技術の見せ方を工夫している中小製造業7選

こんにちは、テクノポートの永井です。今回は弊社が関わったことのある中小製造業の中で、技術の見せ方を工夫している企業を紹介します。

「技術」と一言でいっても、高精度な加工をする技術、短時間で大量に物を作る技術、品質を安定させる技術、納期を短くする技術など、分野は様々で、伝え方も異なってきます。例えば、高精度技術を伝える場合は測定値を出しますが、品質技術を伝える場合は統計的なデータを求められます。今回ご紹介する企業は数値以外の手法を使って、自社の技術をうまくPRしています。ぜひ技術を伝える際の参考にしてみてください。

1.大鉄精工株式会社|動画による高精度技術の紹介

埼玉県三郷市にある大鉄精工株式会社は、金属の切削加工を得意としています。加工精度を伝えるために、真円度(10μm以下)や同軸度(5μm以下)の計測データを掲載していることに加えて、測定の動画も掲載しています。実際に動画で測定器のフレを見ると加工精度の高さに驚きます。

例えば、下の動画は、SUS316 φ20~φ50mm 全長530mmの製品を両端と中央で測定しています。製品は5,000rpmで使用するため、誤差を最大でも20μm以下にする必要があるそうですが、見事にその範囲内に収まっていることがわかります。
同社のFacebookで実際に10,000rpmまで回転させた動画もあり、技術の高さがひと目でわかります。

大鉄精工株式会社はホームページの制作から運用までトータルでお手伝いしています。代表の木下社長は加工技術に非常に詳しく昔ながらの職人のような雰囲気はありすが、FacebookやYoutubeを取り入れた広報活動などにも挑戦され、この動画も木下社長のアイディアで生まれました。

ホームページ:https://www.daitetsuseikou.com/

2.株式会社イワタツール|製品を比較して、技術力をPR

愛知県名古屋市にある株式会社イワタツールは、小径ドリルの製造を得意としたツールメーカーです。製品の一つであるGPドリルを動画を使って効果的にPRしています。GPドリルのメリットは「超高速加工が可能なる」ことですが、言葉だけ見てもピンときませんし、他社も同じような広告を行っています。そのため、株式会社イワタツールは動画を使って他社製品と自社製品の違いを表現しています。

他社ドリルが10個程度穴をあけた時点で折れていたにも関わらず、イワタツール製ドリルは400個の穴をきれいにあけています。この動画を見ただけでイワタツール製ドリルの質の高さがわかります。


高速で加工するためには刃の切れ味はもちろん、ドリルの真円度、同軸度、円筒度などの精度も求められます。これらの精度が悪いとドリルが座屈していまし、動画中の他社ドリルのように使い物にならなくなってしまいます。この動画一つで、製品だけではなく、技術の高さも伝えることができています!素晴らしい見せ方ですね。

ホームページ:https://www.iwatatool.co.jp/

3.株式会社パルメソ|新技術をイラストを使ってわかりやすく説明

次にご紹介するのは、新潟県長岡市の株式会社パルメソが保有している材料表面の測定技術です。ビッカース、ブルネル、ロックウェルなど、材料の硬さを評価する方法はありましたが、表面から深さ方向への強度変化を数値で表す試験はありませんでした。それを解決したのが株式会社パルメソのMSE(Micro Slurry-jet Erosion)試験です。MSE試験を使うことで、めっきなど薄膜の硬さやセラミックやゴムなどこれまで測定が難しかった材料も測定することができるようになります。MSE試験は画期的な試験方法ですが、説明が難しく価値を理解されないという問題を抱えていました。

そこで利用したのが、イラストを使った試験方法の解説です。言葉だけではなく、装置全体がわかるイラストを使うことで、短時間で測定方法を理解してもらえるよう工夫しています。

人はあまり文章を読んでくれませんし、言葉だけでは個人によって想像する内容が異なる場合もあります。株式会社パルメソのようにイラストを使い情報を見える化することで、技術を正確に伝えることができます。

株式会社パルメソはホームページの制作と運用をサポートしています。お客様の声はこちら

ホームページ:https://palmeso.co.jp/mse/

4.株式会社リソー技研|超音はんだの接合力を動画を使ってPR

長野県諏訪郡の株式会社リソー技研は、産業用機器装置を設計から設置まで一貫して対応できる企業で、特に超音波はんだを得意としています。超音波はんだはセラミックス、難はんだ付け性金属(アルミニウム、モリブテン、 ステンレス等)にも、直接高品質なはんだ付けができる画期的な技術です。原理としては、超音波によりキャビテーションを発生させて、母材表面の酸化膜を除去・活性化させることで、母材表面とはんだが拡散結合されることを利用しています。

はんだに求められるのは「簡単に強く接合する」ことです。一般的なはんだは簡単に外れることが多いですが、超音波はんだの接合力はかなり強く、工業製品の接合として十分に使えるレベルにあります。ただ、接合力を数値化することはむずかしく、言葉だけでは伝わりません。そこで、株式会社リソー技研は動画を使用して接合力を伝えています。

動画では接合したアルミをねじり、アルミが接合したまま変形していることがわかります。この接合力は通常のはんだでは考えられないため、超音波はんだ技術のすごさを伝えるには十分なパフォーマンです。(私も見たとき驚きました!)


