開発設計者に興味をもってもらえるコンテンツの作り方

こんにちは、テクノポートの永井です。

技術を採用してもらう場合、「技術の提供側」が「技術を必要としている人」に自社の技術の良さを納得してもらわなければなりません。

多くの企業では新製品開発、製品の改善、不具合対応など、様々な技術的課題を抱えています。それを解決するために、新しい技術の導入を行うのは開発設計者の役目です。つまり、自社の技術を導入してもらいたい場合は、彼らの目に止まり、納得してもらう必要があります。今回はそんな開発設計者に興味をもってもらえるコンテンツの作り方について紹介します。

開発設計者は何を考えているのか

開発フェーズによって抱えている技術課題が異なる

開発設計者へ技術を伝えるためには、まずは開発設計者がどういう状況で、何を考えているのかを知る必要があります。製品の開発には様々なフェーズがあり、各フェーズで求められる技術が異なります。

例えば、新製品開発フェーズは開発期間が長く、開発設計者はまだ世の中で使われたことのないような新しい技術を入れてみるなど、様々なチャレンジが許されます。一方で、不具合対応では、今の課題をすぐに解決できる確実性の高い技術を求めています。

このように開発フェーズによって求められる技術レベルが異なるため、各フェーズにおける開発設計者の気持ちを理解し、情報の提供方法を工夫する必要があります。

開発フェーズと求められる技術のまとめ

開発フェーズ 開発期間 求められる技術レベル 技術者の気持ち
新製品開発 長期開発
(1年〜5年)
研究段階の新技術も歓迎 失敗してもOK
既存製品の改善 中期開発
(半年〜2年)
量産を前提とした技術 何回か失敗してもOK
不具合対応 短期対応
(数ヶ月)
実績もある確実な量産技術 失敗は許されない

新製品開発のときの開発設計者の置かれている状況

新製品の開発の場合、製品の構想が事前にあることもあれば、ものになるかわからない製品の開発など様々です。そのため、開発設計者はできる限りいろいろ試してみようという気持ちで開発を行っています。

新製品開発には魔の川、死の谷、ダーウィンの海と言われる大きな3つ壁があると言われ、その壁を乗り越えるために新しい技術を求めています。

魔の川は自社の技術を使えばどのような製品が実現かを試行錯誤している段階を指し、自社の技術と組み合わさることで真価を発揮してくれる技術を求めています。このときは製品化を具体的に考慮していないため、求める技術も研究段階のもので問題ありません。それよりも「製品を作ることができるかどうか」が重要になります。

死の谷は製品を量産化するための課題を解決する段階を指し、安全性、品質、コスト、量産性、製造方法、供給体制など、あるゆることを検討します。そのため、求める技術は量産が可能な製造技術がメインになってきます。このときは技術のみならず企業の品質管理体制など、技術とは別の部分の情報も求めています。

ダーウィンの海は競合製品に勝ち、シェアを奪うための期間で、技術者にとっては待ちの状態になるか、コストダウンや品質などの改善技術が求められます。

このときの技術者の気持ちはリチウムイオン電池を開発し、ノーベル賞を受賞した吉野氏の著書「科学と人間 電池が起こすエネルギー革命」に詳しく載っているので、ぜひ読んでみてください。

3つの壁についてのまとめ

  • 魔の川:研究→開発に移る際の壁。研究段階の技術が何の役に立つかを探索する段階
  • 死の谷:開発→製品化に移る際の壁。安全性、品質、生産体制など製品化に必要となる課題を解決する段階
  • ダーウィンの海:新製品がお客様に受け入れられるかどうかの判定期間

既存製品を改善するときの開発設計者の置かれている状況

既存製品を改善するときは、競合調査や自社技術の応用などで既存製品の「機能の向上」や「追加したい機能」など、ある程度開発の方向性は見えている状況です。自社に足りない技術についてもある程度明確になっているため、闇雲に技術を探すことはありませんが、基本的には「量産時にも採用できる技術」を探しています。

既存製品が量産体制に入ってる中で、あえて量産技術になっていない技術を取り入れるような冒険はしません。ただ、量産時にも採用できる見込があれば、量産の実績は問われないケースもあります。また、この段階では技術を試すために積極的に試作品の製作も行うため、技術の提供側としては絶好の機会になります。

不具合対応をするときの開発設計者の置かれている状況

不具合のレベルにもよりますが、短期で確実な対応が求められます。また、製品の変更が大きい場合は耐久試験など、検査項目が増えるため変更点はできるだけ少なくしたいというのが設計者の想いです。そのため、不具合対応をするときの開発設計者に求められる技術としては

  • 精度のバラツキをなくす加工技術
  • 表面の物性値を変える表面加工技術
  • 不具合品を流出させない品質検査技術

など、製造技術に近い技術を求めています。この段階は技術導入の決定が早く行われる場合が多いため、技術の提供側にとっては入り込みやすい状況です。

開発設計者に興味をもってもらえる技術コンテンツの作り方

各フェーズにおける開発設計者の置かれている状況を踏まえて、本題であるコンテンツの作り方を紹介します。

新製品開発をしている開発設計者にささるコンテンツの作り方

新製品開発のときには、開発設計者は新製品づくりの「きっかけとなる技術」を求めています。そのため、具体的な技術だけではなく、役に立ちそうな技術であれば、研究段階の技術にも興味を持ってもらえます。「技術の提供側」は自社の技術がどのように役に立つかどうかを相手に想像してもらうために、技術の説明だけではなく、具体的にどのようなことができるかも併せて書くことが大切です。

