エヌプラス ~新たな価値をプラスする素材・技術の展示会~レポート(前編)
2019年9月11日(水)から9月13日(金)の日程で、東京国際展示場にて「エヌプラス ~新たな価値をプラスする素材・技術の展示会~」が開催されました。元メカエンジニアの工業製造業系ライターの馬場が、展示会の様子や気になる製品などをレポートします。前編では展示会の概要を紹介していきます。
素材を中心とした各種技術を展示
エヌプラスは、プラスチックや金属材料などの素材系を中心に、多岐にわたる技術、製品が展示されています。以下の展示会が同時開催され、全体でエヌプラスとなっています。
- セルロースナノファイバーEXPO(CNFEX)
- マイクロプラスチック対策展(MI-CONEX)
- プラスチック高機能化展(N-PLEX)
- 軽量化・高強度化展(MALSEC)
- コーティング・表面処理展(COAT-TEC)
- 接着・接合・ファスニング展(JOINTEC)
- 耐熱・放熱・断熱展(HEAT-TEC)
- 受託・加工技術展
来場者としては、自動車、電機・電子、化学・金属、機械、航空・宇宙などの製造業の現場に関わる人をメインターゲットとしています。
会場は、東京ビッグサイト青海展示棟Aホールの3分の1ほどの広さ。隣のBホールと、Aホールの残りのスペースで開催されている、食品製造機械や飲食サービスなどに関する展示会と会場がつながっているため、金属や樹脂の展示を見て歩いていたら、突然肉を焼いているというような、ちょっと変わった展示会場でした。
環境問題に対応した製品展示
展示内容はかなり幅広い分野に分かれていました。樹脂系の素材や、それに関わる製造装置に関する展示が比較的多いものの、精密プレスやめっき加工といった金属関係の展示も各種でていました。
近年、プラスチックストローやビニール袋などによる海洋ごみ問題が注目されており、生分解性プラスチックやセルロースナノファイバーなど、環境負荷に配慮した製品の展示コーナーには多くの人が集まっていました。技術的な向上はもちろん、普及に向けた取り組みも重要になっています。
他にも、環境問題対策ということでは、溶剤の処理装置、冷却効率を上げるための遮熱塗料、環境負荷の少ない金属面の腐食防止剤など、各種展示が見られました。環境問題に対する技術は、今後さらに大きな市場になっていきます。
電鋳、研磨、表面処理、塗装、受託など幅広い展示
エヌプラスは割とコンパクトな展示会でしたが、かなり幅広い分野の展示が行われていました。例えばこちら。
日本電鍍工業株式会社で展示されていた、めっき済みのサックス。形状は通常のサックスと変わらないと思うのですが、なんともメカメカしい色合い。無駄に欲しくなります。吹けないですが。
ちなみに、こちらの拳は、ボクシングチャンピョンのマニー・パッキャオのものだそうです。なぜ、ここに。
こちらはバレル研磨専門の会社、東商技研工業株式会社の展示スペースにあったバレル研磨用の研磨石とその研磨サンプル。こうやって並んでいると、雑貨屋で売っているパワーストーンのように見えなくもない。東商技研工業株式会社は、新潟の燕市にあるので、燕市の金属製品のバリ取り、光沢出しはこの石で行われているというわけです。
そして、エヌプラスの会場の一角では、同時開催でEV・PHV普及活用技術展(EVEX)、衛星測位・位置情報展(EVEX・SATEX)も開催されていました。
こちらは、その中の展示でMIRAI-LABO株式会社の太陽光発電舗装パネル「Solar Mobiway」。道に設置する高耐久性の太陽光パネル。車が上を走っても大丈夫です。従来の太陽光パネルよりも軽く滑らないので、屋上や駐車場などの既存のスペースに設置が可能。これなら人が出入りするデパートの屋上とかにも設置できます。
今回は「モノカク」を運営するテクノポート株式会社も、協力工場5社とともにエヌプラスに出展していました。最適な製造業者を無料で探索・紹介するものづくりの窓口「モノマド」を紹介しています。
(キャプション:株式会社栗原精機)
(キャプション:大東電気株式会社)
(キャプション:株式会社ダイイチ・ファブ・テック)
(キャプション:アツミ工業株式会社)
(キャプション:株式会社モリセ精工)
後編では、エヌプラスで展示されていた、気になった製品、技術を紹介していきます。