超音波はんだは試作だけではなく、量産設備に組み込むことも可能なので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

ホームページ:http://www.velbond.com/

5.株式会社外山製作所|お客様からの評価事例で品質の高さをPR

株式会社外山製作所は自動旋盤を使ったΦ30mm以下の量産を得意としている企業で、不良率の低さに定評があります。一般的に不良率はCpとppmで表すことが多く、Cpは公差T(上側規格値と下側規格値の差)を工程能力(標準偏差を6倍した値)で割った値です。数値は高い方がよく、1.33以上(1万個に7個の不良)で工程能力は十分と判断できます。

ppmはparts per millionの略で、100万個中に何個不良品が合ったかを表す値です。Cp値やppmを数値で伝えるのは簡単ですが、信憑性を伝えるは難しく、品質の良さはなかなか理解してもらえません。そこで株式会社外山製作所は数値以外に、お客様からの評価を掲載することで信憑性を高める工夫をしています。評価表の中には不良率(ppm)が書かれており、値は3ppm。この評価結果と実績で株式会社外山製作所の実力がわかります。

ホームページでは品質を高めるための具体的な方法についても紹介されています。ぜひご覧ください。

ホームページ:https://toyama-ss.co.jp/

6.有限会社三井刻印|拡大画像で微細工具の製造技術をPR

東京都東久留米市にある有限会社三井刻印は、先にご紹介した株式会社イワタツールと同じ工具メーカーです。特に、微細工具製造に特化した技術をお持ちで、お客様の加工に合わせたオリジナルの工具を製造販売しています。Φ1mm以下の工具の先端を肉眼で見るのは難しいため、倍率を上げた画像を掲載して、特殊な先端形状がはっきりと伝わるように工夫しています。

工具は細くなればなるほど、折れやすく、形状を整えるのは難しくなります。有限会社三井刻印は工具を拡大し目視で削ることで、機械ではできない加工を実現しています。例えば、下記は外径50μmのドリル画像です。外径50μmはおよそ人の髪の毛の太さなのですが、それをドリルとして加工しているところに微細加工技術のレベルの高さを感じます。

ホームページにはその他の製品も掲載されています。ぜひご覧ください。

ホームページ:http://www.kokuin.co.jp/

7.高木特殊工業株式会社|グラフを使ってめっき技術をPR

愛知県豊田市の高木特殊工業株式会社は、めっきを行っている企業です。実施しているめっきは4種類。無電解ニッケルめっき(カニゼンめっき)、セラミックめっき、クロムめっき、そしてPTFEめっき(テフロンめっき)になります。めっき液にこだわりを持ち、通常よりもグレードの高いめっきや特殊めっきを得意としています。

高木特殊工業株式会社が最も得意としているPTFEめっきはテフロンめっきとも言われて、滑りが良くなるめっきです。高速回転など潤滑油が吹き飛ぶような環境にも対応できる技術として注目されていますが、「摩擦係数が改善」「すべりが良くなる」という言葉だけでは技術者に伝わりません。そこで、めっき後の物性を数値化することで、技術を正確に伝える工夫をしました。グラフ中の

  • Ni:ニッケルめっき
  • Fe:めっきなしの鉄
  • PTFE:PTFEめっき

をそれぞれ表していて、縦軸が摩擦係数になります。ニッケルめっき(Ni)は摩擦係数が0.2前後であり、かつ乱れも多いのに対して、PTFEめっきは摩擦係数0.1程度、かつ乱れはほとんどありません。このグラフの比較でPTFEめっきの実力をひと目で伝えることが可能になりました。


ホームページでは、他にも様々な評価結果を掲載しています。ぜひご覧ください!

ホームページ:https://takagitokusyu.com/

まとめ

いかがでしたでしょうか。ご紹介した企業は、技術力の高さを伝えるために、数値以外にも様々な方法を取り入れていました。
技術を相手に伝えるためには、相手に興味を持ってもらわなければなりません。そのためには、画像や動画、イラストを使ってインパクトを出したし、グラフを使ってわかりやすく比較することが大切です。

テクノポートは製造業に特化したマーケティングを得意としています。技術をわかりやすく伝えるための方法もアドバイスできますので、技術の見せ方でお困りでしたら、ぜひご相談ください。

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