町工場ぶっちゃけ対談 vol.12 ~meta mate オープン直前!特別対談~

こんにちは!会いに行ける町工場社長、栗原です!

秋ですね~。いろいろと楽しみが待っている秋ですが、今年は、なんといってもラグビーワールドカップです!4年に一度じゃない、一生に一度だ!ですよ(笑)もちろん、ラグビーだけじゃない。この秋、ものづくり界にも、見逃しちゃいけないイベントが目白押しです。各地でオープンファクトリーや展示会など、たくさん開催されます。ちょっと目についたものだけでも・・・。詳しい情報は各リンク先をご覧ください。

9月27日(金)グランドオープン

そんなこんなで、大忙しのものづくり界隈ですが、とくに我々、金属加工に携わる者たちにとって外せないビッグニュースがあります!

2019年9月27日(金)、COREDO室町テラス2F「誠品生活日本橋」内に、meta mate 1号店 グランドオープン!meta mate (メタマテ)は、広島県福山市の精密鋳造部品メーカー、株式会社キャステムさんが、アイアンカフェに続いて展開する「金属という熱が伝わりやすい素材を通して人から人へ温かい思いを届ける」をコンセプトとしたメタルギフト・ワークショップのお店です。

今回は、その開店準備に奔走中のお三方、店長の戸田有紀さん、General manager(店長のお目付け役?)の長瀬友行さん、そして紅一点は、プロジェクトメンバーとしてデザイン面を担当されている、眞鍋玲さんにお話をいろいろと伺ってきたので、対談形式でお届けしたいと思います。

アイアンカフェからメタマテへ

栗原:では、まずは、アイアンカフェからメタマテへのいきさつをお聞きしたいと思います。

戸田:アイアンカフェは、キャステムとして初めてのお店で、新たなチャレンジの3年間でした。その3年間の経験をもとに、さらに、新しい場所で新しいコンセプトですべてをアップデートして生まれ変わるのが、メタマテです。

長瀬:もともと”カフェ”をやりたかったわけではないですからね。製造業のキャステムとしては、B to Bの仕事だけに頼ることの危機感は常に持っていて、そこで、まだまだ攻めていない市場である、B to Cへの足掛かりという役目が、アイアンカフェにはあったわけです。一般のお客様向けの商品をただ作って売るだけじゃなくて、お客さん自身の潜在的なニーズを調査しながら製品づくりに活かしていく。ものづくりの相談のできるカフェだったらニーズを引き出せるという考えからです。

栗原:でも、目的を果たしたとはいえ、そのアイアンカフェが無くなってしまったのは。。。自分にとって、とっても居心地がいい場所だったんですよ。ご存知だと思いますが(笑)

長瀬:コンセプト自体は素晴らしいと今でも思ってますよ。できることならまた復活させたいと思うくらい。ただ、会社として、3年間という期限の中で、との結論です。ここからは、メタマテで、もっとお客さんにコミットしたサービスを展開していこうということです。

栗原:私も同じ製造業の中にいて、B to Cの難しさは痛感しているんですよね。町工場の連中、みんなやるけど、遊びで終わる。本格的にやろうとするとなかなかね。ここをビジネスにまで高めようっていう決断には、勇気、覚悟がそうとう必要だったんじゃないかって思います。

長瀬:たしかにハードルは高いと考えていて、個人のお客さんの求めているものと、企業対企業で求められるものとが、違いすぎる。そこに迷っている人って多いんじゃないかな?そこで、ちゃんとビジネスに落とし込むには、どうしたらいいのか、すごく考え抜きました。で、最終的に、ギフトショップに特化したオーダーメイド、メタマテというところにいきついたわけです。

栗原:まさに、自分は迷ってます(笑)。迷っているというか、あえてリスク背負ってそこの壁を越えようとはなかなか思わないなあ。

長瀬:越えた先の利益もそこまで期待できないって、まあ、そう考えますよね。

道楽とビジネス

栗原:言っちゃなんですけど、我々から見たら、アイアンカフェも道楽に見えてたわけですよ。キャステムっていう後ろ盾があってのことだし。あんな秋葉原の素敵な場所に、カフェを開くなんて、夢みたいなもんだし。ただね、そこをやめてまで、販売のお店にシフトするって、その話を聞いた時には、正直、びっくりしましたよ。

長瀬:ぼくらに課せられたミッションっていうのは「ブランドを作る」ってことだったんです。で、まず、そのブランドってなんなんだってところから、ディスカッション重ねました。製造業のネットワーク発信で、金属のいいモノを売っていく、金属特化の雑貨屋さん。これ、ブランドになるんじゃ?というところから走り始めたんです。