  1. 自社技術のコア部分の説明(何ができるようになったか)
  2. この技術を使えば、なにが → どうなる という事例をできる限り洗い出し、掲載。事例は仮説でも大丈夫です。ただし、イラスト、写真、動画など、用途がイメージできるように工夫してください。
  3. 共同開発体制や技術の提供方法について掲載

例えば、精度の高い画像処理技術を持っていた場合

  1. 自社技術のコア部分の説明
    独自理論により、数ミクロン単位の精度で測定が可能
  2. この技術を使えば、なにが → どうなるという事例
    ・高精度の非接触測定機への応用が可能
    ・ミクロン単位でのロボット制御が可能
    ・超小型製品の自動ピッキングへの応用が可能
    ・顔の識別精度の向上
    ・コピーブランドの識別が可能
  3. 共同開発体制や技術の提供方法について
    弊社の技術を貴社の製品に応用するための共同開発も行います。画像認識技術者の他に、ロボットや製造、流体力学など様々な専門知識をもった開発体制を整えています。

このように、「この技術があれば何かできそう!」と興味を持ってもらい、さらに「この会社だったなら一緒にやっていけそう!」と背中を押せるるようなコンテンツの作り方をすることが大切です。

既存製品の改善をしている開発設計者に刺さる技術コンテンツの作り方

既製品の改善(自動車でいうところのマイナーチェンジ)のときは、向上させたい機能のレベルや追加したい機能がある程度固まっているため、求められる技術の概要は決まっています。そのため、技術の提供側は既存の競合技術との違いがどれくらいあるのか、スペックや数値によって具体的に見せることが有効です。また、改善のときは下記のような製造項目の見直しも行われるため、それを実現する技術も求められます。

  • コストダウン
  • 軽量化
  • 小型化
  • 品質の改善(歩留まりの向上)

最後に、技術とは少し違いますが量産性もある程度考慮して探している場合が多いため、量産体制についても記載しておくほうが良いでしょう。

既存製品の改善をしている開発設計者に刺さる技術コンテンツの作り方

  1. 自社技術を生かした提案
  2. 既存技術や競合との比較をグラフや数値を使って明確に差別化
  3. 実績の掲載
  4. 量産体制について説明

例えば、樹脂成形が得意な場合

  1. 自社技術を生かした提案
    金属材料から樹脂に変換することで、コストダウンと軽量化を提案
  2. 既存技術や競合との差別化を、グラフや数値で明確に
    ・鉄からPPSに変更の場合、コスト30%、重量50%削減可能
    ・アルミからPPSに変更の場合、コスト20%、重量20%削減可能
  3. 実績の掲載
    ・水道の配管設備への実績あり(年間3万個)
    ・センサー・ハウジングへの応用実績あり(年間5万個)
  4. 量産体制について説明
    射出成形機を多数保有しているため、年間10万個以上の量産にも対応できます。

不具合対応をしている開発設計者に刺さる技術コンテンツの作り方

不具合対応のときは、なるべく早く解決できる具体的な技術を求めていますが、図面を大幅に変えるような大きな変更はしたくないとも思っています。技術の提供側としては「製品の故障」の原因と紐付けて技術を説明すると伝わりやすくなります。不具合の原因として下記のようなものが多くあります。

  • 焼付き
  • 錆び
  • 腐食
  • 摩耗
  • 熱ダレ
  • 加工精度のバラツキ
  • 光による劣化

また、量産を前提としているため、ワークサイズ、量産実績、品質管理など、製造するための具体的な情報も求めています。

不具合対応をしている開発設計者にささる技術コンテンツの作り方

  1. 自社の技術を使えば、どのような不具合の改善に役立つか説明
  2. 自社の技術の説明
    物性値の変化がわかるように説明
  3. 製造方法に関する情報を掲載
    対応可能ワークサイズや品質管理方法など
  4. 実績の掲載
  5. お客様の声の掲載(できれば)
    実際に自社の技術が使われてどうなったかというお客様の声が有効

例えば、摩擦係数を小さくできるめっき技術を持っていた場合

  1. 自社の技術を使えば、どのような不具合の改善に役立つか説明
    弊社のめっき技術により、油を使えない高回転領域による焼付きの改善と耐食性の両方を実現できます。
  2. 自社の技術の説明
    ○○めっきには○○が含まれているため、摩擦係数は従来の○○めっきと比較して10%程度低くなります。そのため、これまで難しいとされた高回転領域においても熱が発生しづらく、焼き付きを改善できます。また、耐食性も高いため特殊なオイルにも適用可能です。
  3. 製造方法に関する情報を掲載
    ○○○○×○○○○のめっき層を保有しているため、ワークサイズは最大○○○○×○○○○まで可能です。ただし、量産を考慮すると○○○×○○○でおよその○○○個/月の生産が可能になります。
    品質管理はISOの取得はもちろん、初品のめっき厚、硬度などの検査を行っています。
  4. 実績の紹介
    ・自動車の高回転領域のワッシャー
    ・自転車の軸受
    ・ロボットの可動部品
  5. お客様の声の掲載
    焼付きで困っているところにこのめっきについて知りました。従来のめっきでは最大10,000rpm以上にすると焼付きが発生したのですが、このめっきを使うことで最大15,000rpmまで性能を上げられるようになりました。

まとめ

開発設計者に興味をもってもらうためには、開発設計者の状況に合わせた情報を発信することが大切です。自社の技術の見せ方を一工夫するだけで、興味を持ってもらいやすくなります。

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