技術翻訳するときにまぎらわしい日本語

フリーランスで技術翻訳、論文チェックを行っている堀江です。今回は技術翻訳するときに、悩むことがある、まぎらわしい日本語について解説したいと思います。特に今回は、公的な文章によくでてくる言い回しをみていきたいと思います。

まずは、日常的に使われる簡単な文章から見てみましょう。

1)A、B又はC

(例)水道管に欠陥、損傷または腐食がみられる場合はX会社にすぐ連絡してください。

この場合 A=欠陥、B=損傷、C=腐食となります。“欠陥または損傷または腐食”と同じ意味なので、英訳すると

If the water pipes show defects, damage or corrosion, contact X company immediately.

この文章はA、B、Cが単語であるためわかりやすいですが、これらが文章である場合、文章全体が長くなり、わかりずらくなるときがあります。例えばA=欠陥により水漏れが起きている、B=損傷により周囲にカビが生えている、などです。

2)A、B及びC

古い水道管を検査したところ欠陥、損傷及び腐食がみられた。

“欠陥も損傷も腐食も“という意味です。英訳すると

The old water pipes were inspected and found to be defective, damaged and corroded.

次からは、少しややこしくなってきます。日常的に使われる文章では、思いつかないので公的文章を引用したいと思います。以下の訳はあくまでも個人的なもので、公の文章として記載されているわけではありません。

3)A、B及びC、並びにD = (A、B及びC)並びにD

法第五十七条の二第二項の国土交通省令で定める技術上の情報は、点検(法第四十七条の二及び第四十八条の規定によるものを除く。)の箇所、時期及び実施の方法並びに当該点検の結果必要となる整備の実施の方法とする。

*出典(自動車点検基準(昭和二十六年運輸省令第七十号))一部抜粋

ここでのA、B、C、Dは以下のようになります。

A=点検(法第四十七条の二及び第四十八条の規定によるものを除く。)の箇所

B=(点検の)時期

C=(点検の)実施の方法

D=当該点検の結果必要となる整備の実施の方法

“A、B及びC、並びにD“は、”(A、B及びC)並びにD“ と同じと考えられるので

英訳すると以下のようになります。

Technical information specified by Ordinances of the *MLIT set forth in Article 57-2, paragraph (2) of the Act shall be the points of inspection (excluding those under the provisions of Article 47-2 and Article 48 of the Act), the times and methods of inspection as well as how to perform the maintenance required as a result of the inspection.

*MLIT= Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

4)A又はB、かつ、C及びD

灯火装置及び方向指示器:    点灯又は点滅具合が不良でなく、かつ、汚れ及び損傷がないこと。

*出典(自動車点検基準(昭和二十六年運輸省令第七十号))一部抜粋

A=点灯(具合)

B=点滅具合

C=汚れ

D=損傷

1)又は、2)及び についてすでに上記の通り説明してあるので、後は、“かつ”を真ん中に入れて英訳すると以下のようになります。

Lighting equipment and direction indicators:    No defective lighting or flashing, and free of stains and damage.

あくまでも仮訳なので、別のきちんとした訳があるかもしれませんが、まぎらわしい文章が出てきた場合の参考になれば幸いです。

技術系ライティングサービスのご紹介

モノカクを運営するテクノポート株式会社では、デジタルマーケティングを推進する技術系企業に特化した「技術系ライティングサービス」を行っています。デジタルマーケティングの成果はコンテンツのクオリティによって大きく変わります。テクノポートでは製造業を中心とした技術系企業専門のコンテンツ制作により、技術の可能性を無限に広げます。
技術系ライターを目指すためのオンラインサロン「技術ライティングサロン」の運営も行っておりますので、プロ・アマ問わずご興味がある方はご連絡ください。

技術系ライティング事業 サービスサイトへ

関連記事一覧