製造業のためのデジタルマーケティング

テクノポートの徳山です。ここ最近、弊社にもデジタルマーケティングの相談が少しずつ増えてきました。そこで、製造業を中心とした技術系企業がデジタルマーケティングを成功させるためのポイントを「モノカク」で紹介していきます。一記事では書ききれないため、テーマごとに記事を分けて書いていきますが、今回は概要編だと捉えて読んでいただければ幸いです。

デジタルマーケティングとは

改めてデジタルマーケティングの定義からご説明します。デジタルマーケティングとは、獲得したリード(※)をデジタルツールを活用して育成し、リードの購買意欲を可視化することでクロージングの優先順位をつけ、効率よく顧客化していくための一連の流れのことをいいます。BtoBマーケティングにおいて非常に有効な手法として数年前から注目を集めています。

※リードとは、名前、所属、連絡先が明らかになっている、将来的に自社の顧客になり得る「人」の情報のことです。

 

デジタルマーケティングの進め方

デジタルマーケティングの基本的な流れは、リード獲得(リードジェネレーション)、リード育成(リードナーチャリング)、クロージング(リードスコアリングして効率的に顧客化していく)の3STEPです。この一連の流れをMA(マーケティングオートメーション)などのITツールを活用し一元管理します。専門用語が多いので、一つずつ解説していきます。

リードジェネレーション

リードジェネレーションとは、リードを獲得するための活動のことです。その方法は大きく分けてオンラインとオフラインとで分けられます。オンラインの場合は、自社で運営するオウンドメディア内でメルマガ登録、PDF資料ダウンロードなどを行う際にユーザの名前、所属、連絡先などの情報(リード情報)を獲得します。オフラインの場合は、イベント・展示会などで収集した名刺情報がリードとなります。

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リードナーチャリング

リードナーチャリングとは、リードを育成し顧客化するための活動のことです。リードへ定期的なコミュニケーションを取る中で関係性を向上させていきます。BtoBマーケティングの場合はメルマガなどの送付が主な活動となるでしょう。

リードには「短期的に顧客化できるリード」と「中長期的に顧客化するリード」の2種類あり、それぞれのリードにとって役立つ情報が違うということに注意が必要です。

例えば、前者には製品周辺コンテンツ(製品パンフ、事例、価格表など)、後者には非製品コンテンツ(業界情報、技術解説コラム、統計レポートなど)を提供するとよいでしょう。

非製品コンテンツの作成には大きな労力がかかりますが、せっかく獲得したリードと関係性が切れてしまうと他社へ取られてしまう可能性が高まります。労力を惜しまず長い目でリードとの関係性を構築する必要があります。

 

リードスコアリング

リードスコアリングは、リードの購買意欲を可視化(スコア化)することです。限られた営業リソースに対し、リード数が膨大でマンパワーだけではすべてをフォローしきれない場合に、顧客獲得活動を効率的に行うために役立つ手法です。

昔はこの作業を属人的に行っていたため、営業マンによってパフォーマンスの差が出たり、リードが増えすぎると管理しきれなくなったりしていました。リードスコアリングはMA(マーケティングオートメーション)ツールの機能として盛り込まれており、スコアリングの定義さえ決めておけば、購買意欲の高まったリードを自動通知してもらえるようになります。

リードを膨大に保有している企業は、デジタルマーケティングを推進する上でMAツールの導入は必須となるでしょう。

 

マーケティングオートメーション

マーケティングオートメーションは、前述したデジタルマーケティングの一連の流れ(リードジェネレーション→リードナーチャリング→スコアリングしてクロージング)を一元管理することのできるITツールのことを言います。

これまで企業で使われてきたSFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム)とは違い、デジタルマーケティングの活動の支援に完全にフォーカスしています。

SFAやCRMなどのツールでもリード情報の管理やメールの一斉配信などを行うことはできましたが、リードスコアリングのような購買意欲を可視化することはできませんでした。リードの数が膨大であればあるほど、スコアリングの精度がデジタルマーケティングの成果を左右しますので、マーケティングオートメーションの重要性が高まります。

 

デジタルマーケティングに関わるFAQ

上述した基本的なデジタルマーケティングの進め方に加え、お客様からよく聞かれる質問をまとめました。

カスタマージャーニーの制作は必要なのか

デジタルマーケティングのことを調べると、まずはカスタマージャーニーを作ってみようという話がよく出てきます。カスタマージャーニーとは、商品やサービスを見込み客の行動を分析して、認知から検討、購入・利用へ至るシナリオを時系列で捉えるマーケティング用語です。

見込み顧客を購買意欲をもとにしたフェーズに応じて提供するコンテンツを考えることができる、という意味では有効な手法ですが、私はBtoBの技術系企業においてカスタマージャーニーの作成は必須ではないと考えます。理由としては、BtoBマーケティングの場合、顧客の購買活動は論理的に行われ、見込み顧客の購買意欲の動きが比較的フォーマット化できるからです。

技術系企業のカスタマージャーニーであれば、技術課題の発生→解決策の調査→解決方法の絞り込み→選定、といった流れは共通(フォーマット)であり、業種により僅差があるにせよカスタマージャーニーを作るほどではないと考えられます。

それよりも技術課題が発生した際に、自社技術を顧客企業へ見つけてもらうにはどうしたらよいか、といった点を集中的に考えたほうが有効的であると考えられます。自社技術の棚卸しをしっかりと行うことと、技術を分かりやすく伝える技術を身につけることでその可能性は高められます。

 

キラーコンテンツとなる顧客事例をどう作るか

顧客事例はデジタルマーケティングを推進する上で一番のキラーコンテンツとなります。BtoBの場合、取引金額が高額な場合が多く、顧客の心理としてして「失敗できない」という想いが一層強まります。そのため、企業からの一方的な情報提供ではなく、第三者の評価が重要になります。

第三者評価を高めるために有名なメディア(TV、新聞、雑誌など)に取り上げてもらうという方法もありますが、必ず取り上げてもらえる保証もなくハードルが高いので、気軽に社内で制作できるコンテンツとして顧客事例は非常に有効的と言えます。

また、顧客事例は自社内で永続的に増やし続けられる上に、完全にオリジナルコンテンツとなるため、Web上での評価も高い、というメリットもあります。

 

展示会出展の成果をデジタルマーケティングの活用で高められるのか

展示会にて獲得した名刺をデジタルツール上で管理することで、成果を最大化することができます。まずは下記のようにリードをランク付けしていきます。

  • リードA…すぐに購買につながる顧客
  • リードB…興味関心はあるが、すぐには購買につながらない顧客
  • リードC…ひやかし客

リードAのすぐに購買につながる顧客(見積りやデモ依頼にすぐに結びつく)は全体の数%程度なので、このような顧客は営業から直接連絡させればOKです。

主にリードBをデジタルで管理し、リードナーチャリングしていくことが重要です。これらのリードBは中長期的に購買意欲が高まる可能性があるが、そのタイミングが掴みにくいので、ナーチャリングコンテンツで繋がりつつ、スコアリングが高まったタイミングでクロージングを行うことで、受注へ繋げていく必要があります。

一度に数百〜数千という大量にリードを獲得できる展示会は、すべてのリードを営業だけでは管理しきれないので、デジタルマーケティングを推進することでその費用対効果を大きく高める可能性をぐっと引き上げてくれます。

 

今回はデジタルマーケティングの概要のみ書いていきましたが、次回からデジタルマーケティングの工程を分解し、工程ごとに詳しく書いていきます。デジタルマーケティング推進にご興味のある方は気軽にご相談ください。

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