求職者に響く「自社の良さ」のアピール方法

元エンジニア。工業系エンジニアライターの石川です。大手の求人サイトや、各企業の採用ページの制作のため製造業を中心に様々な企業で取材を行っています。今回はその経験を元に、求職者に響く「自社の良さ」のアピール方法をご紹介します。

1.求職者が本当に知りたいこと

求職者が知りたいことは、その仕事に就いた後の生活です。求職者へのアピールというと、まず最初に仕事のやりがいを思い浮かべる人も多いと思います。確かにやりがいのある仕事は、労働へのモチベーションにつながりますので、やりがいは大切です。ですが、やりがいや情熱だけで働き続けるのはとても難しいことです。さらに昨今では「ブラック企業」や「やりがい搾取」などの言葉もあります。精神論ばかりを先行させ、過酷な労働を強いる企業が少なからず存在するため、求職者は安心して働ける企業を求めているのです。働くことは生きることですから、これも当然といえば当然です。

このような事情から、求職者が知りたい大事なポイントは、応募しようとしている企業で働いている人がどのように生活しているのかになっているのです。

2.仕事に就いた後の生活とは

では求職者が知りたがる、その仕事に就いた後の生活とは一体どういうものなのでしょうか。簡単に言うとキャリアプランです。キャリアプランには大きく分けて次の3つのフェーズが存在します。

  • 仕事を覚える過程
  • 自力で仕事を進めていく過程
  • 昇進プラン

このフェーズを意識しながら伝えることで、仕事に就いた後の生活を求職者が年単位で想像することができるようになります。

続いて各フェーズで伝えるといい内容を紹介していきましょう。

仕事を覚える過程では、研修の有無や期間、業務を進めながら覚えていくのであれば指導係の有無などを具体的に伝えることが必要です。例えば「人事部での3日間の座学研修のあと、配属先で先輩と一緒に業務を進めながら必要な知識を覚えていきます」や「詳細なマニュアルが用意されているので、それに従って仕事をしながら覚えていきます」などのように表現するといいでしょう。

自力で仕事を進めていく過程では、仕事の流れや数年先の先輩の生活の様子を伝えます。例えば仕事の受注から完了までの流れや一日の仕事の流れ、先輩の仕事の内容や一日のタイムスケジュールを紹介するといいでしょう。

昇進プランも重要です。リーダーなどへの昇格や出張、赴任などの有無、給与などの具体的な数値は、就業後の生活をイメージする大切なポイントになります。業種によっては独立開業への道の有無なども明記するといいでしょう。

3.仕事のやりがいをアピールする方法

求職者が知りたいのポイントとして仕事に就いた後の生活を挙げましたが、仕事のやりがいをアピールすることも、もちろん大切です。仕事に興味を持ってもらったり、熱意のある人に来てもらうためには、やりがいのアピールを欠かすことができません。しかし仕事のやりがいは、他社との差別化がとても難しいという特徴があります。なぜなら、どの会社も力を入れてアピールしてくるからです。また、例えば「有名自動車メーカーにおさめる部品を作っている」や「お客様に感謝される」など、似たような業種が数多くあるケースもあります。そのような中で、自社の仕事のやりがいをアピールするために必要なのは、マクロとミクロの2つの視点です。

マクロの視点とは、その仕事を通じて社会にどのように貢献するかです。「人々の安全を守る」とか「世界中に部品が届く」など、目を引くフレーズが出やすい部分でもあります。例えば自社製品の使われ方やシェア率などを示し、なぜそう言えるのか具体的な根拠を伝えることで、より明確な強みになります。

続いてミクロの視点です。ミクロの視点を一言で表現するのであれば自己効力感という言葉になります。会社としてではなく、その会社に属する個人として何ができるのかを伝えます。残念なことにミクロ視点でのやりがいをアピールできている企業はあまり多くありません。つまりミクロ視点でのやりがいアピールは、他社との差別化が図れる部分であるともいえます。例えば「機材の運搬方法をこのように工夫して予算を何万円から何万円に抑えた」や「こんな機械を扱えることでお客様からこんな感謝をされた」など、具体的な体験を交えてアピールしてみてください。

まとめ

近年は「個の時代」が到来しているといわれています。かつてのように「お国のために」「社会のために」という滅私奉公的な意識は薄れ「社会の中の個人として、いかに生きるか」が注目されている時代です。新卒をはじめとする若い層にも、このような個人としての意識が浸透しつつあります。ですから自社の良さをアピールする際にも、会社としてどうであるかに加え、そこに所属する個人はどうであるかにフォーカスすることが大切になります。社内のメンバーをよく観察し、個人としてどうであるかを見ていくことで、求職者の心にひびく言葉を見つけることができるでしょう。

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