未来を支える 次世代のものづくり職人たちにインタビュー
令和になり、「好きなことで生きていこう!」というキャッチフレーズを多く聞くようになりましたね。終身雇用の時代も終わりを告げ、特にこれからを生きる若者にとっては、会社に守ってもらう働き方ではなく、自分の特技を生かして食いっぱぐれないようにする、生きる力が求められています。
一方、企業側では少子高齢化や働き方の選択肢が増えたことによる人手不足に悩んでいます。この悩みは製造業でもとても深刻です。ものづくりの自動化が進み、仕事内容が見えにくくなっている中で、今までのものづくりを支えてきた熟練社員たちの定年退職が持ったなしの状況!その熟練社員しか持っていない技術が若手に受け継がれる前に途絶えてしまうケースが多くなっているそうです。
そんな時代の中で、これからのものづくり業界を担う次世代は今どんなことを考えているのか、そんな思いでいても立ってもいられず、インタビューに行ってきました。
1年生の実習室
埼玉県立中央高等技術専門校
伺ったのは埼玉県立中央高等技術専門校。機械制御システム科・空調システム科・情報制御システム科と3つの科があり、生徒たちは2年間のうちに技能の基礎から実際の現場で役立つ応用技能までを学んでいます。今回は機械制御システム科をインタビューさせていただきました。
さっそく1年生が実習中の教室を見学させてもらうと、同じ型の汎用旋盤がずらっと20台ほど並ぶ実習室で生徒たちが黙々と課題に取り組んでいました。
削るための刃を近づけては離しを何度も繰り返し、心なしかレバーを引く手にも緊張が走っている一人の生徒に話しかけてみると「ちょうど仕上げの部分なのですごく緊張しますね。でももう少しで出来上がるので、出来上がりが楽しみです。」と笑顔で答えてれくれました。
2年生の実習室
2年生の教室では1クラスが2つのグループに分かれて卒業制作の真っ最中。グループごとに設計担当、プログラムミング担当、加工、組み立て担当など役割に分かれて作業をしています。
2年生では先生たちからもらった課題を図面通りに作っていましたが、2年生では自分たちで企画して図面を引き、それ通りに作れるかトライアンドエラーの連続ですが、グループの仲間たちと意見を出し合いながら楽しんで向き合っているようです。
2年生にインタビュー「これからどんな仕事をしていたいですか?」
今は楽しく卒業制作に向き合っている生徒たちも、4月からは社会人です。そんな卒業を控えた2年生に、これから社会人になってどんなことにチャレンジしてみたいか聞いてみました。
1人目は笑顔でインタビューに答えてくれた鈴木凌太君。
「飛行機の部品と医療関係を作る会社に内定をもらっています。もともと普通科高校の出身だったので、ものづくりの世界に進むことは心配もありますし、難易度も高いと聞いていますが、飛行機部品を作る仕事に携わって、人命に関わる仕事に誇りを持って取り組めたらと思っています。」
2人目は慌ててマスクを外してインタビューに答えてくれた清野千聖君。
「医療関係のカテーテルや装飾品の貴金属などのかなり細かい作業が必要な会社に内定を頂いています。インターンで「極繊細加工」という髪の毛ほどの細い先端を鉛筆の様に尖らす体験させてもらったのですが、その時は上手くできなかったんです。なので今学校にいる間にもっと技術を磨きたいと思います!」
あっという間の2年を終えて
あっという間の2年間を終えてものづくり企業に就職していく生徒たちですが、その2年間を通して、ものづくりに対しての興味や誇りがどんどん芽生えて行っているように感じました。
彼らが大好きなものづくりに没頭して、これからの時代を支えるプロフェッショナルとしての活躍を期待するインタビューになりました。