実は最も見られている!?会社紹介を作るときの構成要素5つ
テクノポートの永井です。今回は、Webサイトの会社紹介の特徴とその重要性について紹介します。
製造業のWebサイトは、
- 主に技術紹介ページ
- 製品紹介ページ
- 設備紹介ページ
などの技術的な項目で構成されています。もちろん「どのような技術を持って、何を加工できるか」を伝えるために、それらのページは必要なのですが、実はほとんどの企業において最も見られているページは「会社紹介」のページです。
Webサイトを作る際に、会社紹介ページは「挨拶や会社概要が掲載されていればいい」という具合に、他のページと比べて軽く扱われやすいページかもしれません。しかし、会社紹介ページはターゲットの信用を得るための最重要ページになるため、しっかりとした内容を掲載しなければなりません。
今回は、その会社紹介ページの重要性と必要項目についてお伝えしたいと思います。
この記事の目次
会社紹介ページに必要な5つの情報
会社紹介ページの最大の目的は、ターゲットに自社を信用してもらうことです。言い換えると、「この企業なら安心して取引ができそうだ」と思ってもらうことです。
そのように思ってもらうためには、最低でも5つの情報を掲載しなければなりません。
ここでは会社紹介ページに必要な5つの情報について紹介します。
1.実績
仕事を依頼する上で、だれもが確認したいのが実績です。実績と言ってもいろいろありますが、特に下記4つの実績は大切です。
- 企業との取引実績
- ISOの取得実績
- 技術資格の保有実績
- お客様からの表彰実績
最も大切なのが取引実績です。ターゲットは貴社の取引実績を見て、その中に知っている企業があれば安心しますし、一方で聞いたこともないような企業ばかりだと不安になったりします。
例えば、大手企業との取引実績が書かれていると、ターゲットが貴社に対して抱えている技術や品質、価格、納期などのすべての不安が解消され、「安心して頼めそう」と思ってもらえます。
そのため、誰もが知っている大手企業との取引実績があれば必ず掲載してください。このとき「大手自動車メーカー」などと抽象的に書くのではなく、可能であれば具体的な企業名を記載することをおすすめします。ただし、具体的な企業名を出す場合、秘密保持の関係で同業他社とは取引できなくなるという業界もありますので、状況に応じて使い分けてください。
ISOの取得実績は「選定企業の候補に入る確率が上がる」という可能性があります。ターゲットが新規取引先をWebを使って探すときは、複数社のWebサイトを見て、そこから数社に絞ってから検討します。絞る中で、全サイトを慎重に調べることはせず、まず基準を設定し、基準を満たしていない企業は候補から外されます。その基準の一つとして、ISOの取得が求められることがあります。
つまり、ISOの取得実績のない企業は一番はじめにふるいで落とされる可能性が高まります。そのため、ISOを取得している場合は必ず掲載してください。
技術資格の保有実績については、技術力があることと社員教育をしっかりしているというイメージを与えられます。簡単に言うと、技術資格者が多い企業は仕事を丁寧にしてくれるイメージです。そのため、技術資格も積極的に掲載していきましょう。
お客様からの表彰実績は第三者からの評価になるため、信用度の高い情報として見られます。注意点としては、過去の実績にならないように掲載する表彰年度に気をつけましょう。最終の表彰年度が古い場合、過去の栄光と思われてしまい、逆に信用を落とすことになりかねません。最近では企業側が表彰しなくなってきているため、最終年度が10年以上前といった古すぎる場合は表彰実績を掲載しないという選択も検討しましょう。
2.会社規模
会社規模は社員数、敷地面積、拠点などです。会社規模を掲載することで、自社の生産能力を伝えることができます。
社員数が多ければ、生産規模が大きいことを伝えられると同時に、安定した供給ができることも伝えられます。
例えば、社員数10名と200名では会社の印象はかなり変わります。人数が多い場合、値段が高いイメージも付いてしまうため、社員数が多いことが無条件で良いわけではありませんが、印象は良くなる傾向にあります。
また、敷地面積が広かったり、拠点が複数あることもメリットになります。
