製造業のためのSEO対策・完全ガイド(サプライヤー・メーカー向け)

【執筆者紹介】徳山 正康
この記事の執筆者
徳山 正康
テクノポート株式会社 代表取締役

製造業専門のWebマーケティング事業と技術ライティング事業を手がけるテクノポートの代表を務める。「技術マーケティングで日本の製造業に追い風を」を経営理念に、これまでに数名の町工場から一部上場のメーカーまで、累計1,000社を超える製造業を支援し、数多くの企業の経営革新を実現。

グロービス経営大学院(MBA)卒業、(社)日本ファミリービジネスアドバイザー協会 フェロー、(社)Reboot 理事、(社)Glocal Solutions Japan 認定専門家

【寄稿実績】
間違いだらけの製造業デジタルマーケティング(MONOist)
精密板金企業が「Webでの引き合い」を売上につなげることができた、たった一つの理由(ビジネス+IT)
製造業のSEO対策を基礎から解説、「加工事例」が超重要なワケとは(ビジネス+IT)
製造業の「技術マーケティング」戦略、事例で読み解く自社技術の可能性を広げる方法(ビジネス+IT)
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Webサイトのアクセスを増やすための手段として当たり前となったSEO対策ですが、対策に力を入れれば入れるほどWebサイト運用の本来の目的であった「新規顧客の獲得」ではなく「検索上位表示」が目的化してしまっているケースが多いように感じます。

目的を見誤ってしまうと、 Webサイトは手間ばかりかかって売上を稼げない「ダメ営業マン」のようになってしまいます。

弊社が今までに支援させていただいた製造業のお客様のWebサイトの中にも、月間のアクセスが2,000~3,000件あるにも関わらず数万円しか売上をあげることのできない効率の悪いWebサイトもあれば、月間アクセス300~400件であっても毎月数百万円を稼ぎ出す高効率なWebサイトもあります。

両者の違いはなんでしょうか?後者を目指すために「どのようにSEO対策を進めていけばよいか」について解説します。

この記事の目次

SEOとは

SEOはSearch Engine Optimizationの頭文字をとったもので、日本語では「検索エンジン最適化」と言います。

検索エンジンはGoogle、Yahoo!、Bingなど「世界中のWebサイトを検索できるシステム」のことを指します。そのため、GoogleでのSEO、BingでのSEOという使い方をします。
日本ではGoogleが最も高いシェアを占めています。

最適化は「検索エンジンからの評価を最適にする」ことを言います。検索エンジンからの評価が高くなると、検索結果の上位に表示されるようになります。

つまり、SEOは検索エンジンからの評価を高めて、検索結果の上位に自社のWebサイトを表示させるためのページ作りのテクニックになります。

SEOの基本

  • 1キーワード、1ページ必要
  • 他社サイトよりも情報が充実している
  • 検索者の疑問を解決できる
  • 被リンクが多い
  • 検索エンジンによってSEOは異なる

製造業でもSEOが必要な理由

SEOの最大のメリットは「売上が上がる」ことです。

SEOが強くなると検索結果の上位に自社サイトが表示されるようになるため、自社サイトへのアクセス数が増えます。自社サイトへのアクセス数が増えると、問い合わせが増えます。問い合わせが増えると受注数が増えます。受注数が増えると売上が上がります。

そのため、あらゆるサービスがSEOに力を入れています。ただし、これは検索エンジンを使う人にしか効果はありません。

製造業の場合、売上を上げるための手段は「既存顧客からの注文数を増やす」、「新規顧客を開拓する」の2つがあり、新規顧客開拓の手段としては「展示会」がメインでした。

昔は発注先を探すときに検索エンジンを使わずに、展示会で探す傾向にありました。というのも、Webサイトを持っている製造業が少なかったため、検索エンジンで調査しても求める企業が出てこなかったことが、展示会が主流になり続けた理由です。

しかし、最近はほとんどの製造業がWebサイトを持つようになり、発注者側も数ヶ月に1回しか開催されない展示会よりも、常に調べられる検索エンジンを使うようになってきました。

