製造業×シェアリングエコノミーの可能性

製造業におけるシェアリングエコノミー普及の可能性

UberやAirbnbなど、シェアリングサービスが爆発的に普及しています。現状では消費者間をマッチングするサービスがほとんどですが、今後は会社間のマッチングを支援するプラットフォームが増えていきそうです。これまでの動向を見ていると、資産価値が高く使用頻度が少ないものがシェアリングエコノミーに巻き込まれる傾向が見受けられます。その傾向から考えると、今後は製造業の設備なども当てはまるかも知れません。

今回のブログでは、今後の製造業におけるシェアリングエコノミーの可能性について探っていきます。

可能性① 製造業でもエンドユーザ同士が結びつく

1つ目の可能性は、製造業でもUberやAirbnbのようにエンドユーザ同士が結びつくサービスが普及する可能性です。具体的には自社の設備や人員を会社間でシェアできるようになる、といったイメージです。

しかし、普及における大きな課題として、各工場が抱える機密情報により工場内に外部の人間が入ることが許されない場合が多いことが挙げられます。シェア用に設備スペースを設けるなどすればよいかも知れませんが、そこまで設備投資を行うほど市場が出来上がっていないのでリスクが大きいのが実情かと思います。

この分野に関しては、新サービスが少しずつ増えていますで後ほどご紹介いたします。

可能性② 工作機械メーカーがシェアリングサービスを始める

カーシェアの分野では、Anycaのようにエンドユーザ同士のカーシェアを支援するプラットフォームもあれば、タイムズのように事業者が所有する車をエンドユーザにシェアする形のサービスもあります。

可能性①で記載した普及のための課題をクリアできない場合、タイムズのように事業者がエンドユーザへサービスを提供する形のほうが製造業では普及しやすいのかも知れません。例えば、工作機械メーカーがシェアリングサービスを始め、各地にシェア工場を開設し時間貸しで機械を利用できるようにする、といった感じです。

これは工作機械メーカーのビジネスモデルが大きく変わるので、業績が堅調なうちは動きがないかも知れません。しかし、あらゆる産業におけるビジネスがストックモデルを目指し始めている背景からも、工作機械メーカーや新規参入者が当サービスを始める可能性は十分に考えられます。

可能性③ オンライン完結でものづくりができるサービス

3Dプリントの分野に特化し、世界各地の工場設備の生産力をシェアしてもらえるサービスを提供しているカブクといった企業がいます。ものづくりを仲介するという意味では従来の商社とやっていることは似ていますが、オンラインでものづくりの発注業務を完結できるように仕組化していることが全く違うところです。

オンライン化により受注業務に人が介在しないことで圧倒的に安くできます。また、オンラインで工場をつなぐことで、空いている工場を探す時間が不要になり圧倒的に早くサービスを提供することが可能になります。IoTやロボティクスが普及する中で、空いている工場の生産力をまとめ(シェアしてもらい)、生産工程の一部をオンライン化することで付加価値を見出すようなサービスは今後増えていきそうです。

製造業向けシェアリングサービスが増え始めている

ここ最近、最もハードルが高いと考えられている可能性①の分野において新規参入業者が増え始めています。どのプラットフォームもまだ参加ユーザは少ないですが、今後の動向に注視していきたいものばかりです。

シェアリングファクトリー(日本特殊陶業株式会社)

工場間で加工設備などをシェアリングできるサービスです。四輪・二輪車向けエンジン点火プラグと排ガスセンサーを扱う日本特殊陶業が新規事業として始めました。

ものづくり補助金などで設備投資を行う機会は増えたが、高機能すぎて使う機会がなかったり、操作できる人員がいなかったり、稼働率がなかなか上がらないという悩みはよく聞くので、そういった悩みを抱える企業の参加者が増えるかも知れません。

エクイップ(Anyble株式会社)

計測器・測定器に特化したシェアリングサービスです。計測器・測定器などを地方自治体が運営する施設でレンタルすることは多いと思いますが、そのような貸し借りを誰でも活用できるようにするプラットフォームです。

製造業では普及に時間がかかる?

様々な可能性について言及してきましたが、製造業のシェアリングエコノミー普及については、各工場が抱える機密情報がクリアできるかどうかが最大の課題となり、数年での普及は難しいと考えられます。

エンドユーザ同士が直接取引できるプラットフォームができたとしても、課題がクリアできない場合は、メルカリのように設備の売買をエンドユーザ同士で直接行うサービスが限界なのかも知れません。

いずれにせよ、製造業においてこの分野は大きな変化をもたらす可能性は非常に高いので、引き続き動向を追っていきたいと思います。

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