分かりやすく言うと無印良品の金属版というようなイメージで。半年走った中で、少しずつ分かってきたことは、大量生産、大量消費の時代から、モノがいらないのにモノを作っているような、モノ余りの時代になった今。無印良品の金属版ビジネスモデルも、それこそ、儲けにならない道楽に終わっちゃうんじゃないかってこと。

そこからさらに、世の中に認められて事業として成立するものを本気で考えた結果が、人の気持ち、ギフトシーンに合わせた商品コンセプト、贈られてうれしい、贈ってうれしいというような、人の思いに寄り添うものの価値は、きっとどんな時代でも変わらないだろう、というところでした。

金属の熱伝導性から「熱を伝える素材でひとの温かい思いを届ける」をブランドコンセプトにと考えたんです。もちろん、ビジネスとして収益化するには高いハードルが待っていると思いますが、それは、これからしっかり答えを出していきますよ。

栗原:そうですよね。ある程度はスタートしてからわかることですね、結果は。それでも、相当に綿密な計画は立てているわけでしょ?

長瀬:計画を立てる上で大変だったのは、製造業の考え方をいったんわきに置いて、販売、マーケティングの思考に切り替えることでしたね。モノを売るっていうのは、こういうことなんだなっていうところまで。道楽とは言われない、事業として成立するモデル、余ってる機械と材料で作って売るっていうものじゃなくて(笑)

栗原:この話を聞くのは、正直、初めてではないので、メタメテの目指すところは理解できているつもりです。ただ、最初に聞いたときは、頭の中に?マークがいっぱいでしたよ。そのぶん、今はね、ものすごく期待値が上がっている。だって我々製造業の人間が、ずっと無理ってあきらめていた領域に、いよいよ乗り込んで行くんですよ。やっぱり、結果は出してほしい。同じものづくりに生きる者としてね。

長瀬:製造業の人にとって壁って、一番最後の出口のところ。出口のところをキチンと考えれば、ビジネスとして成り立つってことを、まず、キャステムが示したいと思ってます。ものづくりの可能性を広げたいですね。製造業が自ら仕事を作っていくいうことの、ひとつの答えになっていくと思ってます。

栗原:そこが一番のポイントですね。製造業も仕事を待ってるだけの時代はとうに終わっている。今までは縦のつながりの中だけで仕事をしてきたけど、世の中、激変しました。我々、この10年くらいの間、生き延びるために、ほんとにもがき続けて、その結果、たくさんの横のつながりができました。その中にあって、キャステムさんが製造業が目指すべき新しい道の一つを見つけ出し、切り開いてくれるっていう期待は大きいです。仕事を自ら作っていく。キーワードですね。

長瀬:キャステムの場合は、20数年前、危機を経験してます。ゼロどころかマイナスからの再スタート。よそがやらない仕事を何とか確保して事業を続け、成長してきました。なので、仕事に対して待ちではなく積極的に、というのが身に染みて、やがてそれが強みになりました。その感覚を持った経営者が成功を目指す事業ですからね。

戸田:その社長が選んだ人材が長瀬さんだったわけですし!

長瀬:まあ、社長からは、何ゆうても、こいつは大丈夫って思われてるんでしょう(笑)

メタマテとは?

栗原:では、ここからは、具体的に新しいお店、メタマテのことをお聞きしたいと思います。

戸田:金属素材というものにこだわりますが、商材はいわゆる雑貨。商品は思いを届けるためにギフト化する。ラッピングやレーザーマーキングでの名入れサービスがそれです。プラス、オーダーメイド。お店で受け付けてから工場で製作する商品です。お客様のご要望を聞いてカタチにします。

栗原:オーダーメイドのサービスは、お客さんの希望を聞いて、ゼロから作り上げるものになるんですか?

戸田:今までの事例などをカタログ化して、予算も含めて、より分かりやすいサービスにしたいと思ってます。まとめると、コンテンツとしてラインナップしているのは、ワークショップ、物品販売、ギフトサービス、オーダーメイド。それと商業施設としては全く新しいサービスになりますが、3Dの全身スキャナー。頭の先から足先までを、素早く3Dデータ化して、オリジナルのフィギュアが作れたり、様々な展開が可能です。

栗原:3Dの全身スキャナー!それは、お店の目玉になりますね!

眞鍋:いわゆる作家さん、アーティストさんの作品の販売にも力を入れてます。とくにオープン後の最初の一ヵ月は、15人の作家さんにスポットを当てて、大々的に展開します!