そのため、製造業においてもSEOの強さが売上に直結するようになり、SEOが弱い企業は検索者に見つけてもらえず、新規開拓が難しい状況になってきました。

今後は新規顧客を開拓するために、製造業もSEOに力を入れざるをえない時代になってきました。

製造業のSEOと一般のSEOの違い

SEOとしてはやることは同じなのですが、製造業のSEOと一般のSEOでは難易度が変わります。適切に行えば製造業のSEOのほうは成果が出やすいので、本記事をお読みいただきぜひSEOに挑戦してみてください。

ではここからは、製造業のSEOの有利な点と難しい点について紹介します。その前に、SEOの基本的な流れを紹介します。

SEOのやり方は大雑把にいうと下記の2点になります。

  1. どのキーワードでSEOをするのか決める(キーワード選定)
  2. 選んだキーワードに合わせて記事を作る(執筆)

まずキーワード選定で重要なのが「検索需要(回/月)」です。これはそのキーワードで検索する人がどれくらいいるのかという指標です。

例えば、機械加工(8,100回)、マシニング加工(720回)、フライス加工(3,600回)、放電加工(6,600回)、バネ加工(90回)という具合にキーワードによって検索需要が異なります。検索需要の多いものでSEOが強くなるとアクセス数は伸びますが、検索需要が少ないものでSEOを強くしてもアクセス数は伸びません。つまり、アクセス数を増やすためには検索需要を考慮したキーワード選定をしなければなりません。

次に、執筆です。SEOを強めるには「一般の知識」と「独自の知識」の2つが必要になります。この2つがしっかり入っていれば基本的にSEOは強くなります。

では、製造業のSEOの有利な点と難しい点について紹介します。

製造業のSEOで有利な点は「独自の知識を持っていること」です。他社より秀でた技術やサービス内容を持っていることが多いため、記事の質を向上させやすいというメリットがあります。競合企業と技術を比較しても、どこかで勝っている部分がありますので、そこに焦点を当てて記事を書くことでSEOを強化できます。

製造業のSEOの難しい点は「キーワードの選定」です。

  • キーワードが専門的になる
  • 技術の呼び方が複数ある
  • ターゲットが使う用語がわからない
  • 業界ごとに製品の呼び方が違う
  • 他業界のキーワードが全くわからない
  • 検索需要が多いのか少ないのか判断できない

といった具合に「適切なキーワードを選べない」という状況になることがあります。この問題については、弊社のような製造業専門でSEOを行っている企業に聞いたりすることで解決できます。

製造業SEOの成功事例

サプライヤー成功事例、メーカー成功事例、事例から学ぶ成功要因についてまとめた記事を紹介します。

製造業Webマーケティング事例8選(事例から学ぶ成功要因)

目次

BtoB製造業のWebマーケティング成功事例を、メーカーとサプライヤーに分類し8つ紹介し、そこから共通する成功要因について説明しています。

リンク:https://marketing.techport.co.jp/archives/28795

製造業のSEO成功事例を徹底解析

目次

SEOに強いWebサイトを紹介し、そのサイトがなぜSEOに強いのかを解析しています。記事執筆の参考にしてみてください。

リンク:https://marketing.techport.co.jp/archives/29587

SEO対策の進め方

SEO対策を進める上での大前提として、前述した「ユーザの検索意図にあった良質なコンテンツ」を作ることを目指します。ユーザの検索意図とは「ユーザが求めている(知りたい)情報」のことです。下記の手順でユーザの検索意図を探りながらWebページの制作を進めていきます。

