本経済新聞
[11] 台湾TSMCが過去最高売上、5Gとリモートワーク拡大が追い風に | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

②エレクトロニクス産業

▶鴻海精密工業(Hon Hai Precision Industry Co., Ltd.,)

  • 本社:新北市
  • 事業内容:電子機器の受託製造
  • 企業概要:EMS(Electronics Manufacturing Service)の代表企業の一つ。Apple社製品の製造元であることでも知られており、品質の高い製品の製造技術に定評がある。Appleの他にSonyのPlayStation、任天堂のWii U、AmazonのXbox、AmazonのKindleの製造も請け負う。

実績

  • 売上高:2019年の売上高は1,785億米ドルで世界第1位(EMS企業ランキング)
  • 企業ランキング:2019年のForbsが選ぶ世界のトップ100デジタル企業ランキングで世界第25位

参考資料

[12] 今さら聞けない!シャープを買収するホンハイ(鴻海精密工業)がスゴい理由 ビジネスモデル解説:EMS(電子機器受託製造サービス)|ビジネス+IT
[13] 鴻海精密工業 – Wikipedia
[14] 世界EMS企業売上げランキング、台湾ホンハイがトップ 2位に大きく差 | 電波新聞デジタル
[15] Top 100 Digital Companies List

③プラスチック産業

▶台湾プラスチックグループ(Formosa Plastics Group)

  • 本社:台北市
  • 事業内容:石油化学製品の製造・販売
  • 企業概要:台湾を代表する企業グループ4社(台塑石油化学、台湾化学繊維、南亜プラスチック、台湾プラスチック)を含めた複数の企業から成る。

実績

  • ガラス繊維:2011年の世界生産能力は世界第1位
  • テレフタル酸:2011年の生産量は世界第1位

参考資料

[16] 台湾プラスチックグループ – Wikipedia
[17] 交流_915号_02.indd

日本企業の進出状況

ここからは日本企業の視点から、台湾の製造業市場を調査した結果です。下の図は、台湾に進出した日本企業数(拠点数)の遷移を示したグラフです。


データ引用元:海外在留邦人数調査統計|外務省

グラフと関連データから以下のことが分かります。

  • 台湾に進出する日本企業の数は2008年から2012年の間に急速に増加し、以後は横ばい傾向
  • 進出日本企業の業種は卸売・小売業が最も多く全体の約半数、次いで製造業関連業、その他サービス関連業の順

現状

  • 進出日本製造業の目的は大きく以下の3つに集約される。1. 輸出のための生産拠点、2. 台湾市場向けの生産拠点、3. 現地企業への部品供給
  • テレワークや5G技術の需要が増加したことによる、現地エレクトロニクス企業への部品および材料の供給を行っている企業の業績は好調

今後

  • 台湾政府の意向により、情報通信・デジタル産業は今後も拡大傾向が続くと予想されるため、高い技術力を持つ日系サプライヤー企業の需要は増加する見通し
  • 台湾と日本の外交関係は良好であり、日本ブランドが受け入れやすい環境にあるため、今後も日系企業の進出候補として有力である見通し

参考資料

[18] 2009_02kihara.pdf
[19] 台湾への主な日系企業の進出状況を教えてください。 | 台湾に関する Q&A / コラム | 台湾の市場調査ならヤッパン号

台湾に進出した日本企業

有限会社 サンヨー精工

▶基本情報

  • 本社:東京都大田区
  • 従業員数:20人
  • 事業内容:精密樹脂成形金型の設計・制作

▶概要

プラスチック射出成形およびプラスチック精密金型の制作・生産を行う企業。研究開発にも力を入れており、2色樹脂成形(色違いの2色の樹脂を成形する技術)など、自社独自の技術を多く保有する。台湾の樹脂成形および金型の生産工場と提携しており、現地で量産品を安価に生産できる体制を構築。台湾での生産は日本人従業員1人で行っている。

株式会社 関プレス

▶基本情報

  • 本社:茨城県日立市
  • 従業員数:85人
  • 事業内容:金型プレス加工

▶概要

金型の設計および制作を行う企業。取引先は自動車関連業をはじめ多岐にわたる。グローバル展開する日本企業の部品供給需要に対応するために台湾(桃園)、ベトナム(ハノイ)に事務所を構え、海外での部品調達ネットワークを構築している。上記の国の他に香港・中国の企業と業務提携を行っており、アジア圏における事業拡大を積極的に行っている。

株式会社 英田エンジニアリング

▶基本情報

  • 本社:岡山県美作市
  • 従業員数:135人
  • 事業内容:冷間ロール成形・造管機、無人駐車場・駐車管理システムの開発・製造・販売

▶概要

フォーミングロール(金型)の生産をはじめ、冷間ロール成形機・造管機、およびIT技術を駆使したコインパーキングシステムの開発・製造を行う。中国に現地法人を持っており、中国で製造した商品の輸入を行っていたが、為替の変動により利益を圧迫したため、台湾での現地販売を決断する。現地での販売はパートナー企業を通じて行っている。

参考資料

[20] 株式会社英田エンジニアリング:ジェトロの支援を受け、少ない手間と短い時間で、海外に進出できました | ジェトロ活用事例 – ジェトロ

まとめ

今回は台湾の製造業と産業構造を日本企業の視点から調査しました。調査結果を以下にまとめます。

  • 産業構造:製造業がGDPに占める割合は近年減少傾向、観光業をはじめとするサービス関連業の成長が著しい
  • 製造業全体:製造業の規模自体は拡大傾向(特に情報電子産業は5G技術、コンピューター産業の需要拡大を受け、安定した成長を続けている)
  • 日本企業の進出状況:台湾に進出する日本企業の数は近年ほぼ同じ数で推移
  • 台湾に進出した日本企業:今回紹介した企業は現地企業とパートナー関係を築き、現地での生産・販売、または現地日本企業への部品の調達を行なっている

今回の内容が、台湾進出を視野に入れている方の参考になれば幸いです。

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