戸田:メーカーさんの製品とのコントラストも興味深いです。同じ金属製品でも趣がけっこう違うものです。

栗原:15人の作家さんたちと出会われたきっかけって、何かあったんですか?キャステムさんも製造業としてやってこられたわけで、少し、いままでの流れとは違いますよね?

眞鍋:メタマテは、金属の製品を扱ううえで、商品のセレクトにも力を注いでいます。メタマテに来ていただく理由付けのひとつとして、魅力ある作家さんが揃っているというところも重要な要素です。作家さんたちとの出会いは、インスタだったりします。私個人の思い入れもあって、アイアンカフェの最後の時期に作家さんの作品を集めたイベントを企画してみたんです。動き出してから、ひとりひとり交渉して。結果として十分な手応えもあって、これは行けるなって!

栗原:我々、主に工業製品を手掛ける製造業なので、いわゆる作品というものに関する感覚が鈍いんですけど…。

眞鍋:私は美大出身なんで、むしろ、こちらのほうが主戦場と言えるんですよね。素材をメタルに限定したのは初めてですけど。実は、このあと半年分の作家さんも控えていて。オープニングは15名でにぎやかに、そのあとは、4~5名ずつ、月ごとに紹介していきます。

栗原:お話聞いて、アート系の作品、製品というものに興味が湧き始めてきました。

眞鍋:作家さんたちのほうも、工場に興味を持たれてる人、多いですよ。

栗原:話が脱線しちゃうんですけど、自分の地元の川口で、芸大出身の女性アーティストさんと町工場のコラボが進行中だったりします。きっかけは、卒業製作の大きな作品を作るのに、川口の工場が協力したっていうことなんですが。

戸田:アート作品でも工場で生産されたものでも、丁寧に作り込まれたという価値があれば、大量生産のものとは一線を画すと思います。メタマテでは、それを買う人のライフスタイルに合わせた提案ができます。人と人の間の温かいものを届けるギフトとして。

栗原:なるほど。作家さんたちにとっても、メタマテの店頭に自分の作品が置かれることが、ステータスになってきますね。

眞鍋:ただ、作品のクオリティは、日本橋という立地ということもありますし、厳しく見ていきます。作家さんの作るものは、あこがれるもの。買いたいという気持ちになるのは、その作家さんへの想いの部分が大きいです。それに相応しいものを選ぶ仕事はとても大事だって思ってます。

栗原:まだまだ、作家としてはこれからって若い人たちの、目標の場になるといいですね。MAKERS LINKの事業の中でも、目指せメタマテ出品みたいな応援、出来たらいいな。

長瀬:若手のいいアイデアをカタチにできて販売までできる環境。キャステムの社内ではできてます。それを外に広げたものが、MAKERS LINKの事業でできるかもしれませんね。

「体験を売る」というコンセプト

眞鍋:ワークショップの話もしたいです。私たちがテナントとして出店する”誠品生活”の特長でもあるんですけど「体験を売る」というコンセプト。私たちもアイアンカフェ時代に培ったワークショップを、さらにグレードアップさせて拡大展開します。作家さんにも参加してもらいますし、私もデザイナーとして関わっていきます。

長瀬:チャレンジではあるんですけど、ワークショップだからといって、安いものではなくて、ちゃんと商品の価値にコミットしようと考えています。高いクオリティのものを自分の手で作る喜び。自分で金属の製品を作ったという経験、感動はなかなか味わえないですから。

眞鍋:ワークショップはいろいろな方向性に広げていけたらって思います。趣味的なものから本格的な、もっと工業色の強いものまで、タップとダイスでネジ切りからアクセサリーを作るとか(笑)

栗原:我々からしたら、日常の仕事だけどなあ。タップ、ダイスの作業が一般の人に体験してもらうと、それが楽しいって思われるのかあ(笑)

眞鍋:あと、もう一つ。メタメテのプライベートブランドも。第一弾として、精密板金で作ったギフトボックスを企画中です。シンプルにギフト、メタメテを具現化するには、まず、金属製の箱を作りたいって。ほんとはもっともっといろいろやりたいんですけど。今のところ開店準備のほうが優先で。ゆくゆくは切削のものもぜひ!私、大好きなんで。(笑)

栗原:あ、ちょっと作って持ってきたんで、これ、メタマテの商品として売り込ませてください!(笑)さてさて、話は尽きないんですけど、時間の限りはあるので、今日はこのへんで。とにかく、お店の大成功を願っています。頑張ってくださいね!では、最後にみんなで写真撮りましょう。

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