INTERMOLD 名古屋 2019 レポート(前編)
INTERMOLD 名古屋は2019年6月19日(水)から6月22日(土)の4日間、愛知県名古屋市にあるポートメッセなごやで開催されました。プラスチック部品の設計経験を持つ、元エンジニアのライター石川がINTERMOLD 名古屋を訪れたので、今回はその概要を紹介します。
この記事の目次
INTERMOLD 名古屋 2019とは
INTERMOLD 名古屋はポートメッセなごやの第3展示館で、金型展 名古屋、金属プレス加工技術展名古屋と同時開催されました。タイや中国など、海外の企業を含めた300社以上の企業・団体が出展、来場者は4日間でおよそ4万人となり、期間中は多くの人でにぎわっていました。
INTERMOLD 名古屋 2019の出展内容
メインとなるのは樹脂の射出成形に使う金型の加工技術です。切削や研削、精密加工や溶接などの工作機械や、加工用工具、測定機など様々な加工技術の展示が行われていました。また金型に関わる周辺技術として、3D CAD、CAMをはじめとした設計補助のソフトウェア、IoTなどのソリューションの提案や、安全や教育などを含めた工場の環境改善に関わる商品も数多く展示されていました。
同時開催されていたプレス加工技術展では、金属プレスに使う金型や、試作向けのハイスピードな仮型提供ソリューション、高度なプレス技術、プレス機の周辺で使用する機器などの展示があり、さらに近年注目を集めている3Dプリンター関連技術として、金属製3Dプリンターを使った金型の技術ブースには数多くの人が立ち寄っていました。
INTERMOLD 名古屋では、展示の他にも講演やセミナー、テクニカル・ワークショップも数多く、自動車部品工場が多く集まる中部地区ということもあってか、自動車や自動車部品の開発などに関わる講演も多くありました。
樹脂の射出成形用金型の展示
日本金型工業会による金型ブースは、金型の製造を行っている中小企業がメインです。精密な金型や金型加工の速さ、複雑な金型など、各社それぞれに自社の強みを紹介しています。しかし金型技術という、すでに開発が高みに登りつめている分野という特性上、特に目立った新技術などは見当たりませんでした。そのような中で比較的目立っていたのは、金属製3Dプリンターを使用して金型を製作する技術の紹介でした。
金属プレス金型の展示
プレス金型についても、射出成型用金型と同様、金型の製造を行っている中小企業による展示が主になります。板金のプレスやプレスによるバネの製作、順送装置などの紹介が行われていました。プレス金型についても、射出成型用の金型と状況が似ており、目立った新技術の紹介などは見当たりませんでしたが、3Dプリンターやプレスで作成した仮型の使用により、試作期間を短縮するソリューションの提案なども行われていました。
金型加工技術の展示
INTERMOLD 名古屋で最も目立つ展示が行われていたのは、金型加工技術のコーナーになります。そういう意味では、機械要素技術展とも雰囲気が似ているかもしれません。アマダ、牧野フライス、ファナック、オークマといった主力の工作機械メーカーや、キーエンスやカールツァイスといった測定機器メーカー、キャムタスなどの設計補助ソフトウェアメーカー、ケルヒャーなどの工場で使用する機器のメーカーなどの展示が行われていました。とはいえ金型に特化している展示会ですので、機械要素技術展に比べ、金属に対する加工や、複雑な形状に対する測定などがメインでした。複雑な加工、精密な加工に対する提案も多く行われていたのですが、機器の使いやすさや加工時間の短縮、ワンステップでの加工などの分野でのソリューション提案が多く見られたのが特徴的でした。