海外市場調査の方法①:検索需要調査、競合調査

【執筆者紹介】稲垣 達也
この記事の執筆者
稲垣 達也
【経歴】
テクノポート株式会社「海外Webマーケティング」サービスの責任者
名古屋工業大学大学院 電気機械工学専攻 博士前期課程卒業
同大学 機械工学科卒業

【保有資格】
TOEIC L&R:990/990、英検一級:合格、TOEFL iBT:108/120
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テクノポート株式会社の稲垣です。
BtoB企業向けの「海外向けWebマーケティング」サービスの責任者を務めています。

今回から3回にわたって、Googleを利用した海外の競合企業を調査する方法を説明します。第1回目の今回は、Google広告を使った検索需要調査の方法、世界各国のGoogleを利用した競合調査の方法を紹介します。今回紹介する方法は無料でできる方法なので、海外進出に少しでも関心のある方は一度自身でお試しください。

global marketing

検索需要調査の概要

  • 調査対象:海外でのキーワード検索需要
  • 目的:自社にとって有効なSEO対策キーワードを模索

Step 1 キーワード選定

このステップでは、SEO対策として使用する日本語キーワードを選定します。キーワード選定の詳しい方法は「製造業ホームページのSEO ~対策キーワード選定3つのポイント~」を参照して下さい。

Step 2 キーワード翻訳

このステップでは、選定したキーワードを翻訳し表に配置します。今回の例では、

  1. 板金加工
  2. 精密板金
  3. レーザー加工
  4. 曲げ加工
  5. 溶接加工

の5つのキーワードについて調査を行います。

まず、選定した日本語キーワードと調査する国名を下図のように表に配置します。今回は例としてドイツを対象国に設定します。

次に、調査対象キーワードを調査対象国の第一言語(例の場合ドイツ語)と英語に翻訳し表に配置します。今回の例ではDeepL翻訳を用いて翻訳しました。

翻訳を第一言語と英語の2種類行う理由は、第一言語で国内の検索需要、英語で国外の検索需要を調べるためです。

Step 3 検索需要調査

このステップでは、Google広告のキーワードプランナーというツールを用いてキーワードの検索需要を調べます。キーワードプランナーとはキーワードの検索ボリューム、競合の多さなどを調べることができるツールです。今回の例では、それぞれのキーワードの月間検索ボリューム(1カ月あたりでキーワードが検索された回数)を調べます。

それでは具体的な方法を説明します。まず、Google広告の「ツールと設定」からキーワードプランナーを検索します。

次に、「新しいキーワードを見つける」を選択します。選択するとした図のような画面が表示されます。

この画面が表示されたら、Step 2で翻訳したキーワードをコピーし、検索スペースにペーストします。次に、検索スペース右下に表示されているロケーションマーク(上図では日本と表示)をクリックするとした図のような画面が表示されます。今回の例ではドイツを調査対象国として選択し、保存ボタンをクリックします。

これで準備は完了です。ここまで完了すれば、下図のような画面になると思います。

最後に、左下の結果を表示をクリックします。すると結果画面の下部に次のような表示がでます。

今回の例で取得すべきデータである2列目の月間平均検索ボリュームを表に記録します。

今回の例では、Google広告を出しているアカウントを使用したため、月間平均検索ボリュームが数値(最大有効数字3桁)まで表示されます。Google広告を出していないアカウントの場合は、数値ではなく範囲(10~100、100~1000、1000~1万、1万~10万)で表示されるという違いがあります。

競合調査の概要

  • 調査対象:狙ったキーワードに対して検索で上位に出てくる競合企業
  • 目的:競合企業に勝るためには、どのような対策が必要になるかを探る

Step 4 競合調査

競合調査では、選定したキーワードそれぞれの検索結果に表示される競合企業の数を把握するプロセスです。このプロセスで重要になるのは、調査対象国のGoogleを利用して検索するということです。

例えば、日本の大手自動車メーカーの一つであるTOYOTAを日本のGoogleで検索すると、下図のような検索結果が表示されます。

一方で、ドイツのGoogleを使って同じくTOYOTAを検索すると、下図のような検索結果が表示されます。

検索結果から分かるように、日本のGoogleではTOYOTAの日本法人、ドイツのGoogleではTOYOTAのドイツ法人が検索トップに表示されます。つまり、ドイツで国内の競合企業を調査したければ、ドイツのGoogleを使用して競合調査をする必要があると分かります。

それでは具体的な方法を説明します。上の例で説明したように対象国における競合企業の数を調査するためには、対象国のGoogleを使用する必要があるため「世界各国のGoogle検索ページ」から対象国のGoogleを開きます。

次に、調査するキーワードを一つ選択し対象国のGoogleで検索します。今回の例では、Blechverarbeitung(日本語:板金加工)を例に使用します。

あとは、検索結果1ページ目に表示されるサイトをすべて開き、企業のサイトでないものは除外し、競合企業の数を数えます。すべてのキーワードについて競合企業の数を下図のように表にまとめれば終了です。

まとめ

今回紹介したように「Google広告」や「世界各国のGoogle検索」を利用することで、誰でも海外の競合企業調査を行うことができます。加えて、今回紹介した方法を用いることで、専門業者に依頼する前に調べられる情報はご自身で調査し、不足する情報を業者に補ってもらうということもできます。次回は、海外の競合企業の所在国、サーバー設置場所の調査方法について説明します。

弊社(テクノポート株式会社)では、製造業向けの「海外向けWebマーケティング」支援サービスを行っています。
壁打ち相談会(30分)」にてお客様の課題に合わせて、適切な施策をご提案をいたします。ぜひお気軽にお問合せください。

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この記事の執筆者
稲垣 達也
【経歴】
テクノポート株式会社「海外Webマーケティング」サービスの責任者
名古屋工業大学大学院 電気機械工学専攻 博士前期課程卒業
同大学 機械工学科卒業

【保有資格】
TOEIC L&R:990/990、英検一級:合格、TOEFL iBT:108/120
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