STEP1 SEOキーワードの選定まずはどのようなキーワードでSEO対策を行うかを弊社が採用している3つの選定基準をもとに検討します。

STEP2 掲載コンテンツの検討STEP1で選定したキーワードで検索上位表示させるために、Webページにどのようなコンテンツを掲載すべきかを検討します。

STEP3 Webページの作成STEP2で検討したページ掲載コンテンツをもとにWebページを制作していきます。

STEP4 効果検証STEP3で作成したページを一定期間運用した上で、効果検証を行い、さらに改善していきます。

STEP1 SEOキーワードの選定

まずは、SEO対策を行い検索上位表示を目指すキーワードの選定を行います。キーワードは下記3つの評価方法により選定していきます。

SEO対策・3つの評価軸

  1. アクセスを稼げるか
    そのキーワードで検索される回数が多く、競合サイト数が少ないほうがアクセスを稼ぎやすいです。両者を調べて、アクセスの稼ぎやすいキーワードを選定します。
  2. コンバージョンする(問合せに繋がる)か
    候補として挙げたキーワードによってWebサイトへアクセスしたユーザが、最終的に問合せを行うかどうかを考えます。抽象的すぎるキーワードや、情報収集だけで終わってしまう傾向のあるキーワードなどは、外したほうが良い場合があります。普段顧客と接している営業担当者などの意見も聞きながら、定性的に判断します。
  3.  自社の強みと合致するか
    候補キーワードで検索したユーザが、自社と他社とを比較検討した場合に、自社に優位性があるかどうかを判断します。実際にそのキーワードで検索した時の検索結果で、競合する会社と自社とを見比べます。

参考|キーワードを選定するための分析表

カテゴリー キーワード 検索需要
(月間)
競合数 ボリューム SEO対策の
難易度
製品との
関連性
製品名系 配管部品 1600 30300000
継手 8100 16500000
ホース継手 1600 8270000
ねじ込み継手 1000 1750000
六角ホースニップル 50 1300000
ホースジョイントニップル 260 1260000
六角ホースジョイント 2900000
グリースニップル 880 591000
ホースバンド 6600 15700000
変換ソケット 260 8620000
変換ニップル 50 983000
銅+プレス 銅 プレス 20 9070000
絞り 銅 プレス 893000
銅 プレス 部品 73100000
銅 端子 製造 3030000
銅 プレス 加工 20 4990000
プレス系 プレス 加工 1900 52300000
金属 プレス 加工 320 23300000
プレス 加工 絞り 110 2710000
プレス 絞り 110 5810000
プレス 部品 110 32700000
銅系製品名 アースバー 880 611000000
ブスバー 1600 168000
バスバー 1900 475000
リード フレーム 1600 25700000
分岐 バー 90 10800000
銅 バー 880 12300000
渡り バー 50 36200000

キーワード選定基準① アクセスを稼げるか

当たり前の話ですが、アクセスを稼ぐには検索エンジンで上位表示されなければなりません。特に中小製造業者が狙うような、検索需要の少ないニッチキーワードで対策を行う場合、検索結果の1ページ目に表示されることが絶対条件になります。

なぜなら、1ページ目と2ページ目とでは、見られる確率が圧倒的に違ってくるからです。ある調査データによれば、2ページ目に表示されたWebサイトがクリックされる確率は1%を下回るそうです。冒頭で、アクセスが少なくても売上を稼ぐWebサイトの例をお話しましたが、当然最低限のアクセスは確保しなければなりません。

検索需要を調べる

Googleが提供しているキーワードプランナーというツールがあります。こちらのツールを使って各キーワードの検索需要(月間に何回そのキーワードで検索が行われているか)を調べます。そもそも検索している人がいないキーワードで上位表示されても意味がないので、キーワードプランナーで検索回数が表示されるキーワードを候補にしましょう。

※キーワードプランナーの利用には、Googleアカウントへ登録した後、Google広告の設定が必要ですのでご注意ください。実際の支払いは必要ありませんが、店舗の設定や、支払い情報の入力までが必要です。

その他のツール:【概要から応用】SEOのキーワード選定方法(リスト例、コツ、ツールの解説)

競合サイト数を調べる

検索エンジン(Googleを使ってください)で各キーワードを検索した際に、検索HITするWebサイトの件数が何件あるかを調べます。

詳細:SEOに役立つ競合調査の方法 (テンプレ、ツール)

両者を見比べ評価する

検索需要と競合サイト数を見比べて評価します。中小企業のWebサイトであれば、1キーワードに対して検索需要が100件以上あれば十分だと考えてください。なお、競合サイト数は100万件以下がおススメです。競合サイト数が多すぎると、上位表示されるまでに時間がかかり、たとえ検索需要が多いキーワードでも、その期間はほとんどアクセスを稼ぐことができません。
短期間である程度の成果を上げたい方は競合サイト数も重視してください。中長期的に大きな成果が上がればいいのでじっくり対策していきたい、という方は検索需要の多いキーワードを狙ってみてください。

