ビジネスチャットの導入で社内コミュニケーションを高速化する

【執筆者紹介】徳山 正康
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徳山 正康
テクノポート株式会社 代表取締役

製造業専門のWebマーケティング事業と技術ライティング事業を手がけるテクノポートの代表を務める。「技術マーケティングで日本の製造業に追い風を」を経営理念に、これまでに数名の町工場から一部上場のメーカーまで、累計1,000社を超える製造業を支援し、数多くの企業の経営革新を実現。

グロービス経営大学院(MBA)卒業、(社)日本ファミリービジネスアドバイザー協会 フェロー、(社)Reboot 理事、(社)Glocal Solutions Japan 認定専門家

【寄稿実績】
間違いだらけの製造業デジタルマーケティング(MONOist)
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社内コミュニケーションのスピードUPの重要性

ものづくり経革広場の徳山です。AIやIoTの普及により様々な業界のビジネス環境が激変していくことが考えられる中、以前のブログでも触れたように、社内コミュニケーションのスピードUPがとても重要になってくると考えています。特に新規顧客獲得において、顧客とのレスポンスをスピーディに行うことに直結する社内コミュニケーションの高速化については、最も重要な要素と言っても過言ではないと思います。

スピードUPするために何をするか

社内コミュニケーションのスピードをUPするためにどのような方法が考えられるでしょうか。真っ先に思いつくのが組織の変革かと思います。情報伝達のしやすい組織体制に変えることや、現場へ権限を委譲することなどが挙げられますが、いずれも根付くのに時間がかかりそうです。

そこで、今回オススメしたいのは「ビジネスチャット」の導入です。上述した組織の変革に比べ、お手軽に導入できるし何よりも即効性があると考えているからです。私は普段から様々な中小企業の社長と会話をしていますが、ほとんどの会社がメールを社内コミュニケーションのツールとして使用していると認識しています。しかし、チャットのほうが確実にコミュニケーションのスピードが早くなるので、古い慣習のないIT系の会社やベンチャー企業ではコミュニケーションの方法はメールからチャットへと移行しています。

ビジネスチャットとは

チャットといえばLINEやFacebookのメッセージ機能を思い浮かべればイメージは湧くと思いますが、これらのサービスだとプライベートで利用している方も多いのでビジネスには活用しづらく、社内で使うツールとして取り入れるのは難しいと思われるでしょう。今回オススメしているビジネスチャットは、仕事におけるコミュニケーションに特化したチャットのことで、社員間でメッセージを送ることはもちろん、部門内やプロジェクトチーム内で情報を共有したり、タスクやプロジェクトの管理ができるものまであります。

メールと違い、会話の流れを掴みやすい画面設計になっていたり、過去のメッセージやアップしたファイルなどを検索して見つけやすい、などのメリットがあります。

チャットの方が社内コミュニケーションが早くなる理由

メールに比べ、チャットの方がコミュニケーションが早くなる理由は下記のようなものが挙げられます。

  • メールだと「お世話になっております」などの前置きや、「よろしくお願いいたします」などの後書きを書かなければならない文化が定着しており、送信に時間がかかってしまう。
  • メールだと送信後のメッセージの削除や編集が効かなかったり、宛先を間違うリスクがあるので、送信に慎重になってしまう。
  • チャットだとPCだけでなく、タブレットやモバイルなどからも操作がしやすく、場所を選ばずレスが可能。
  • プライベートでLINEをはじめとしたチャットツールが普及しており、社員の多くが既に操作に慣れていることが多い。

ビジネスチャット導入の流れ

次に、ビジネスチャットをどのような流れで導入していけばよいのかを考えていきます。中途半端に終わってしまわないように自社に合った手順で導入していく必要があります。ここではオススメの手順をご紹介します。

STEP1 社内、部門別に導入

まずは社内にビジネスチャットを定着させるために、小規模な会社であれば社内全体、中〜大規模の会社は部門ごとに使ってみましょう。個人間のメッセージのやり取りと部門内での情報共有を目的に使ってみるとよいでしょう。

ここでのポイントは、中途半端にならないよう強制的に使用させることです。最初のうちはメールの方が慣れているので、使いづらいのは当たり前です。ルールとして、社内でのコミュニケーションにはチャットを使うことを徹底してください。

STEP2 プロジェクトごとに導入

次にプロジェクトごとにグループを作り、本格的に業務でのコミュニケーションをチャットベースで進めていきましょう。STEP1で社員全員がチャットの使い方に慣れていればすんなりと受け入れられることでしょう。

弊社では主要顧客ごとにグループを作ることで、その顧客とのやり取りを社内で共有したり、何か新しいことを始める際にグループを作り、その進捗を共有したり、アイディアをブレストしたり、といった使い方をしています。

STEP3 顧客や取引先を巻き込む

ビジネスチャットでは社外ユーザとのメッセージ送受信や、グループ内に社外ユーザを加えることもできます。顧客や取引先を巻き込んだグループを作成することで、社内と顧客(取引先)間でのコミュニケーションスピードを飛躍的にUPすることができます。

弊社でもご理解いただけるお客様に限りこの方法を行っており、お客様のほとんどがビジネスチャットを使うのは初めてにも関わらず、すぐに慣れてしまいメールは全く使わなくなってしまいます。

ビジネスチャットツールの紹介

ビジネスチャットと一言で言っても様々な会社がサービスを提供しています。具体的にどのようなサービスがあるのか、主要なものを取り上げてご紹介いたします。

弊社で利用しているサービスです。シンプルな操作画面で初心者でもすぐに使いこなせるのが特徴です。タスク機能が便利で、自身が抱えるタスクの忘備録にすることはもちろん、他メンバーにタスクを振ることもできます。無料アカウントで利用できますので、まずはアカウント登録して使い始めてみることをオススメします。

最近TVCMでも宣伝を始めたサービスです。プロジェクト管理機能に優れているので、システム開発を行っているようなIT系の会社を中心に利用者が多いサービスです。聞いた話ではコマ大戦の実行委員の皆さまがSlackを使って会を運営しているそうです。

皆様ご存知「LINE」のビジネス版です。LINEでお馴染みの未読・既読がひと目で分かるので、開封したか(目を通したかどうか)がすぐに分かります。社員の方が操作に慣れている可能性が高く社内に浸透しやすい、というメリットがあるかと思います。

補足:スピードUP以外のメリットも

弊社ではビジネスチャットを導入して7年近くになりますが、導入成果として社内でのコミュニケーションが早くなり、仕事の進行スピードが上がったことはもちろんのこと、会議よりも個々の意見が出やすくなったり、タスク管理で仕事の効率が上がったり、など様々なメリットを享受することができました。

ご紹介したサービスごとに料金体系は異なるものの、いずれも投資金額としては大したものではありません。費用対効果は間違いなく得られるツールだと思いますので、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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徳山 正康
テクノポート株式会社 代表取締役

製造業専門のWebマーケティング事業と技術ライティング事業を手がけるテクノポートの代表を務める。「技術マーケティングで日本の製造業に追い風を」を経営理念に、これまでに数名の町工場から一部上場のメーカーまで、累計1,000社を超える製造業を支援し、数多くの企業の経営革新を実現。

グロービス経営大学院(MBA)卒業、(社)日本ファミリービジネスアドバイザー協会 フェロー、(社)Reboot 理事、(社)Glocal Solutions Japan 認定専門家

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