特に、東日本大震災以降、大手企業はサプライチェーンをかなり気にするようになり、生産拠点を複数持っていることが新規取引企業の条件として挙げられるようになってきています。自社の拠点を持っていない場合は、協力企業やその地域などを掲載してもいいと思います。
3.場所
所在が不明な企業は信頼されません。存在を証明するために、住所は必須情報です。さらに、多くの会社は近場で協力企業を探しているため、住所は必ず掲載しましょう。
住所以外にもアクセスマップやGoogleマップを掲載することで、自社の場所をビジュアルで伝えることができます。
本社以外に拠点がある場合は、住所と併せて各拠点ごとの事業内容を掲載すると、興味を持ってもらえる可能性が高まります。
4.歴史(沿革)
歴史が長い企業ほど信用力は高まる傾向にあります。例えば、創業5年の企業よりも創業100年の企業のほうが信用力は高くなります。そのため、創業者や設立年月日はもちろん、沿革も充実させましょう。
工場の移転、規模拡大などの情報が掲載されていると、未来のある企業として映ります。ターゲットは長期的に取引ができる企業を探しています。そのためには沿革も充実させましょう。
5.ビジョン(代表挨拶)
代表挨拶や理念によって、「会社が何を考え、どのようなスタンスで仕事をしてるのか」を伝えることができます。企業といっても、最終的に行き着くところは「人」です。「何にこだわりを持って仕事をしているのか」が受注先を選ぶ判断基準となる場合もあります。
メーカーが相見積もりをとった結果、技術・場所・品質・コストなどで同等と判断した場合に、最終的に決めるのは「その企業に頼みたいかどうか」です。そして、その判断に必要となるのがビジョンです。
また、経営者は他の企業の代表挨拶を読んでいることが多く、「考え方が似ているから仕事を依頼する」というケースも少なくありません。
代表挨拶や理念は本当に大切ですので、時間をかけて作り込んでみてください。
会社紹介に必要な項目
会社紹介に必要な項目について、詳しく解説していきます。ぜひページ作成の際の参考にしてください。
代表挨拶
代表挨拶は、ホームページの訪問者に代表者の考えを知ってもらい、親近感や納得感を持ってもらうためのコンテンツです。こういった「人」や「想い」の面を見せることによって、数値やデータだけのページよりも訪問者を惹きつけることができます。
下記ページに、書くべき内容と魅力的な代表挨拶の具体例を掲載していますので、ぜひご覧ください。
代表挨拶の書き方:https://keikakuhiroba-mfi.com/archives/16361
基本情報(会社概要)
会社紹介を書く上で欠かせないのが、会社概要です。会社概要の項目は表形式にするなど、見やすく作りましょう。盛り込むと良いのは、以下のような情報です。
- 会社名
- 代表者名
- 事業内容
- 住所
- TEL
- FAX
- 創立
- 設立
- 資本金
- 売上
- 社員数
- 主要取引先
- 取引銀行
拠点の地図
Webサイト上にGoogleマップを掲載することで、所在地をぱっと見で分かりやすく伝えることができます。実際に会社へ訪問していただく際にも役立つでしょう。
沿革
事業の歴史が長い場合、経歴としてアピールになります。信用力向上にもつながるため、記載したほうが良いでしょう。近年の情報も載せていくことで、より積極的な印象を与えられます。
+α 会社紹介動画
最近では、会社の紹介動画を作成する企業も増えてきています。製造業の場合、製造現場や実際の加工の様子などを動画で見せることで、社内の雰囲気を短時間で理解してもらえます。動画にすることで、文章を読むよりも頭に入ってきやすく、より効果的なアピールが期待できるでしょう。
また、会社の雰囲気をリアルにイメージしやすくなることで、問い合わせへのハードルが低くなるとも考えられます。
まとめ
会社紹介は企業の信用力を判断してもらうための大切な項目であり、最も見られるページです。基本の情報となる会社概要はもちろん押さえた上で、代表挨拶や理念といった「人」や「想い」の面からも、訪問者を惹きつけるページを作りましょう。
BtoB製造業のWebサイト制作における企画手法に関してまとめた記事がありますので、こちらもご参照ください。