キーワード選定基準② コンバージョンする(問い合わせに繋がる)か

二つ目のポイントは「本当にそのキーワードでアクセスが増えたら、本当に問合せが増えるのか」という点です。弊社のお客様にも「アクセスが多いのに問合せが全然来ない」という悩みを抱えている方がたまにいらっしゃいます。なぜ、アクセスしてきているのに問合せをしないのか?考えられる原因は二つあります。

①抽象度の高いキーワードを選んでいる

例えば「金型」というキーワードは抽象度が高いと言えます。なぜなら「金型」と検索してくるユーザが「プレス加工用の金型」を調べているのか、「樹脂成形用の金型」を調べているのか分からないので、アクセスされたとしても問合せに至りにくい、もしくは問合せが入ったとしても的外れとなってしまいやすいからです。

②情報収集に使われるキーワードを選んでいる

検索ユーザは「仕事を依頼する取引先を探すため」に検索エンジンを使うだけではありません。単に「業界の情報収集を行うため」や、「加工知識の勉強をするため」など、様々な用途で検索エンジンを使います。ニッチキーワードを見つけることはとても重要ですが、専門的な用語になりすぎると、「その言葉の意味」を調べているだけのケースも多くなります。

キーワード選定基準③ 自社の強みと合致するか

3つ目のポイントは「自社の強みと合致するか」です。これを調べるためには、対策したいキーワードで検索した時に1ページ目に表示される競合Webサイト(会社) を何社かピックアップします。

ここでピックアップした会社は、実際にユーザがアクセスしてきた際に比較検討を行う可能性が高い会社となります。これらの会社と自社とを比較した際に優位性が発揮できるかどうかが評価軸となります。

気をつけていただきたいのは、顧客のニーズはどのようなものかを理解した上で自社と他社を比較することです。顧客が求めていないもので争っても何の意味もありません。3C分析を行うなどして、顧客ニーズも考慮しましょう。

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選定基準をもとに対策するキーワードを決定する

上で紹介した3つの選定基準をもとに対策するキーワードを決めていきます。選定するキーワードの個数は、作成しようとしているWebサイトの規模(ページ数)によります。

対策するキーワードの個数は多いほど、そのキーワードを対策するためのWebページを作成しなければなりません。

詳細は後述しますが、コンテンツの少ないWebサイトでは検索順位を上げることができないので、対策するキーワードの個数とWebサイトに掲載するコンテンツ量は比例して増えていく関係だと考えてください。

リスト例:【概要から応用】SEOのキーワード選定方法(リスト例、コツ、ツールの解説)

STEP2 掲載コンテンツの検討

対策キーワードでSEO対策するためのサイト構成を考えていきます。どのようなコンテンツを掲載すれば検索上位表示されるのか?その際に参考とする情報を収集する手段として、ご紹介する3つの方法を検討してみてください。

検討方法① 対策キーワードで上位表示している他社サイトを調べる

検索エンジンで検索上位するための基準(検索アルゴリズム)は公表されていないため、まずは現在上位表示されているWebサイトを正解と考え、どのようなコンテンツを掲載しているか参考にしてください。この際に留意するポイントは以下となります。

  • 情報をコピペするなど、他社サイトのコンテンツを盗むようなことは絶対にしない
  • 上位表示しているWebページの特性(タイプ)を掴む(※)
  • どのぐらいのコンテンツ量(テキストの文字数)を掲載しているのかを把握する

注意点として、広告スペースに表示されているWebサイトはSEOとは無関係なので、自然検索スペースに表示されているWebサイトの内容を参考にしてください。1ページ目に表示されているWebサイトには一通り目を通すと良いでしょう。

※)Webページの特性(タイプ)にはいくつか種類があります。キーワードを解説する情報が多く載っている「知識系ページ」、キーワードに関する専門家が解説している「権威系ページ」、キーワードに関わりの深い業者などを紹介する「まとめ系ページ」など、キーワードによりどのタイプのWebページが上位表示されやすいかが異なります。

検討方法② キーワードプランナーの関連キーワード

STEP1で紹介した「キーワードプランナー」には、キーワードの検索需要に加え、該当キーワードと関連性の高いキーワード(キーフレーズ)を紹介してくれます。これらのキーワード(キーフレーズ)に関わるコンテンツをWebページに掲載することで、該当キーワードの検索順位も上がりやすくなります。

