切削加工屋、メガワークス伊那工場訪問記

こんにちは!ものづくりコミュニティ・MAKERS LINK 主宰の栗原です。

月一のルーチンでこの原稿を書かせてもらっていて、気づくと、自分自身の一ヶ月ごとの振り返りのきっかけになっているんですよね。ほんの短い期間なのですが、この一ヶ月にも、様々なことがあり、いろいろと考えさせられました。コロナ禍のこの不景気は、おそらく、回復という道は閉ざされたような気がしています。もちろん、業界、業種によって違いはあるのでしょうが、少なくとも多くの製造業、ものづくりに関わる人たちの様相は、過去にないほど厳しい状況だと思われます。

私自身も、大きな転換点に立っていると思いますし、重要な決断を下すタイミングにあることも承知しています。次の一ヶ月には、どんなことになっているのか。。。あ、ひとつだけ確実に変わっていることがあります。それは、私、栗原、年齢を一つ重ねて、ついに60代になっていること。(笑)

後継者のいない同業の会社

さて、先月の記事にも書かせてもらいましたが、切削加工屋集団、team COOL MILLINGS からの話題を。

メンバーの埼玉、吉川を拠点とするメガワークス株式会社、永井社長。後継者のいない同業の会社を引き継ぐという決断をしました。埼玉、伊奈町にあるその会社。30年以上にわたって技術を磨き続けてこられましたが、経営者も従業員である職人さんも高齢で、潮時と考えられていたそうです。しかし、取引のあった永井さんのぜひとも続けてほしいとの熱意に打たれ、ならばということで、設備も看板もすべてをそのまま譲るとおっしゃったとのこと。

7月の最初の土曜日。だいぶかたちが整ってきたという、その、メガワークス伊那工場を訪問してきました!

右から、永井社長。同行の有木製作所、有木さん。栗原精機から、三代目、栗原匠。旋盤担当、岩本。私、栗原。

さすがに歴史を重ねた工場内には、もはや不要となったものも多く、その整理などは、少しずつ手作業で進めている様子です。古い機械ばかりが並んではいますが、永井イズムが少しずつ浸透して、効率よく仕事ができるようになっていました。じつは、永井社長が、まず、手を付けたのはトイレ。週末にひとりでぴかぴかに磨き上げて、週明けに社員さんが出勤して、びっくり!そんな行動で、皆さんの心を引き付けたようです。

自分の給料を下げてくれ

ある日、ベテランの社員さんから、自分の給料を下げてくれと申し入れがあったそうです。このエピソード、心打たれます。以下は、永井さん自身のSNS投稿から抜粋です。

昨日の終業時に一番年配の社員さんが話があると声をかけてきました。まさか退職の話?ドキドキしながら話を聞きました。雇用契約書を見せて自分の条件を下げてもらえないかとの話。上げてくれとは言われた事ありますが、下げてくれと言われたのは初めてだったのでビックリしました。

『自分はもう歳も70過ぎてこれから色々なことを学んで成長は出来ないと思います。50過ぎてマシニングを覚えてほぼ自己流のやり方しかできない。今の最先端の事はなかなかついていけないかもしれない、しかし、手を抜くとかそういう事はしないので心配しないでください。今まで通り頑張りますから、自分は前社長が廃業すると聞いてて廃業後は仕事が出来なくなると思っていました。しかし永井社長が引き継いでくれると聞いてまた仕事場に来ることが出来た。70過ぎて働きにこれる場所がある自分は幸せです。それだけで十分ですよ。これ以上の事は私の気が済まない』

というので、「わかりました、ありがとうございます。これからも一緒に頑張りましょう、私を助けてくださいね。」と受け入れました。本当に泣きそうになってしまいました。

こちらの工場では、試作品など、単品を短納期で収めることを得意としています。永井さんも、ベテラン職人の仕事の速さには、びっくりすると言っていました。メガワークス本社の方は、小型のマシニングセンターが主体ですので、全体として、かなり、仕事の幅が広がったと言えます。ここからは、社長の手腕にかかっていますね!

最後に

これも、永井さんご自身の言葉ですが。。。

メガワークスの経営指針書には企業使命が書いてあります。

【メガワークスの全ての基本は人です。働くということを通じて、人に愛されること、人に褒められること、人の役にたつこと、人から必要とされることを目指します。その為の場所の提供がメガワークスの使命です。】

まだまだ力の無い会社でM&Aなんてできるのか?と自問自答していましたが、事業を引き継いで本当に良かったと思います。コロナ禍で仕事は薄くこれから大変だと思いますが、社員さんの働く場を無くさない。そして、働く場の環境良くしていくことが自分のできることだと決意いたしました。

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