お役立ち系オウンドメディア立ち上げの心得

【執筆者紹介】石川玲子
この記事の執筆者
石川玲子
工業系エンジニアライター
執筆テーマ:工業・製造業系の技術情報やHP、会社パンフレット、技術開発史など
【経歴】
工学部機械工学科を卒業後、自動車業界や家電業界で機構設計系のエンジニアとして勤務。第二子出産を機にフリーライターとして独立し、工業系に特化したライターとして活動中。
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元エンジニア。工業系エンジニアライターの石川です。製造業に強いライターとして、さまざまなメーカーのコンテンツ作りに関わってきました。その経験を元に、お役立ち系オウンドメディアを立ち上げる上で注意すべきことをお伝えします。

道のりは長い。目的は明確に

まず最初にお伝えしておきたいのは、お役立ち系オウンドメディアの立ち上げには非常に多くの労力が必要です。その理由を以下に説明します。

  • 記事の質が必要
  • 記事の量が必要
  • 記事の密度が必要

お役立ち系メディアで重要なのは、検索キーワードを含んでいることだけではありません。集客のためには読んでいて「ためになった、分かった」と思わせるだけの記事の質が必要です。上手い具合に検索からたどり着いてもらっても、読むに値しない記事では、集客につながるどころかマイナスの評価をつけられてしまいます。

また記事の量も必要です。どんなにいい記事を用意しても、その数が少なければ「企業のサイト」として信頼感を得られません。例えばお役立ち情報の仲間である料理レシピを集めたサイトをイメージしてください。どんなに美味しいレシピがあっても、レシピの数が1つや2つしかなければ、そのサイトを訪れる回数は増えません。ユーザーに「困ったときにはここを見ればいい」と思ってもらうためには、ある程度豊富なお役立ち情報記事が必要です。

また情報の密度も重要です。掲載されている記事の数が多くても、同じジャンルの記事が少なければ役に立ちません。先ほどの料理レシピサイトの例を用いるならば、料理の総数が多くてもジャンルが広がりすぎていて「卵レシピ」や「和食」と検索しても数本のレシピしか出てこない状況です。例えば不意に大量の卵が手に入ってしまったときのように、困りごとがあって検索する場合には、近しいジャンルの記事がある程度そろっていなければ「ためになった」とは思ってもらえないのです。

できるだけ短い時間で質、量、密度を確保するためには、目的を明確にし、突き進む必要があります。途中で目移りし、頻繁に方針を変えていたのでは、いつまでも目標を達成できないでしょう。

焦って他社と比較をしない

SEO対策をする上で、検索された数などを分析し、成果を確かめるのは重要です。しかしお役立ち系記事の場合、すぐには結果につながりません。

第一の理由として、前述の通り、お役立ち系記事は1記事、2記事を上げた程度では集客につながりません。長い目で見て、じっくりと実績を積み上げていかなければならないのです。またオウンドメディアの立ち上げはもう何年も前に着手し、すでに手引書レベルの情報を揃えている企業も少なくありません。数本の記事を上げた程度で、そういった企業と同様の成果を得ることはできません。記事の内容に独自性を出そうと考えるケースもありますが、基本的に知識は体系だっているものであり、正しいつながりや展開を無視するわけにはいきません。肉じゃかのレシピが多少の差はあれど、だいたい同じなのと同じように、知識を伝えようとする記事で独自性を求めるのは得策とはいえません。

継続は力なり。コツコツ続けましょう

お役立ち系オウンドメディアに限った話ではありませんが、情報発信を集客につなげる際に最も大切なのは、コツコツと続けることです。お役立ち情報系のオウンドメディアを立ち上げるのは、教科書を丸ごと一冊書き上げるくらいのエネルギーが必要になります。もしかしたら長い時間がかかってしまうかもしれません。それでも情報に厚みが増せば増すほど、強いメディアに成長するのも事実です。

お役立ち系オウンドメディアを立ち上げる際には、まず目的を明確にし、地道に記事を増やしていきましょう。

この記事の執筆者
石川玲子
工業系エンジニアライター
執筆テーマ:工業・製造業系の技術情報やHP、会社パンフレット、技術開発史など
【経歴】
工学部機械工学科を卒業後、自動車業界や家電業界で機構設計系のエンジニアとして勤務。第二子出産を機にフリーライターとして独立し、工業系に特化したライターとして活動中。
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