改正された入管法、これで中小製造業の人材不足も解決か?

こんにちは、テクノポートの渡部です。超大型のGWも終わり、通常業務の感覚が戻りつつありますでしょうか?

GWが始まる少し前、2019年4月から入管法が改正され、受け入れ拡大が始まった外国人労働者の雇用ですが、5月6日付の日刊工業新聞の記事よると「すでに採用もしくは採用を決定」「検討中」を足すと6割以上が外国人の採用に前向きな姿勢を見せています。日本の労働力不足を背景に改正されたこの入管法ですが、慢性的な人材不足に悩む日本の中小製造業の解決にはつながるのでしょうか?

新設された「特定技能ビザ」とは?

具体的に何が変わったのかということですが、簡単に言うと「特定技能ビザ」が新設され、日本における就労ビザの種類が増えることで、外国人が日本で働くためのハードルが下がったということです。この特定技能ビザの中の1号が許可される業種は下記14業種です。

  • 介護
  • ビルクリーニング
  • 素形材産業
  • 産業機械製造
  • 電気、電子機器関連産業
  • 建設
  • 造船、舶用工業
  • 自動車整備
  • 航空(空港グランドハンドリング、航空機整備)
  • 宿泊
  • 農業
  • 漁業
  • 飲食料品製造(水産加工業含む)
  • 外食

皆様の会社でも当てはまっている業種があるのではないでしょうか?この14業種に関しては、これまでよりもシンプルなスキームの中で外国人が働くことができるようになります。

特定技能ビザ1号と2号

上記の14業種のうち「建設」「造船、舶用工業」の2業種に関しては特定技能ビザ2号に移行することができ、1号の通算5年という期間の制限がなくなると共に、家族の帯同も認められるようになります。逆に言うと1号は家族の帯同が認められておらず、いわゆる外国からの出稼ぎ労働者としての労働力を受け入れる形になります。

これまでとの違い

従来の外国人を雇用する方法として

  • 技能実習ビザ(3年、1時帰国後+2年)
  • 就労ビザ(定期更新により長期就労可能)

の2つがあり「技能実習ビザ」は国際貢献を目的としていることもあって期間も限られており、就労ビザの場合は通常と比べて条件が厳しいという難点がありました。今回、追加された特定技能ビザは、人材不足解消が目的ということもあってスキームもシンプルで取得しやすく、受け入れ国に制限のある技能実習ビザと違い、どの国からでも受け入れが可能となっています。

また、この特定技能ビザは、上記の技能実習ビザから移行ができる場合もあるので、最大で10年の日本滞在が可能になります。これにより数年で帰国されるのであればと、外国人の採用に消極的だった方の考え方も変わってくるのではないかと思います。

注意点

入管法の改正によって様々な職種で外国人の雇用が始まることが考えられますが、注意点がいくつかあります。

受け入れ体制の整備

特定技能ビザの取得の要件として最低限の日本語の能力は保証されていますが、「日本にいる」外国人ではなく、「外国にいる」外国人を採用することになるので、文化的な違いへの理解や、それらに対する日本企業側の受け入れ体制が必要不可欠になります。

期間の制限

現状では2号に移行できる職種が「建設」「造船、舶用工業」の2つしかないことを考えると、基本的には「期間の制限がある」制度です。10年、20年先まで視野に入れた慢性的な人材不足の解消に繋がるかは疑問が残りますが、現在の人手不足の解消にはつながる可能性が高いです。

これから

人材不足とは言っていますが、それは後継者不足という問題も同時に抱えている日本の中小製造業ではあるので、日本に永住できるような就労ビザを持つ外国人の雇用を進めていかないと、根本的な解決には繋がらないかもしれません。ただ、今回の入管法改正によって外国人の雇用はしやすくなり、通算最大10年の雇用が可能になるため、管理者的な立場での育成も視野に入れられるようになると思います。今後の外国人受け入れとの第一歩としてトライしてみてはいかがでしょうか?

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