キーワードプランナー

検討方法③ 検索結果に表示されるサジェストキーワード

Googleでキーワード検索すると最下部に「〇〇に関連する検索キーワード」が表示されます。これはいわゆる「サジェストキーワード」というもので、検索キーワード+どのようなキーワードで他のユーザは検索する傾向がある、ということを検索エンジンが教えてくれるものです。サジェストキーワードにはユーザの検索意図(何を知りたいのか)が表れるので、どのようなコンテンツを掲載すべきか考える際の良い材料となります。

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STEP3 Webページの作成

掲載コンテンツが準備できたら、具体的にどのような点に気を付けてWebページを制作すればよいのか、について考えます。なお、初心者の方でもご自身でWebページの制作・改修が行えるよう、WordPressを使うことを前提に、その編集画面やおすすめプラグインと共に解説していきます。WordPressなどがなくてもご自身でWebページを編集できる方は編集画面は無視して進めてください。

SEOに強いWebページを作成するためのポイント

  1. サイトマップを作成し、対策するキーワードとWebページを整理する
  2. タイトルの付け方に注意する
  3. Hタグを使用し検索エンジンに好まれる構造で文章を書く
  4. 画像にALT(代替テキスト)を入力する

ポイント1 サイトマップを作成し、対策するキーワードとWebページを整理する

STEP1〜2でピックアップした対策キーワードをどのWebページでSEO対策していくかを検討するために、サイトマップを作成し整理します。サイトマップを作る上での注意点は、Webページにそれぞれ役割を担当させるようなイメージで作成することです。具体的には、下記の3つの役割があります。

  1. アクセスを稼ぐページ・・・検索した際に狙っているキーワードでHITさせるためにSEO対策するページ
  2. 強みを訴求するページ・・・アクセスしてきたユーザに自社の強みを伝えるページ
  3. 問合せを獲得するページ・・・ユーザの背中を押し問合せを獲得するページ

1のアクセスを稼ぐページに関しては、1ページ1キーワードを心がけてページ制作をおこなってください。

対策キーワードの一覧

対策キーワード一覧

サイトマップ

サイトマップ

ポイント2 タイトルの付け方に注意する

タイトルを付ける際に気をつけたいのは、

  • 検索エンジンに上位表示してもらえること
  • 検索ユーザにクリックしてもらえること

の2点です。

検索エンジンに上位表示するために気をつけるポイントは、

  • タイトル内(のなるべく前半)にキーワードを含める

検索ユーザにクリックしてもらうために気をつけるポイントは、

  • 30文字以内に収める
  • そのページの内容を要約したものにする

となります。

なお、後者はタイトルだけでなく説明文の内容もクリック率に大きく影響しますので、100文字ぐらいにまとめてしっかり入力しておきましょう。説明文とは、検索結果のタイトル下に表示されている文章のことです。WordPressでサイトを制作する方は「All in SEO Pack」を使えば簡単に設定ができるのでおすすめです。

詳細:SEO対策の具体的な方法(自社サイトのチェック方法)

ポイント3 Hタグを使用し検索エンジンに好まれる構造で文章を書く

HタグのHとはHeadingの略で、見出しを意味します。検索エンジンは構造化された文章を好んで評価しますので、Hタグを見出しに使用した文章を作成しましょう。

また、見出し内にキーワードを含めることで、そのキーワードが上位表示されやすくなるので、なるべくキーワードを含んだ見出しを作成しましょう。

HタグはそれぞれH1〜H6まで設定することが可能ですが、H1はページ内に1つ使用すると良いと言われているので、タイトルと同じものを設定するようにし、H2を大見出し、H3を中見出し、H4を小見出し、といった感じで使用してください。

ポイント4 画像にALT(代替テキスト)を入力する

ALT(代替テキスト)は、Webページ内に掲載している画像の説明文のことです。ここに対策したいキーワードを含めるとより良いです。ALTを入力することで、SEO対策になるだけでなく、画像検索された際にHITしやすくなります。分野によりますが、最近では画像検索からのアクセスも増えています。

