技術翻訳時に気を付けなくてはいけないカタカナ文字

【執筆者紹介】堀江美帆
この記事の執筆者
堀江美帆
執筆テーマ:技術翻訳(日から英、もしくは英から日)

【経歴】トロント大学で博士課程取得 
カナダ在住。フリーランスで、翻訳、論文等のライター及びチェッカー
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フリーランスで技術翻訳、論文チェックを行っている堀江です。海外の顧客と取引をする際に自分の話している英語が通じているか、もしくはメールの内容が伝わっているか不安になることも多いと思います。カタカナ文字はそのまま英語として使っていいのかどうか迷うことも多いと思います。今回は翻訳の際にも注意が必要なカタカナ文字についてご紹介します。

現在、日常生活及びビジネスシーンにおいて様々なカタカナ文字が使われていますが、英語由来でないもの(パン、アンケート、アルバイトなど)、また日本独自の意味を持つ言葉(アイス、ジュース、マンションなど)、造語(オートバイ、パソコンなど)など、そのまま英訳してはいけないものもたくさんあります。

最近は特にビジネスシーンでカタカナ言葉が使われることも多く、例えば

明日のミーティングのアジェンダを全員でディスカッションして決めましょう。その際コンセンサスをとりましょう。

なんて言われたりしたこともあるのではないでしょうか?今回は特にビジネスシーンや技術翻訳の際にそのまま使ってよいのか迷うカタカナ文字について検証したいと思います。

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英語と日本語で全く使い方が異なるもの

(例)リフォーム、ピックアップ

リフォームという言葉はよく、日本では“家のリフォームをする”、“リフォームの費用、“リフォームのお見積り”などという意味で使われますが英語ではもっと固い表現として使われます。

(例)

“The official opposition party submitted a bill to introduce drug policy reform. They say that the money spent on attempting to enforce drug criminalization has not resulted in lower illegal drug production or consumption.”

(訳:野党は薬物政策改革法案を提出しました。彼らは、麻薬を取締るために費やされたお金は、違法な麻薬の生産や消費の減少にはつながらなかったと主張しています。)

“Our company policy regarding sick days was reformed due to Covid-19.”

(訳:コロナウイルスにより、当社の病欠に関する規則が変更されました。)

ピックアップは “ピックアップ製品” や “ニュースでピックアップされた話題”などという意味で使われますが、英語を母国語とする人に“pick up product”と言っても拾ってきた製品なのかなと思われてしまいます。

Pick upを使った英文の例としては、以下のようになります。

“I have to leave early today so I can pick up my wife from the airport.”

(訳:今日は妻を空港に迎えに行きたいので早退します。)

“Order online, Pick up in store”

(訳:ネットで注文し、お店で受け取れます。)

英語と日本語で使い方が同じもの

(例)ラインアップ、シェア、コストパフォーマンス

ラインアップは“製品ラインアップ” 、“車種ラインアップ”などとして使われています。どちらもそのまま英語にでき、“product line-up”, “Vehicle line-up”と言うことができます。またよくウエブサイトなどでは “check out our line-up”と書いてあったりします。シェアはよくビジネスではマーケットシェア(Market Share)として使われます。意味は同じです。コストパフォーマンス(cost performance)も英語と意味は同じです。英語ではビジネスシーンで使われることが多く日常生活ではあまり使用しません。

(例)

“Company A’s parts are more expensive than Company B’s parts, but they offer better cost performance in the long run for our use case, so we always buy from Company A.”

(訳:A社の部品はB社の部品よりも高価ですが、我々の使用条件下では長期的には優れたコストパフォーマンスを発揮するため、いつもA社から購入しています。)

英語と日本語で使い方は同じだが別の意味もあるもの

(例)スペック

スペック(Spec)はスペシフィケーション(specification)の略です。スペックという単語もそのまま使用できることが多く、“パソコンのスペック”はそのまま “PC specs” と使うことができます。(パソコンもカタカナ言葉で英語ではPCになるので注意が必要です) また“製品スペック”もそのまま”Product specs”として使うことができます。(注:英語ではスペックは普通複数形で使用されることが多いので最後に“s”を付けています。)

日本語ではハイスペックな人というように人にも使うことができますが、英語では人に使用することができませんので注意が必要です。

いかがでしたでしょうか? この記事を参考にカタカナ言葉をうまく技術翻訳やビジネスに活かせるよう役立てていただければ幸いです。

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この記事の執筆者
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