アフターコロナ|オンライン商談が中小製造業の営業の強力な武器に

テクノポートの井上です。

ZOOMをはじめとしたオンライン商談はコロナの影響もあり、ここ数ヶ月でスタンダードになりつつありますが、お話を伺う限り、まだ積極的に活用している中小製造業の会社は少ないようです。正直わたしもIT業界に身を置いておきながら、対面が良いと思っていて、このような状況になるまで、必要性を感じていないアナログな人間でした。急に背中を押されたような状態です。

ただ利用してみると、思ったより良いと感じる点、やりづらいと感じる点が見えてきて、工夫次第で活用できると思っています。そのオンライン商談ですが、中小製造業の営業の強力な武器になると考えており、今回はその理由について対面型の商談と比較しつつ説明します。

対面型商談について

対面型商談のメリット

  • お客様の課題をより深く知ることができる
  • 製品サンプル等の実物を見て具体的な検討ができる
  • 要件以外の雑談などから他の有益な情報の収集ができる
  • 直接会うことでお互い信頼関係が生まれる

対面型商談のデメリット

  • 商談の場をセッティングするのに時間がかかる
  • 移動に時間がかかる
  • 遠方だと気軽に訪問できない
  • 技術的な検討は社内に一度持ち帰ることが多い

オンライン商談について

オンライン商談のメリット

  • 商談までのリードタイムの短縮ができる
  • 移動時間の有効活用ができる
  • 遠方の顧客と接点を持てる
  • 商談が訪問型より気軽にできる
  • なかなか現場を離れられない工場長などの技術者も商談に参加できる

オンライン商談のデメリット

  • 双方でオンライン利用環境の準備が必要
  • 表情や感情が読み取りづらい
  • 議題以外の話はあまりできず、情報収集しづらい
  • 会うことに比べ気軽な分、関係を築きづらい
  • 用がなければ商談はできない

オンラインだからこそ提供できる価値を考える

上記のようにオンラインのメリットを見て頂くと、とても便利そうに見えます。実際利用してみるとたしかに便利です。ただ、やっぱり対面での商談の方が良いなと思う方も多いはずです。便利というだけでは利用する動機づけは弱いと感じます。

オンラインをうまく活用するためには、対面営業が出来ないから、しょうがなくオンラインを行う、というスタンスではなく、オンラインだからこそお客様に提供できる価値を見出すことが重要だと思います。その具体的な例をいくつか挙げます。

お客様が発注依頼をするまでの時間短縮に貢献

お客様が図面の製作可否を打ち合わせしたい時など、訪問の前にオンラインで簡単な打ち合わせを行うことで、お客様は早い段階で「この会社に依頼できそうか」を考えることができ、頼めそうと判断できれば何社も声をかける必要もなくなります。また、合わないようであれば、すぐに他を探すことができ、時間の無駄を省けます。

訪問のように、お互いの時間をセッティングする必要が無いため、時間が空いていれば、当日すぐにでも打ち合わせすることが可能になります。中小製造業はスピード感、対応力を売りにしている会社も多いため、その強みに磨きがかかるはずです。

より気軽な双方コミュニケーションを可能にする

オンラインをうまく活用することで、メーカーの研究開発部門や、製品開発をしたいベンチャー系企業などの技術的な相談に気軽に乗れるようになります。アイディアベースのものを一度製造側に問いかけることで、アイディアをブラッシュアップしていくケースはよくあります。

社内であれば気軽に話ができますが、社外の人間に相談するのは、ある程度仕様が固まった状態でないと、問い合わせをするハードルが高いです。

オンラインであれば、訪問と違い、相談レベルからの打ち合わせが気軽にできるようになり、問い合わせのハードルを下げられます。また、メール、電話では伝えきれないものがカバーできます。

他にも、商談では無いですが、毎日何度もコンタクトを取るような関係の深いお客様や、自社の複数拠点をオンラインで常に繋くこともできると思います。それにより、まるで同じ社内にいるように複数人、複数回のコンタクトが可能になり、劇的なコミュニケーションの変化が生まれるかも知れません。

営業の「技術に相談する」という宿題を無くす

訪問し商談をする際に、技術者も同行できれば良いですが、なかなか予定が合わず、要件を伺うためにまずは営業だけで訪問するケースも多いと思います。ただ、深い技術の話になると「一度社内に持ち帰って検討します」という場面は少なからずあるのではないでしょうか。オンラインであれば、なかなか現場を離れられない工場長などの技術者を商談の場に参加させることができます。

オンラインでお客様と商談するやり方もありますが、対面商談とオンラインを組み合わせるやり方も考えられます。例えば、営業マンがお客様先に訪問し、対面での商談を行い、技術者はオンラインでつなぐという方法です。これにより、対面商談の良いところに加え、問題解決のスピードが早くなり、また、技術者の移動時間も削れます。

訪問の難しい遠方のお客様との距離を縮める

「オンライン商談のメリット」にも記載はありますが、遠方でなかなか打ち合わせができないお客様とも容易に打ち合わせができるようになります。もしかしたら海外とのやり取りも増えるかもしれません。また、地方で製造業を営む企業にとっては、不利と見なされていたその距離感をぐっと縮めることができるようになります。オンラインで工場見学ができるようにすれば、より自社の理解を深められるようになると思います。

オンライン商談で気をつける点

オンラインと対面の商談の違い

オンラインと対面での商談では、求められるスキルが違うように感じています。どちらの商談でも、必要なスキルとしてコミュニケーション能力がありますが、対面型商談では相手の懐に入るのがうまくお客様に好かれる人が向いている気がします。つまり、雰囲気作りの上手い人です。しかし、オンラインでは議題が決まっており必要なことしか話さないため、目的や論点を明確にして商談を進める能力が重要です。

また、オンラインだとコミュニケーションの伝達力が落ちるので、そのデメリットを払拭する手段としてプレゼンツールを洗練させる(画面共有で見せる資料)などの必要性も出てくると思います。他にもオンライン特有の間(ま)であったり、相槌など、普段より大きめのリアクションを取る必要があったり、対面型と同じとは考えず、オンライン独自のノウハウを構築する必要があると思います。

最後に

コロナ禍によりオンラインを利用せざるを得ない世の中になりました。オンラインツールが昔から無かったわけではありませんが、コロナ以前なら「オンラインでやりましょう」と言っても難色を示すお客様は多かったはずです。それが双方理解される世の中になったため、オンラインが急激に浸透しました。

今後、コロナが収まっても、以前の営業スタイルに戻ることは出来ないかも知れません。対面型商談の劣化版として無理やり取り入れるのではなく、お客様とのやり取りをより円滑かつスピーディに解決できる自社の営業ツールとしてオンラインを取り込んでいく必要があるのではないでしょうか?

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