中小製造業Facebook活用の可能性について
ホームページと同じように仕事を増やしたい、と言ってFacebookページを始める中小製造業者が周りで増えてきていますね。
中小企業にとってソーシャルメディアの活用が必須の時代になろうとしている中、とても良い傾向だと思う一方で、まだまだ勘違いされている部分も多いと感じています。
そこで、今回は中小製造業のFacebook活用の可能性について、書いてみたいと思います。
中小製造業の経営者のお話を伺っていると、よく耳にする下記の勘違いについて考えてみたいと思います。
プライベートは個人アカウント、ビジネスはFacebookページで使い分ければいいんでしょ?
これは致命的な勘違いになります。そもそも中小企業の経営者がプライベートだけの目的でFacebookを始めるのもどうかと思うのですが…私は中小製造業者の場合、Facebookページよりもむしろ個人アカウントの方が仕事につながりやすいと考えています。
そもそもリアルの世界でも、中小企業の経営者はプライベートとビジネスの境界線が非常に曖昧です。Facebookという世界はリアルの世界の延長線に過ぎないので、Facebookだけプライベートの世界を作ることは実質的に不可能なはずです(経営者の場合、社名を書かなくても名前で存在がバレてしまいますので)。
経営者であれば顧客や取引先と嫌でも繋がってしまいます。なので、個人アカウントはプライベート用などと考えて経営者らしからぬ言動をしていると、ビジネス面で大きなマイナスとなってしまいます。経営者たるもの、人の目がある場所では隙のない言動を心がけるべきなのです。
しかし、個人アカウントのビジネス活用は中小企業の経営者にとってこれは大きなチャンスです。何故なら大手企業の経営者や従業員には絶対に真似できない事だからです。コンプライアンスの関係などで、会社の看板を背負って個人アカウントを使って仕事をすることは絶対にできないはず。つまり、Facebook個人アカウントにおけるビジネス活用の主役は中小企業なのです。
とは言っても、中小製造業の経営者が個人アカウントでどうビジネスに繋げるのか、イメージが沸かない方も多いと思います。
そこで、リアルの世界で中小製造業がどのように仕事を広げているか考えてみると、大きく分けて2つの方法があるかと思います。
・ホームページや展示会を活用した新規営業開拓
・異業種交流会や組合・会合への参加による仲間取引の拡大
Facebookで仕事を広げる時は後者のイメージに近いと思います。まずFacebook上では上述したように大手企業の(ビジネスを目的とした)ユーザーはほとんどいませんので、メーカーとの取引を期待するのは間違いになってきます。
そうなると知合いのつながりにより人脈形成していく形になるのですが、それはリアルの世界で異業種交流会や組合・会合に参加することで仕事に繋げていく方法と非常に似ていると思います。社長が足を使ってコツコツと人脈を作って仕事を広げていく…Facebookではこの活動が効率的に行えるのです。Facebookで人脈を広げ、仕事に結びつけている人の多くが、リアルの世界での人脈形成能力に長けているように見受けられます。
色々と話を聞いていると、中小製造業でFacebookを活用し仕事を獲得している方の多くが、Facebookページではなく個人アカウントの活用によるものだと感じています。つまり、リアルの世界で経営者が己の人脈を活用して仕事を獲得する様がFacebook上でも同じように行われている、ということです。
ということで、今からできる具体的な個人アカウント活用法として「仕事に繋がりそうな人脈を積極的に形成する」、「プライベートな投稿はそこそこに、ビジネスに繋がりそうな投稿を行う」、「仕事に繋がりそうなリアルイベントにはどんどん参加する」といったような事を実践してみてはいかがでしょうか!
最後に、、勘違いして頂きたくないのが、決してFacebookページの活用を否定している訳ではない、ということです。今回言いたかったのは、個人アカウントの活用が仕事に繋がるという事実と、仲間取引を拡大するには個人アカウントの方が向いている、ということです。
個人アカウントとFacebookページの目的設定、運用方法を使い分けて頂いた方が良い、ということを肝に命じて考えて欲しいのです。中小製造業のFacebookページ活用法に関しては、また後日書きたいと思います。
ではでは。