ネタがないなんて嘘。プレスリリースのネタ作りとは

テクノポートの菊地です。プレスリリースの書き方や媒体研究の方法をご紹介してきましたが、いざプレスリリースを書いてみよう!と思っても「ネタがない」という壁にぶつかってしまうという話をしばしば耳にします。

プレスリリースのネタがない

果たして本当にネタはないのでしょうか?

広報関係者やメディアの方とお客様の話をすると「それ面白い取り組みですね!」「そういう情報、メディアは探してますよ」と興味を持っていただくことも少なくありません。ネタがない、というよりも自社内の情報と世の中の関心を結びつけて捉えられていないために、情報の価値に気がついていないという印象があります。

自社の持つ情報をそのまま捉えるのではなく、社会にどう関連するのか、何を可能にするのかといった視点をもって社会的な価値を見出していきましょう。今回は社会の関心と自社情報のネタの繋げ方をご紹介します。

2020年秋、社会の関心とは

媒体研究についての記事でも書いたとおり、メディアが求めている情報は世の中の関心につながる情報です。世の中の関心を知るには媒体研究が必要なのですが…それではイタチごっこになってしまうので、「2020年秋の社会の関心」として今年だからこその時流のネタと毎年恒例の季節ネタに分けて説明します。

時流のネタ

今年の話題が何かといえば、ほとんどの方がまず「新型コロナウイルス感染症」を挙げるのではないでしょうか。プレスリリースの一斉配信サービス「PRTIMES」の2020年10月のプレスリリースキーワードランキングでも、1位が「コロナ」、9位が「新型コロナウイルス」です。


テレビや新聞でも、新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のための

  • 製品(マスクやフェイスシールド、消毒液など)
  • 取り組み(テレワークの導入、オンラインでの営業活動の強化)

などが3月頃から連日報道されていることからも社会の関心の高さがうかがえるのではないでしょうか。

4位の「テレワーク」、5位の「オンライン」、7位の「DX」も新型コロナウイルス感染症に付随して関心の高まっているキーワードです。

季節ネタ


また、毎年恒例の季節のイベントや祝日に合わせた打ち出し方も「旬」を感じさせることができます。いつかそのうちではなく、今報道する必要を季節に関連づけることで考えてもらうことが可能になります。

  • 10月
    スポーツの日(旧体育の日)
    ハロウィン
  • 11月
    文化の日
    勤労感謝の日
  • 〇〇の秋
    スポーツの秋
    芸術の秋
    紅葉の秋

季節に関係するネタは、前年の同時期の媒体を見ると報道の傾向が掴みやすいのでおすすめです。報道されている媒体と、どんなプレスリリースが配信されていたかを照らし合わせて見てください。

中小製造業にもおすすめのプレスリリースネタ

自社製品の発表

新型コロナウイルス感染症の影響を受け、下請けがメインだった加工業でも自社ブランド・製品の開発、販売が進みました。Webサイトの新着情報やSNSでの発信に加えて、ぜひプレスリリースでも情報発信をしてみてください。どんな背景があって企画されたのか、他の商品と比べてどんな良さや違いがあるのか、開発エピソードなどに前述した社会の関心や季節性を絡めて作成することで、「商品の宣伝」ではなく「社会課題や世の中の需要に対しての自社なりの提案」という形での発表になります。

山本製作所有限会社 マスクスタンド

コロナウイルス感染予防のため生活必需品になったと言っても過言ではないマスク。山本製作所は外出先で飲食などで外した時に置き場に困ってしまうという悩みを解消する、マスクスタンドを自社製品として開発しました。

プレスリリース

毎日新聞

オンライン活用


コロナ禍で非接触・非対面が推奨されるようになり、訪問営業ができないことでもどかしさを感じた方も多いのではないでしょうか。DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が叫ばれるようになって久しいですが、今までになく急速に取り組みが進んだのが今年の特徴です。

反面、業界や業種によるIT化やデジタル化の格差がやっと表面化してきたとも言われています。コミュニケーションの手段を取っても、FAXが主流の企業や業界もあれば、メール、電話、チャットツールなどさまざまです。IT化の実情やなぜ導入が進まないのかは、メディアからも非常に関心の高いテーマです。

最新のツールを導入したなど大手企業のようなネタでなくても、コロナ禍を契機としたDXの第一歩として

  • Webサイトの制作やリニューアル
  • デジタルツールの導入

などに着手した中小製造業は多いのではないでしょうか。実施に至った背景や、今後の展望を含めることで「コロナに立ち向かう町工場」といった印象を抱かれるようになります。また、実施後の変化を数字で説明できるように記録をしておくと、メディアから問い合わせがあったときの情報として非常に有効です。

イベント・企画の開催、参加

イベントやセミナーを開催するときや、参加するときもプレスリリースを配信するのに適しています。特に、地域のメディアなどを呼びやすいのがイベント系です。

  • 展示会(オンライン含む)への出展
  • 工場見学の実施
  • 地域イベントへの参加
  • 企画への参加、協業

などが挙げられます。

弊社の事例ですが、一般社団法人スマートニッチ応援団との協業・サプライチェーンチャレンジへの参画についてプレスリリースを配信したところ、取材には至らなかったもののメディアからの問い合わせを頂いたり、別の企画のお誘いを頂いたりと反響を感じました。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000055603.html

広報活動は広告・宣伝ではないので、自社の情報をダイレクトに届けることは難しいです。メディアの報道を通して情報発信をするためには、情報に社会的な価値や意義を付随させることが欠かせません。
どうしてこの企業や取り組みが報道されているのかという視点をもって、日々の新聞やニュースを見てみると広報視点が育まれます。季節や社会の関心を意識しながら、自社の情報や報道に目を向けていただけたら幸いです。

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