WordPressであれば画像の編集画面から「代替テキスト」を入力するだけで大丈夫です。WordPressを使用される方は下記関連記事もご参照ください。

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STEP4 効果検証

Webサイトを制作・公開した後は一定期間をおいて効果検証をおこなってみましょう。効果検証を行うためのツールとして、Google AnalyticsとGoogle Search Consoleを使用しますので、Webサイトを公開する前に準備しておきましょう。

SEO対策がうまくいっているどうかを検証するためにチェックする数値として、検索順位、クリック率、アクセス数、直帰率があります。それらの数値を見ることでWebサイトに以下の症状が出ていないかをチェックしていきます。

  1. 検索順位が上がっていない
  2. 検索順位は上がっているがクリックされていない
  3. アクセスはあるが直帰率が高い

どの症状が出ているかに応じた対策をおこなっていくことが大事です。

症状1) 検索順位が上がっていない

検証方法:Google Search Consoleの検索パフォーマンス「検索クエリ」をチェック。そこで順位が確認できない場合はランキングチェッカーなど、検索順位調査ツールを使用します。

検索順位

処方箋:再度自社Webサイトよりも上位表示されているWebサイトを分析し、どのようなコンテンツを掲載しているかをチェックしてください。コツコツとコンテンツを更新(増やしていく)すれば、少しずつ順位が上がってくるはずです。

症状2) 検索順位は上がっているがクリックされていない

検証方法:Google Search ConsoleのCTR(クリック数÷表示回数)をチェック。検索順位に対しCTRが低い場合は対策を行いましょう。

処方箋:原因は下記2点が考えられます。

  • タイトルと説明文が悪い
  • キーワードとWebページとの相性が悪い

前者であればタイトルと説明文の見直しを、後者であればWebページの内容そのものの見直し、もしくは他キーワードで対策することを検討しましょう。

症状3) アクセスはあるが直帰率が高い

検証方法:Google Analyticsのメニュー「行動」をチェックし、該当キーワードからアクセス流入しているページの直帰率をチェックします。

直帰率はページのタイプによって様々なので、一概には言えませんが、製品・技術紹介などのページであれば、50%以下、読み物(コラム)系ページであれば80%を目標にしていきましょう。

処方箋:原因は下記2点が考えられます。

  • キーワードとWebページとの相性が悪い
  • 他ページへ誘導する動線がない

前者であればWebページの内容そのものの見直し、もしくは他キーワードで対策することを検討しましょう。後者であれば対象ページ内に他ページへ誘導するバナーの設置などを行いましょう。

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ユーザが求めるコンテンツを生み出す努力をし続ける

冒頭のSEOトレンドでもご紹介しましたが、SEO対策はテクニックだけでは何ともならない状況になっています。Googleのアルゴリズムはユーザがより良い情報にたどり着くために、さらに改良されていくことでしょう。なので、皆様は将来の顧客になり得る検索ユーザが求める、読んで満足してもらえるような良質なコンテンツを生み出す努力を惜しまずおこなってください。そのコンテンツ自体はもちろん、良質なコンテンツを生み出し続けられるシステムは、貴社の大きな財産になるはずです。くれぐれもWeb担当者(業者)の孤軍奮闘にならないよう気をつけてください。

また、SEO対策疲れすることないよう、アクセスを稼ぐことではなく新規顧客を獲得することを目的に定め、成果をしっかりと上げながらWebサイトの運営をおこなっていきましょう。

皆様のWebサイトから大きなビジネス成果が上がることを、陰ながら祈願いたします。

この記事の執筆者
徳山 正康
テクノポート株式会社 代表取締役

製造業専門のWebマーケティング事業と技術ライティング事業を手がけるテクノポートの代表を務める。「技術マーケティングで日本の製造業に追い風を」を経営理念に、これまでに数名の町工場から一部上場のメーカーまで、累計1,000社を超える製造業を支援し、数多くの企業の経営革新を実現。

グロービス経営大学院(MBA)卒業、(社)日本ファミリービジネスアドバイザー協会 フェロー、(社)Reboot 理事、(社)Glocal Solutions Japan 認定専門家

【寄稿実績】
間違いだらけの製造業デジタルマーケティング(MONOist)
精密板金企業が「Webでの引き合い」を売上につなげることができた、たった一つの理由(ビジネス+IT)
製造業のSEO対策を基礎から解説、「加工事例」が超重要なワケとは(ビジネス+IT)
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