無料で工場探索「モノマド」を始めて見えてきた発注者側のニーズ

テクノポートの井上です。モノカクでも何度か紹介させて頂きました、無料で工場探索「モノマド」を本格始動させて1年が経とうとしています。立ち上げ当初は手探りで、どのような問い合わせが来るか想定できていなかったのですが、様々なお問い合わせを頂く中で、発注者側のニーズ、成約の決め手など傾向が見えてきたので紹介します。自社の営業活動に少しでもお役立ちできたら幸いです。

モノマドとは

製品製造や部品加工を依頼したい方に、専門家が代わりにサプライヤーとなる加工業者を探索・紹介する無料の相談窓口です。

弊社が技術系企業専門のWebマーケティングを行う中で構築した加工業者のネットワークを活用し、弊社が加工相談のできる窓口になることがができれば取引も広がり、よりお客様にも喜んでもらえるのでは?という考えからスタートしました。

依頼者の分類は大きく2つ

モノマドの依頼者は「ものづくりの知識や加工業者とのコネクションがあるユーザー」と「ものづくりの知識や加工業者とのコネクションが無いユーザー」に分けられます。

依頼者のタイプによって、探索背景、ニーズや成約の決め手が異なるため、モノマドが提供できる価値にも違いが見えてきました。それぞれのユーザーごとに傾向をまとめましたので紹介します。

①ものづくりの知識や加工業者とのコネクションがあるユーザー

メーカーの購買部門、研究開発部門などが当てはまります。加工方法に対する知見があり、図面を取り扱っており、従来から加工業者へ依頼経験のあるユーザーです。

探索背景とニーズ

メーカーの購買部門、研究開発部門は加工方法に対する知見があるため、明確な目的を持って相談に訪れます。

  • 「既存の会社が廃業予定のため、既存の案件ができるところを新規で探している」
  • 「必要な精度やサイズに対応できるところを探している」
  • 「コストダウンをするために、今より安い会社を探している」

等です。

コスト・技術・納期・品質・会社の継続性など、具体的な条件に見合うところを紹介してほしいというニーズが多いです。

成約の決め手はどこに

ご相談を頂く中で、成約の可否に関わるポイントで重要なものは、探索依頼に至る背景にあると考えています。例えば、大手メーカーの購買の方から加工の相談が来る際に、頂いた図面通りに加工ができる会社を探せば成約になるかというと、そうではないことがほとんどです。そもそも、大手メーカーであれば、購買ルートがあり、既存で頼んでいる会社がいるはずです。既存の会社に頼めば済むはずなのに、新規で加工業者を探しているのには必ず理由があります。なぜなら、サプライヤーの切り替えには様々なリスクが生じるため、リスクを超えてでも探す理由がそこにはあるからです。

それは、今より安い会社を探しているという場合もあれば、2社購買にしたい、地域を分散させたい、後継者のいる継続性のある会社に頼みたいなど、理由はまちまちです。その探索背景により、企業を探すポイントも変わり、成約率も大きく変わります

モノマドの提供価値について

自分で探す手段もあると思うのですが、「何でもできます、やります」というようなPRをしている会社も多いため、実は外注対応だったり、得意分野ではない場合があります。いざ相談をしてみると、返答にとても時間がかかったり、対応不可だったりすることも多いようです。自社の必要とする加工業者になかなかたどり着かない現状があります。

そのため、相談内容に対し得意な会社を選定し紹介してもらえるというのはメリットになると考えています。また、自分で探し、対応可否の確認をする手間を省きたいという要望もあります。商社に頼むケースもそのような手間を省きたいというニーズがあるのだと思います。

②ものづくりの知識や加工業者とのコネクションが無いユーザー

ものづくりベンチャーや、デザイナーなどが当てはまります。加工方法、材質知識、製品化までの流れがまだ不明確な点が多いのが特徴です。

探索背景とニーズ

  • 「どのような加工方法があるのかわからない」
  • 「加工業者にツテが無いため、どこに頼めばよいかわからない」
  • 「製品化までの道筋があまりわからない」

などの問題を抱えているお客様が多い印象です。

最適な加工方法や材質の選定、加工業者への取次ぎ、製作に至るまでのフォローをしてほしいというニーズが強いです。

成約の決め手はどこに

探索の背景は知識やツテが無いからという理由で相談頂くケースが多いです。自ら対応できそうな加工業者へ連絡すれば良いと思ってしまいますが、中には、加工業者へ相談をしても相手にしてもらえなかったり、邪険に扱われることもあるそうです。加工業者側の対応に問題があることもありますが、依頼側の要件がまとまっていなかったり、無茶な相談であったり、的外れな会社へ相談しているケースもあります。

そのため、加工方法や、材質、製品化までの流れなどを整理し、必要な要件をまとめ、製品の実現可能性を見極め、それに見合った会社へ相談する必要があります。ものづくりに知見の無い方と製造業者が円滑にコミュニケーションできるようにすることが、成約率に大きく関わります。

モノマドの提供価値について

幅広い加工相談に乗ることができ、フラットな状態で加工業者を紹介できるのがメリットになると考えています。特定の加工業者に相談すると、自社の加工範囲内での検討が主になるため、万が一、別の加工方法の方がコスト的にも最善だった場合に、それを依頼者が知ることが難しくなります。

また、製品開発までの道のりを一緒に考え、進めていくことにモノマドの提供価値があるとも考えています。製品開発のアイディア段階のお客様から相談頂くケースも多いのですが、製品開発すべきかどうかを一緒に考えることもありました。既に製品化されていたり、既製品の組み合わせで出来るものであったり、新規で製品開発する必要が無いという結論に至ることもあります。

ファブレスメーカーも増え、大手メーカーでなくても製品開発ができる時代にはなりましたが、それでも製品が完成するまでの道のりは非常に大変なものだと思います。モノマドとしては、良い製品を世に送り出すための道標となることに提供価値を見出しています。

どちらにも共通する成約に結び付く対応とは

加工の相談をするためホームページから問い合わせを入れても、連絡が無い会社や、しばらく日数が経ってからようやく返信のある会社が多いのが現状です。相談内容に魅力が無い場合もあるかも知れませんが、遅くとも翌日までに返信頂けないと、次を探さなければなりません。

実際に受注している事例を見てみると、レスポンスが早いことで話がすぐに進み、そのまま受注に結びついているケースが多いです。そのため、「技術力が高いから」「コストが安いから」などの理由よりも、レスポンスの良さが成約に大きく関わると言えます。

以上、モノマドを運営してる中で見えてきた発注者様からのご依頼の傾向でした。自社の営業活動に少しでもお役立ちできたら幸いです。

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